こんにちは。
3回連続で靴ネタで失礼します。
私の足は幅が広いのですが、どの革靴を履いても小指が痛くてたまらず、大きなたんこぶのようなものができてしまい、家族からは革靴なんてやめなよ、と言われています。
私の足を心配してくれるのもあるでしょうが、革靴集めをやめれば家族旅行に行けるのに、という非難もあるかもしれません。
全くその通りです。申し訳ない気持ちでいっぱいです。
それでも、革靴集めをやめられないのです。
オーダーのきっかけ
今回、人生で初めて靴のオーダーに挑戦しました。
ご存知の方も多いと思いますが、Joeworks、ジョーワークスというブランドです。
オーダーしようと思ったきっかけは、サルトの先輩の私物で、ジョーワークスでオーダーしたサイドゴアブーツを見たことです。
黒の表革のサイドゴアブーツ、アイテムとしては良くあるものですが、なんだかめちゃくちゃ格好良いな、と思ったのです。


ほんのりスクエアなつま先の形、甲の低さ、シャフト(足首部分の筒)の細さ、サイドに継ぎ目の無い革。
気になってこれどこの靴ですか?と聞いて、ジョーワークスだと知りました。
詳しく聞くと、シャトーブリアンという高級な革で、ソールは土踏まず部分”以外”を厚めにしてボリュームを出す、という注文にしたそう。
その先輩はジョーワークスで何足もオーダーしていて、担当の方を紹介しようか?と言ってもらいましたが、
黒のサイドゴアブーツは一足持っているし、茶色のブーツも持ってるし、ブーツは欲しいけど今はいいや、と動き出すことはしませんでした。

話が逸れますが、最近はサルトの銀座店ではなく、新宿伊勢丹店で勤務することが多いです。
先日、新宿伊勢丹でジョーワークスのトランクショーが行われることになったのです。
しかもその場所が、サルト新宿伊勢丹店の目の前。

嫌でも目に入ってきてしまいます。
靴や革見本を目の前に並べられて、我慢しろと言われる方が酷です。
これは運命だと思い、オーダーすることに決めました。
では何をオーダーするか。
きっかけとなったサイドゴア、ローファー、シングルモンク、レイジーマン、どれも格好良いです。
一足も持っていない黒のストレートチップ、という手もあります。
でもやっぱり1番惹かれたのはサイドゴアでした。

個人的に、サイドゴアブーツは足にピタッと沿っていて、足袋に近ければ近いほど格好良いと思っています。
サイドゴアブーツは、甲だけでなく、足首まで紐無しで革が続いています。
既製品だと紐で調整できないから甲は低くしにくいし、甲から足首にかけてパツパツで脱ぎ履きしにくくてもダメなので、どうしても余裕を持って作ることが多いと思います。
余裕を持たせ過ぎると、長靴のようになってしまいます。


オーダーであれば、甲の高さや幅の広さを調整出来て、既製品にはないサイズ感を実現し、足袋になるべく近づけられると考えました。
ジョーワークスのブーツは、調整を加える前から、甲から足首にかけて低めで、シャフト(足首部分の筒)も細く、すでに足袋に近い気がします。

これがさらに良くなると考えるとワクワクします。
革選び
最も重要な選択が、革の種類と、つま先の形。
革は黒のシボ革、とすぐに決まりました。
以前にジャコメッティのシボ革ブーツを見た時に、美しさとカジュアルさのバランスに惹かれ、それを再現したいと思いました。


黒の表革のサイドゴアブーツ、となると、シュッとして格好良過ぎに見える場合があります。それはそれで良いですが、少しだけカジュアル要素を入れたくて、シボが欲しかったのです。
黒のスエードは?とも思いましたが、黒スエードのブーツは「夜」な感じがして、あまりカジュアルさが出ないと思っています。
しかし、黒のシボ、と言っても種類はたくさんあります。
ジャコメッティのブーツに使われていたのが、ユタカーフと呼ばれる革。

シボの模様が、ひし形模様になっているのが特徴です。
シボには、丸い模様もあるし、何形でもない不規則な模様もありますが、ひし形に私は惹かれました。

ひし形模様のシボで黒という条件で革を見せてもらうと、3種類ありました。

真ん中にあるのが、ジャコメッティと同じユタカーフ。正式にはHaas社のUtah Calfという革。

エドワードグリーンのドーバーにもよく使われているそう。

左がもう少し細かい模様。こちらはあんまりピンと来ません。

右はひし形が大きく、模様が浅く入っていているもので、これはかなり好みです。
右の革は、Horween社のHatch Grain、ハッチグレインという革。

革靴好きの方だとピンと来る方もおられるかもですが、伝説と言われるロシアンカーフに似せて作られたレプリカ革です。

ハッチグレインとユタカーフを比べて違いを見ます。

画像左のハッチグレイン:厚くて丈夫、模様が大きいのもあり、比較的ワイルドな印象。水には強め。値段はちょい高だがユタカーフよりは安い(アップチャージ1万円ほど。)
画像右のユタカーフ:薄くて柔らかい、模様が細かいのもあり、比較的上品な印象。水には同じく強め。値段が高い。(アップチャージ2.5万円。)
ハッチグレインは取り扱いが限定的で、国内ではジョーワークスのみ仕入れられるらしく、サンプルでも沢山使われていました。

それらを見た上で、これなら間違いないと思いハッチグレインに決めました。
つま先の形
つま先の形(木型)は、ジョーワークスではいくつかあります。
ほんのりスクエア気味でドレッシーな印象のある0番。

サルトの先輩のブーツもこの形です。
もう一つが、つま先が丸い1番。

丸いとはいえ、ぼてっとはしておらず、シャープな形であくまでドレッシーさはあります。
他にもありますが、カジュアル向けの丸くてかわいい形で、ドレス靴の雰囲気ではなく、今回私が目指す方向とは違うので選択肢から除外しました。

サイドゴアブーツは、つま先をシャープにしてドレス感を出すと、かなりクールな印象になります。

デニムに合わせたりするよりは、スーツに合わせたいデザインです。
それはそれで格好良いですが、一段カジュアルに寄せた絶妙なバランスなのが、JMウエストンのサイドゴアブーツ(705)だと思います。

つま先は丸く、高さも少しボリュームがあり、クール過ぎない印象です。
ドレッシーなスーツには合わせにくいですが、カジュアルスーツからデニムまで幅広く合いそうです。
これよりさらに丸くボリュームが出ると、完全にカジュアルな印象になるので、ウエストンのブーツのバランスは、ドレスとカジュアルの絶妙な中間を取っているのだと思います。
ウエストンのブーツは、絶妙なつま先の形、シャフト(足首部分)の細さ、サイドに継ぎ目の無い一枚革、などの要素が合わさり、唯一無二の美しさになっているのだと思います。

ジョーワークスはサイドに継ぎ目のない一枚革だし、1番の丸いつま先を選べば、ウエストンの印象にかなり近づくのでは、と考えました。

しかし、やはり似ているだけで全然別物です。
つま先が丸いという意味では似ていますが、縦方向(高さ)のボリューム感は違います。
ウエストンのブーツが本当に欲しくなったら、ウエストンのブーツを買おうということで、その作戦はやめました。
ほんのりスクエア(セミスクエア?)なつま先は、手持ちの靴でもいくつかあり、気に入っているので間違いないし、上で紹介したジャコメッティのシボ革ブーツもスクエアだったし、きっといい感じになると思い、スクエアの0番の形にすることにしました。

つま先はドレッシーだし、黒革なので、印象はクールですが、シボ革というのがバランスを取ってくれていて、ドレスからデニムまで幅広く合うものになる、と想像しています。
細かい仕様
ジョーワークスの方にオーダー希望の旨を伝え、足を測ってもらい、サンプルゲージを履かせてもらいました。

フルオーダーではなくパターンオーダーですが、私の足だと既製品では合わないことが多い、甲の高さ、幅の広さ、かかとの大きさを調整できて、これは今までで最高のフィッティングになるのでは、と期待が高まります。
シャフト(足首部分の筒)をなるべく細くしたくて変更できるか確認したところ、ここは変更できない様です。しかし元々が一般的なものより細い設定らしく、変更する必要も無さそうです。
アウトソールはゴツくしたくないので薄いシングルのレザーソール、でも濡れた地面のトイレに入るのが怖いので最初からハーフラバーを貼ってもらう仕様にしました。
色はソールもラバーも黒。
内側のライニングは、遊んで真っ赤にすることにしました。

せっかくオーダーするなら、とどこかに遊びを入れたくなってしまいました。
スーツの裏地を派手にして後悔したことがあり、無難が1番、と思っていますが、脱がなければ見えないし、脱いでもサイドゴアなら足首の筒部分がチラ見えするだけだから大丈夫、と自分を納得させました。
ヒールを高くしたり、地面に向かって細くなるピッチドヒールというデザインも出来ましたが、

ヒールは高いと足に悪そうだし、ピッチドヒールのセクシーさはいらないなと思い無しにしました。
仕様は以上です。
完成まで半年ほどかかるそうです。
ちなみにこんな靴もありました。惹かれます。


以上です。
ありがとうございました。


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