DORSOオーダー体験記(3回目、納品編)

オーダー

こんにちは。

ミスターリネンと申します。

しばらく投稿が出来ていませんでした。

私事ですが、新婚旅行でベトナムに行っておりました。

ホーチミン+ムイネーという小さなリゾートに行ったのですが、ホーチミンは死ぬほどバイクが多く、道を渡る恐怖と空気の汚さで、一日で十分という感じでした。

ムイネーは、最高でした。海はそこまで青くはなかったのですが、美味しい海鮮やフルーツが沢山あり、格安オイルマッサージを毎日受け、のんびり過ごすことが出来ました。

ムイネーの街を背景に、ベトナムらしくジャングルファティーグジャケットを着てみました。

最も良かったのが、砂漠で見た朝日です。海のすぐ近くに砂漠があるという不思議な状況で、朝4時にジープに乗って出発し、砂漠で朝日を見て、バギーに乗って砂漠を走り抜けました。

余計な話はここで終わりにして、本題に入ります。

DORSOさんでオーダーしていたスーツが完成しました。

私にとっては人生初のスリーピースです。

分かってはいましたが最高の出来で、興奮冷めやらぬうちに、記事にまとめます。

写真で紹介

まずは写真をご覧下さい。

ベーシックなミディアムグレーの通年使える生地(250g)、シャークスキンという柄ですが、ほぼ無地です。

今回は「ザ・無難」を目指しました。そしてその希望もオーナーの齋藤さんにお伝えしました。

言い換えると、その国らしさ、テーラーらしさのようなものが少なく、世界中の誰が見ても、違和感を持たないようなスーツが理想でした。

スラックス

具体的に順に見ていきます。

スラックスに関しては、人によってはやや太いと感じられる方もおられるかもしれません。

この太さこそがクラシックだ!というわけではなく、これよりもう少し細くても太くても、クラシックの範疇に収まるとは思いますが、私はどちらかと言えば太めが好みです。

理想的な、わずかに太めだけど、無難なバランスに仕上げていただきました。

ディティールは、2アウトタック、ベルトレスのサイドアジャスター付き、サスペンダーボタン付き、裾幅22センチ、ダブル幅4.5センチ。

細かく注文したのではなく、やや太めくらいが良いという希望を、齋藤さんにお伝えし、詳細はお任せした結果です。

ところで、靴、というより靴紐に裾が引っかかってしまっていて、生地が綺麗にストンと落ちていないのが分かりますでしょうか?

特に向かって左側の足の外側の裾部分が引っ掛かっています。

実はこの日のために新調した靴で、かつ靴紐を蝋引きの硬い紐に替えたため、スラックスの丈の長さ、生地の薄さ(軽さ)も相まってガンガン引っかかります。

靴紐は何度も結んでいるうちに柔らかくなると思いますが、生地の薄さはどうしようもなく、これまで300g後半以上の厚め(重め)ばかりをオーダーしてきた私には、生地が薄いとストンと落ちないことがあるというのは、新たな発見でした。

薄めの生地をストンと落とすために何か良い方法をご存じの方がいれば、ぜひ教えてください。

ベスト

ベストは6つボタン、ポケットは4つ、襟は無しのタイプです。

私にとっては人生初のベストで、何が良いかよく分からないので、ディティールは同じく齋藤さんにお任せしました。

丈はしっかり短めで、ハイウエストのスラックスと合わせると足が実際より長く見えます。

とはいっても短すぎることは全くなく、客観的に見ても、ごく無難で、普通で、良いバランスだと思います。

ウエストのタイトさについては、とことんタイトに攻めてもクラシックで格好良いけど、着慣れないうちは、着ていて苦しくなる可能性があるから、わずかにゆとりがある方が良いとアドバイスいただいていました。

もっとタイトに、もしくはルーズにしておけば、という後悔が一切ない、ちょうど良いタイトさに仕上げてくださったと思います。

ジャケット

テーラーの特徴が最も出やすいであろうジャケットを最後に見ていきます。

写真をご覧になって、どう感じられますでしょうか?

背中の美しさは圧巻です。既製品ではなかなか出せない立体感だと思います。

後ろから見ると、ウエストがぐっと絞られているように見えますが、あくまでゆとりがあるサイジングで、前から見てもタイトすぎることは全くありません。

ラペル幅は、お任せの結果9.5センチで、一般的に見れば、やや太めに分類されるかもしれませんが、太すぎず細すぎず、クラシックで私は好きなバランスです。

着丈の長さも、しっかりお尻が隠れるクラシックな長さです。

DORSOさんで選択可能な以下のオプションのうち、

・肩イセ増量仕立て

・袖イセ増量仕立て

・本衿かけ仕立て

・ゴージーラインカーブ仕立て

・衿穴(フラワーホール)手かがり仕立て

マーキングした3つのオプションを今回は付けました。

上二つについては、着心地向上のためにおすすめされたからです。

自分には違いが分からないのでは、という心配が正直ありましたが、実際に着てみて、結局良く分かりませんでした。

オプションのアリナシで着比べることが出来ない以上、仕方ないことです。

でも、このジャケットから感じる立体感は、オプションでイセを増量しているから、な気がします。

すみません、素人が何を言っても当てずっぽうにしかなりませんね。

違いが良く分からない、とは言いましたが、着ていて1ミリも不快感、違和感はなく、とても着心地は良かったです。

オーダーでも、前肩が当たって不快感があったり、アームホールが細すぎて窮屈だったこともあるので、ノンストレスであることのすばらしさを実感しました。

フラワーホールの手がかり仕立てオプションについては、いわゆるミラネーゼ仕様ではなく、目立たない普通仕様でお願いしていました。

希望通りの、さりげなく手縫い感を感じられる、自己満足のためだけのフラワーホールとなりました。

私がこのジャケットで最も良いなと思ったのが、ゴージライン(上衿と下衿の境目)の高さ、傾斜角度です。

ゴージラインの高さ、傾斜角度は、ラペル幅と合わせてVゾーンの印象を大きく左右しますが、よほどオーダー慣れしている方以外は、注文しようにもどのくらいにすれば良いのか、分かりにくいと思います。

少なくとも私には具体的な数字が分からないので、これまでもお任せでオーダーしてきました。

ミケーレシンさん
アトリエベルンさん

今回DORSOさんで作ってもらったジャケットは、上2つと比べるとゴージラインの雰囲気が違います。

ゴージラインの位置自体はそこまで低いわけではないですが、傾斜角度がやや急寄りだと思います。シャツの襟の角度と比べると分かりやすいです。

傾斜角度が急な方がクラシックだとか、エレガントだとかいうことは無く、あくまで好みの問題だと思いますが、私にとっては新鮮で、良い雰囲気だと思いました。

細かいことを言えば、この角度に近い襟型のシャツを着た方が良いと思うので、写真内で私が着ているシャツはベストではないような気がします。

今回はシングルブレストのジャケットですが、ダブルに関しても、DORSOさんの作品は割と低め、角度も急寄りのゴージラインのものが多い気がします。

DORSOさんインスタより拝借。

以下の3国のスタイルを見る限りでは、イタリアスタイルに最も近いのかも知れません。

左から、イタリア、アメリカ、イギリス

ゴージラインが低いと、リラックス感が出ると思います。

言い方を変えれば、威厳が出ない、とも言えるかもしれません。

服を着る時は、なるべく頑張っている感を出さずにおしゃれに思われたい、という思いがある私にとっては、このリラックス感が嬉しいです。

ジャケットについてまとめると、無難を極めた、でもわずかにDORSOらしさ?(1回しかオーダーしていない癖に分かったようなことを言ってすみません。)もある、絶妙なバランスだと感じます。

まとめ

スラックス、ベスト、ジャケットすべてについて言えることですが、理想通りの、最高に無難で格好良いスーツを作っていただきました。

客の要望を理解して受け止めてくれて、それをベストな形で、全体のバランスを崩さないように、一つの作品として作り出してくれました。

私と同じ考えで、誰が見ても違和感を抱かない、良い意味での無難さを求める方には、心からおすすめしたいテーラーさんです。

私はまた伺おうと思っており、今度は柄物のジャケットを考えています。

以上です。ありがとうございました。

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