日本製リネンでスーツを作ってみる

SARTO

こんにちは。

リネンスーツを新調しました。

自称日本一リネン好きの私は、これまでリネンスーツを作る際は、アイリッシュリネンばかりを選んできました。

ハリがあり、最初は硬いけど着こんでいくうちに体に馴染んでくるアイリッシュリネン以上のリネンは無いと信じていたからです。

しかし、ミスターリネンとして、もっと幅広くリネンの知識を身に着けたいと思い、初めて日本製リネンに挑戦することにしました。

選んだ生地は、こちらのバンチのものです。

ALL SEASONS 2026 MAXIM COLLECTION [Brezza]

リネンやコットンをメインにしたバンチで、スーツに向いているリネンは以下の4色のみ収録されています。品番1312-1403のダークネイビーを選びました。

生地の重さは360gと、スペンスブライソンの定番のTropicalの370gとほぼ同じです。

左がスペンスブライソンのTropical(370g)。右もスペンスブライソンでLisomoreという軽い生地。(280g)

触った感じは、スペンスブライソンよりは気持ち柔らかいけれど、十分なハリと硬さを感じます。

オーダーしたのは、2026年初から働いているサルト銀座です。

先輩社員に体の寸法は測ってもらいつつも、工場に送るオーダーシートと呼ばれる指示書のようなものは、自分の勉強になるよう、自分で数値を計算して出してみました。

オーダーシート上では、着丈や袖丈はもちろん、体型補正、例えば反身屈身(体が後ろや前に沿っている)、いかり肩なで肩、背中と胸の大きさのバランス、等々様々な項目があります。

いわゆるパターンオーダーですが、サルトでお願いしている工場は、着る人の体に合わせて非常に細かい調整が出来る、世界的にも有名な工場です。

工場で実際に裁断、縫製をする人は、着る人の体を直接は見られないので、オーダーシート上に、数字だけで着る人の体を正確に表せるかどうかが、良いオーダースーツが出来るかどうかの分かれ目になると私は考えています。

その出来栄えについては後で述べるとして、まずは出来上がったスーツをご覧ください。

生地について、良い意味で期待を裏切られました。

どう頑張っても、日本製リネンがアイリッシュリネンに敵うことは無い、と決めつけてしまっていましたが、非常に良いです。

具体的にどう良いかと言うと、シワの出方が、アイリッシュリネン同様に大振りで、みすぼらしい細かいシワになっていません。

一日着た後は、このようにひじやひざ裏にシワが沢山出来ていますが、迫力のあるシワです。

それでいて、類似の重さのスペンスブライソンの生地より、やや柔らかく、軽い感じがします。着ていて楽です。

数字上の重さは10gしか差が無くても、糸自体の違いなのか、織り方の違いなのか、体感できるほどの違いです。

パンツについては、裏地を一切なしにしてみました。

私は年中ステテコ+膝まである靴下を履くので、直接肌がパンツに触れることは無いので、涼しさ優先で裏地は取ってしまおう、と考えたからです。

ステテコ×ホーズ(長い靴下)

パンツは細くないシルエットなので、履く時に裏地がないから履きにくい、ということも一切なく、裏地無しは暑い季節に履くスラックスとしてはおススメです。

程よい硬さのおかげで、しっかりとクリース(真ん中の折り目)が入るけれど、同時に柔らかさも兼ね備えているのでドレープも綺麗に出ます。

真っすぐ立つとストンと落ちる。
少し足を崩すと、ドレープが綺麗に出る。(すね付近)

ジャケットは背抜き使用にしており、光を当てるとこのように透けるくらい軽さがあります。

背中以外の部分にはキュプラの裏地が貼られていて、ポリエステルよりは快適ですが、やはりリネンの良さを100%味わうには、裏地は無い方が良いのは事実です。

個人的に次回リネンスーツを作る際は、裏地無しに挑戦するつもりです。

とにかく、日本製のリネン、最高だと思いました。

生地の値段も外国製リネンより安く、上下スーツはサルトでは19万円前後で作ることが出来ます。アイリッシュリネンより4-5万円ほど下がるイメージです。

色が少ないのが残念なところです。

私が作ったネイビー、ブラック、真っ白、ベージュ、の4色です。

右上が今回作ったネイビー、右下がブラック。

真っ白は着る機会がないし、ベージュは色味がイマイチピンと来ないし、残りはブラックのみです。ブラックリネンのスーツは格好良いですが、こちらも汎用性がイマイチな気がして手が出せません。

最後に、生地ではなくスーツの作りの出来栄えについて。

手前味噌ながら、中々良い出来になったと思います。

自分なりにクラシックを追求し続けてきた結果、体に沿ったタイトなシルエットではなく、程よくゆとりがあった方が良い、と考えるようになりました。

なので、肩幅、バスト、ウエスト、袖の太さ、すべてを手持ちのジャケットから少しだけ大きくしてみました。

タイト目
今回のスーツ。少しゆとりあり。
袖が細め
今回のスーツ。袖がやや太め。

どれだけ体に沿わせるかは好みの問題が大きく、今回の私のスーツよりもさらにゆとりのあるシルエットだとしても、クラシックの範疇に収まると私は思っています。

少しゆとりがあることにより、着心地は楽になり、空気の通る余地も生まれるので、リネンの涼しさをより一層感じられます。

また、リネンは伸縮性が無いので、腕を前に動かすときなど、背中がピンと張ることがありますが、その際にも多少余裕があることで動かしやすさは向上しました。(実際は生地のゆとり量だけで腕の動かしやすさが決まるわけではありません。)

その半面、ピタッとフィットした彫刻的美しさはなくなるので、どちらを取るのか、です。

背中はがピタッと体に沿っていて美しい、が動きやすさはやや劣る。
背中に少し余裕があり、動きやすい。

ジャケットについては、細かい点でまだ向上できるポイントはあると感じたので、今後のオーダーで少しずつ完璧を目指していこうと思います。

オーダースーツにおいて、ビスポークテーラーであっても回を重ねるごとに出来が良くなると聞きますが、自分で考えて数値を割り出してやってみて初めて、その意味をより深く理解できた気がします。

どれだけ正確に採寸しても、着ている本人にしか分からない感想(見た目、着心地ともに)は作って着てもらうまでは分かりません。

実際に作ってしばらく着てもらい、本人から引き出した感想が、より良い物を次回作る材料になるから、ということでしょうか。

パンツについては、手前味噌ながら100点です。

裾幅23㎝

以下記事で紹介した、テーパードとフレアのはざま、のシルエットで、狙い通りのシルエットになりました。

これからは全く同じ数値で作っていこうと思います。

以上です。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました