こんにちは。
お久しぶりです。郊外への引っ越しが、2週間ほどかかってようやく落ち着きました。
住んでいるのはそこそこの田舎なのですが、これまで無理して住んでいた都心と違い、のんびりした空気が心地よいです。
娘は徐々に成長を続け、ベッドの上を縦横無尽に動き回れるようになりました。うつぶせが好きなようで、いつも意味不明な体勢で寝ています。笑

さて、ようやくブログを再開出来ますが、今回はリネンツイードのジャケットが完成したのでご紹介します。
この生地について簡単に紹介すると、見た目は完全にツイードだけど、素材がウールではなくリネン100%というものです。

リネンとツイードが大好きな私にとっては、見逃すわけにはいかない生地で、色柄的には使いやすくは無さそうだけど購入しました。
「年中リネンを着たい、けど冬には冬らしい季節感のあるものを着たい。」と思うのですが、その思いを叶えてくれる生地です。
重さは不明ですが、きっとメーター500g以上はあります。服地というよりはソファーのカバーに向いていそう。
早速ですが、完成したジャケットをご覧ください。



いかがでしょうか。
生地の厚さ、ハリ感のおかげで構築的な印象が出ていると私は思います。
以下の記事で紹介したメゾンエラールのジャケットとほぼ同じ寸法、デザインで作っていますが、少しだけ変化を加えました。
・肩幅を少しだけ大きく。
・肩パッドを少しだけ厚く。
・ラペル幅を5㎜ほど太く。
・バストと背中を少しだけ小さく。




どの変化も5㎜程度のものですし、着ている本人以外は誰も気づかないような変化だと思いますが、自分自身としては、より理想に近づいたと思っています。
特に肩周りについては、肩幅を5㎜大きくしてパッドも少し厚くしたので、構築的な印象が少しだけ増したと思います。


参考にしたのは、以下のアットリーニのツイードジャケットです(先輩社員の私物)。肩幅の寸法で言うと、今回のリネンツイードよりアットリーニの方がさらに大きいです。

ただこれは、各寸法だけでなく、生地自体の厚さ、ハリ感も大きな要素であり、単純に数字だけ合わせても同じ見え方にならないのが難しいところです。
今後は、生地の特性も考慮しながら、今回くらいの肩周りの雰囲気を目指していこうと思っています。
ちなみに裏地は総裏地で、ジャケットと少しだけ色をずらしたカーキオリーブのような色にしました。

ボタンはナットボタンで、グレーとオリーブの中間のような微妙な色にしました。

ボタンの質感、色がとても気に入っておりまして、ナットボタンにハマりそうです。
今までは、ナットボタンはプラスチックのように見え、ホーンボタンの方が高級感があって格好良い、と思っていたのですが、ただの食わず嫌いでした。ナットボタン最高です。
さて実際に着た感想ですが、夏の冷房の効いた室内で長時間着用しても、暑くなりすぎず快適でした。

「分厚く起毛感があり、見た目には温かみがある一方、実際にはそんなに暖かくない。」という特徴があるので、
冬にツイードを着たいけど、暖房ガンガンの室内では暑くて死んでしまう、という人には良いと思います。逆にツイードに暖かさを求める人にはお勧め出来ません。
ヘビーなアイリッシュリネンの、「見た目には涼し気があるが、実際は暑い。」の反対の存在ですね。
自分が着ていて快適かどうかより、他人へ与える印象を重視した素材というべきかもしれません。
今回の格好は、リネンシャツ、リネンパンツにローファーという夏っぽい合わせでしたが、

冬にコーデュロイやフランネルのパンツ、インナーはニット、靴はスエード、という普通のツイードジャケットと同じような合わせも出来そうで、便利なジャケットになりそうです。
以上です。
感想ございましたらコメントいただけると嬉しいです。
ありがとうございました。






コメント
かなり綺麗なシルエットのスポーツコートになりましたね!肩が少し構造化されたことで袖のドレープが改善されているところや、ウエスト周辺のカットがとても似合っていると思います。
こうした仕上げのリネン生地はかなり珍しいものだと思いますが(実際は生地紹介記事などを調べても生地の銘柄が書かれている耳などが見当たらず検索にも引っかからなかったので自分が勝手に珍しいものだと考えているだけですけども)、質感の強さがスポーツコートにぴったりだと思うので個性と適切さが両立しているところが好きです(似たコンセプトのサマーツイードに関しては夏には暑くツイード生地に分類もできないためサマーでもツイードでもねえ!と不人気なところもあるようですがこちらはまだ議論されるほどの認知もないようですね そのうち話題になるのでしょうか)。その点に関係してですが、このジャケットではヒップポケットのスタイルが特に目に付くところになるかなと思います。以前からもこだわりポイントとしてストレートジェットポケットを挙げていることは存じておりますし、実験的ファッションの先例に合わせるのも一興かもしれない!とフォローするコメントもしていたのですが、少なくとも今回のスポーツコートについてはあまり効果的なポイントにならないな・・・という印象を持ちました。スーツやスポーツコートのフォーマルさや似合う場所などのスタイルを決める(縛る)ものは9割以上が生地ですので、スポーツコートやカントリースーツ(含ノーフォークスーツなど)のディテールにスポーティーさのない(もしくはフォーマルな衣服に使う)ものを採用すると「都市部でも使いやすくなる汎用性の向上」というよりも「スタイルの強大な矛盾」になってしまうようにも思います。個人的にはスポーツコートにはよりスポーティーさを強めて斜めのフラップ付きジェットポケットが好きですが、フラップ付きストレートジェットポケットでも十分でしょう。ベントについても同様の見方をする方がいるかもしれませんが、ヒップポケットよりはマシかなという気もします。日本ではやたらとヒップポケットの扱いに過剰なうるささがあるような気がしますが、ディナージャケットでなければフラップをつけて特に気にする必要はないですし、ベントはベントなしでどんな姿勢でも綺麗に見えるほど珍しい体型なら暖かさ重視だ!とでも思ってもらえるかもですね。いずれにしても、服を(おおまかに)暖かい時期と涼しい時期に分けて着たり、機会のフォーマルさや都市/郊外/田舎など活動場所、あるいは昼間の機会か夜の機会かというふうに機会に合わせて使い分けて着たりするように、服のディテールも使用するシチュエーションに合わせて選び分けていくと、服を選ぶときや組み合わせ方に悩むときにはかなり楽になるのではないかなと思います。自分なりのスタイルや着方に応じてある程度ディテールの選択肢を調整できるのがオーダーのメリットですので、そういった意味では生地とスタイルの型破りな矛盾を楽しむのも間違ってはいないのですが、少なくとも「矛盾系」の服が多いと機会や気候や組み合わせの面で「使いにくいな」とか「合わせにくいな」と思うことも増えるのではないでしょうか。なんだかダメ出しのようにもなってしまったのでフォロー的な追記ですが、ツイードなどを都市部でも使いやすくするのにはシティーカラーの生地などを取り入れると効果的です。ブルーツイードは珍しいですが、都市や現代オフィスでもなじみやすいですし、ツイードの本来的な居場所であるカントリーエリアでも十分似合います。ストレートジェットポケットやベントレスバックを組み合わせて成立するほどかというと微妙ですが、前例を見つつ引用すれば「タウン&カントリー」スタイルを目指すならこうしたアプローチのほうが成功しやすいと思います。ダークグレーならツイードとしては手に入りやすいかもしれませんね。
また、もしかしてですがフロントボタンの最下部とポケットのラインを合わせるように再調整されましたかね・・・?以前から気にしていたようですので、今回もつい目を向けてしまいました。満足げならなによりです。
コメントありがとうございます。
シルエットお褒めいただき嬉しく思います。
ヒップポケットについて、おっしゃる通りストレートジェットポケットはこのジャケットのスタイルに対して矛盾していると言えますよね。
フラップ付きポケットにどうしても苦手意識があり、パッチポケットでも良いと思いましたが、結局好きなこのポケットを選択してしまうんですよね。
はい、おっしゃる通りです!一番下のボタンとポケットのラインはピッタリ合うようにしました。
やはり揃っている方が気持ち良いです。:)
好奇心半分ですが、フラップのあるジェットポケットに感じる苦手意識はどのようなものですか?なぜ他のあらゆる点よりも受け入れられないと思いますか?
いつも頭ごなしにあれはダメこれはよくないなんて意見にばかり晒されるのもしんどくなるばかりですから、たまにはこうして一緒に掘り下げてみるとなにか解決案が思いついたりするかなとも思えたのですが・・・(SARTOさまで取り扱いができる範囲内に解決策が収まるかはわかりませんが)
苦手意識、と言いましたが、絶対に嫌というほどのものでもありません。
フラップを使うことがない、またポケットに物の出し入れをするときに邪魔に感じることもあるので、余計なものはない方がシンプルで良いな、というくらいです。
もし既製品で、とても気に入った生地のジャケットがあり、それがフラップ付きだったら、購入すると思います。
考え抜いてたどり着いた結論でもなく、私が尊敬する人、具体的にはドルソの齋藤さんなどがフラップ無しジェットポケットを好まれていて、その影響を受け、自分も同じものを好きになろう、という無意識の脳の働きがあったのでは、と客観的には思います。
次回のオーダーでは、パッチポケットも検討しています。
おかげさまで考えるきっかけになります。ありがとうございます。
リネンさん、Ogden Moleawさん、こんにちは。
私もOgden Moleawさんと同意見で、シルエットに関してはとても良く出来ていると思いました。
パッチポケットもかっこいいと思います。3パッチは、少しチャレンジング、ミシンステッチは、イタリア寄りの雰囲気なので少し違うかな?と考えました。面白いですね。
型紙の仕様だと思いますがフロントのカットは深めで、第2ボタン辺りから既に傾斜が始まっているようなので、私も生地と相まってスポーティーな印象を受けます。
下記に引用させていただきますがこれがいわゆる南イタリア(ナポリ仕立て)の特徴なのかもしれませんね。
https://www.vightex.com/wel/2013/04/index.html
kitonなどは閉じ気味のようなので、一概には言えないのですがアットリーニは当にそうなのかもしれません。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
お褒め頂き嬉しいです。
おっしゃる通りで、3パッチはチャレンジング、ミシンステッチはミスマッチになりそうですね。
紹介いただいた記事も読みましたがとても面白く参考になりました。
記事内の写真のアットリーニのジャケットと、少し似ている部分もあるかもしれませんね。
注目するポイントが増えれば増えるほど、新たな発見があって面白いですね!
使用感が理由なんですね。なんにでも最初の印象による(よさ/わるさはそれぞれあり)選択の方向性はあると思いますし、あえて言えば大抵そういう好みは変化してくるものかもしれないくらいの認識にはしつつでいろいろ手を出してみるのもいいと思います(費用的にいくらでもトライができる場合に限るかもしれませんが)。しかし、使い所を狭めたり奇妙な(トレンドファッションはしばしば奇妙に見えることもありますが)服装になったりすると、なかなか困ってしまうことも多くなりそうです。服が増えると摩耗も減って長持ちしますから、なおさら使いにくい服が端に追いやられたまま残っていきますし・・・。「○○さん個人に紐づくスタイル!」のような、着ている人自身の個性と化すほどのスタイルを私個人があまり好ましく思っていない(そうしたスタイルを持つ人々誰かのアンチではないですし、国内外も問わずですから変に例を挙げると偏ってしまい軸を失うので曖昧な議論ですが)のもあり、服の小さな部分部分で着用者を語るような選択にはあまりこだわる理由はなさそうです(その細部で”仕立て屋”を語る服はよいと思いますが、着用者に対しては服だけを見せる服装ではなく、よい服装が着ている人自身を引き立てる・・・身体にきちんとフィットしつつ最終的には顔や内面的個性に意識が向けられるようなものを目指すべきかと)。
そういう方向性の上で、具体的にどうするのかという面ですが、今回の服をツイード(ツイードではないですが)に近しい生地のものとするなら、今回の例やパッチポケットよりは強く傾けられたフラップ付きのジェットポケットのほうが合うと思います。生地の厚さなどの面からパッチポケットはあまり機能しない(というかデメリットが勝つ)気がしますし、正直スポーツコートには通常の水平ダブルジェットポケットはフラップがあっても十分に見えないと思います。私は比較的イギリスの服(ざっくりと)が好きですが、ツイードも含めてあまりパッチポケットを用いたジャケットはない印象です。角度以外にも幅や角のデザインも含めてフラップがあることで実用性とは違う表現効果(体型や印象への影響)を色々作り出せます。ダブルベンツよりシングルベントのほうが似合うジャケットでもあったかもしれません。
いずれにしても、すでに完成したジャケットについてあれこれ意見されたところでどうしようもないだろうと当然思えるでしょうし、意見や考え方が変わっても服は変わらないので余計にどう扱えばと感じるだけだと思うので、なかなか不毛な投稿にしかならないのですが・・・
K.M.さんもコメントありがとうございます。お世話になっております。
ミシンステッチについての言及がありますね。ミシンステッチという表現がなかなかジャパニーズ業界用語であまりつかめず苦手なのですが、英語でswelled edge(welted edgeとかquarter-inch stitchingとも)と呼ばれているジャケットのステッチを追加するのは伝統的な(クラシックな?)スポーツコートのスタイルですね。スポーティーで質感のある生地にはどれでも歓迎ですし、ほとんどのオーバーコートにも適しています。他のステッチ(ピックステッチやナポリの仕立て屋が好む二重のステッチなど)とは違うもので、日本での表現や上手に達成する仕立て屋を知らないのですが、一応挙げておきます。
ピックステッチ(手縫いとかAMFとかは置いておいて)はきちんとした高品質なジャケットでは端の近くを縫ってあり、しかもよく近づかないと気付かないものですが、swelled edgeは端から少し離れた大体0.75mm~1cm未満くらいの位置に、見えやすく縫われています。施されるのは一般的に襟、衿、フロント、ヒップポケットのポケットフラップ(フラップがある場合)やパッチポケット(パッチポケットがある場合)、ウェルト胸ポケットで、稀にベントやベントの縁にも入ります。
このブログの表現で言うところの「つるっとした生地」の服には合わないものの、質感の強い生地でなら伝統的なイギリスの仕立てにもよく見られたよいディテールです。伝統的と言えど最近では少し珍しい独特の見た目が生み出せますので、興味があって再現が狙えそうならやってみるのもよいでしょう。実用的には、端を目立たせるだけでなく(特に雨中で)重厚な生地をきちんと固定し型崩れを防ぐなどと説明されていることが多いです。