フラシ芯がイマイチだと思う理由

SARTO

こんにちは。

スーツやシャツのオーダーにおいて、回数を重ねれば重ねる程、自分の好みがハッキリしてきて、過去にオーダーしたアイテムのディテールが気に食わなくなってきた。

という経験のある方も少なくないと思います。

しばしば聞くのが、せっかくオーダーだからと裏地を派手にしたけれど、後からダサいと思ってきた、という例です。

裏地はデザイン的な意味でのディテールですが、ジャケット袖の太さ、パンツの股上、パンツの太さなど、着心地、機能に影響するディテールもあります。

私事ですが昨年末からシャツを狂ったようにオーダーしており、月一ペースで作っています。ちなみに全てリネンです。

その過程で、自分にとってベストなサイジングがわかったのはもちろん、襟の大きさ、襟の開き角度、ボタン間隔、ボタンの大きさ、剣ボロの長さ、カフスの長さ、等様々なことを研究できました。

今回取り上げたいのは、シャツの芯材とその取り付け方についてです。

私なりの研究結果をお伝えさせてください。

シャツの襟とカフスには、表の生地と生地の間に芯材が入っていることがほとんどで、その硬さ、厚さは様々です。

また、芯材を表のシャツ生地にどう付けるかも、大きく2種類あります。

芯材を表のシャツ生地に縫い付けるだけか、接着剤を使って貼り付けるか、の2つです。

縫い付けるだけの方を、フラシ芯と呼びます。

接着する場合は、接着剤つきの芯材を表のシャツ生地に貼り付ける方法で、接着芯と呼びます。

上のオリーブの方がフラシ芯、下のイエローの方が接着芯。

接着すると言ってもただ貼り付けるだけでなく、フラシ芯同様に縁を縫い付ける場合がほとんどだと思います。

ちなみに縁のキワキワを縫うこともあれば、縁から5㎜や7㎜など、やや離して縫う場合もあり、デザインのバリエーションです。上の写真の2枚はキワキワを縫っています。

フラシ芯のメリットは、襟がパキッとし過ぎず、ナチュラルな感じになることで、

デメリットはアイロン掛けがしにくい、シワになりやすいことだと思います。

フラシ芯のシャツを洗いざらしでアイロンをかけていない状態。襟、カフスともシワが多い。

接着芯のメリットはその逆で、襟にシワが出来ずアイロン掛けがしやすいこと、

デメリットは、襟が硬い感じに見える場合があることです。

接着芯のシャツを洗いざらしでアイロンをかけていない状態。襟、カフスはシワが寄らずキレイな状態。

私はこれまで、フラシ芯の方が絶対良いと思っていました。

何かの動画で赤峰幸生さんがフラシ芯が良いと言われてたのを聞いたのがきっかけで、フラシ芯の方がクラシックで格好良い、という思い込みがありました。

アイロン掛けは確かに面倒だけど、その面倒さも愛せるクラシックな男でありたい、なんて思っていました。

しかし、最近のオーダーでフラシ芯と接着芯を両方試す過程で、私としては接着芯の方が良いという結論に至りました。

最大の理由は、襟とカフスにシワが寄らないこと。

リネンシャツは、私はアイロンを掛けずに着ることがほとんどです。

というのも、リネンシャツはシワが出来やすい反面、濡らすとシワが取れやすく、洗濯機で洗って脱水をほとんどせずに、びしょ濡れのまま干してしまえば、乾くとシワがほとんどなくキレイになります。

しかしフラシ芯だと、襟とカフスにだけ余計なシワが残ってしまい、なんとなく嫌です。

フラシ芯のシャツを、洗濯後未アイロンの状態。

リネンシャツは着たら一瞬でシワは入りますが、襟とカフスはなるべくシワのない方がエレガントだと思うのです。

朝、シャツを着たばかりでまだシワが無い。

接着芯にしてみるのその問題は解決し、襟とカフスだけはシワが入らず綺麗なままでいてくれます。

一日着てシワシワ。しかし襟とカフスは比較的キレイ。

シャツの芯について考えるときにもう一つ重要な要素が、芯材の硬さです。

表のシャツ生地の素材、厚さによって、芯材の硬さは使い分けるべきですが、一般的なリネンシャツであれば、5段階あれば、真ん中の3くらいの硬さが良いと思います。

何故なら、リネンシャツ生地も芯材も、最初は硬くても、洗いを重ねるうちに徐々に柔らかくなります。

カジュアルなシャツであればそれも良いですが、ドレスシャツとしてのリネンシャツなら、襟とカフスは程よくパキッとした感じを保つために、ある程度の硬さはあった方が、長く格好良く着られると思います。

50回以上は洗っているリネンシャツ。襟もカフスもかなり柔らかくなっている。カジュアルシャツなので良いが、ドレスシャツとしては使えなそうな柔らかさ。

話がややこしくなりますが、接着芯の中の一種で、仮接着と呼ばれるものがあります。

これは、新品時は芯材が接着しているが、洗濯を何回かすると接着が剥がれ、最終的にフラシ芯と同じになるというもの。

2種類を一度に楽しめるという意味はあるかもしれませんが、私にはその存在意義がわかりません。

接着芯が良いなら、ずっと剥がれないでキープしてくれる方が良いですし、フラシ芯が良いなら、最初から接着されてない方が良いと思います。

まとめに入ります。

(特に)リネンシャツには、フラシ芯より接着芯の方が良い。

芯材の硬さは、長く着ることを考えるとミディアムくらいが良い。

ちなみに芯材の硬さは、私が体験した麻布テーラーさんでも、私の勤めるサルトでも選べます。

接着方法は選べるテーラーがどのくらいあるかはわかりませんが、見本があれば触ったりして、お好みのものを見つけられると良いと思います。

以上です。

ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました