裾幅広げ直しの落とし穴:丈が短くなる?

お直し

こんにちは。

ミスターリネンと申します。

先日、パンツの裾幅を広くするというお直しをしたら、ある失敗をしてしまいました。

以下写真のリネンパンツ、人生初のリネンスーツとして何年も前にオーダーしたものですが、今となっては細すぎるなと思うようになり、お直しで太くしようと思い立ちました。

もちろん自分が働いているサルトの職人さんに依頼します。

現状は裾幅21㎝です。膝から裾にかけて、平置きで1㎝、周囲で2㎝が太く出来る限度(縫い代の量的に)だったので、限界まで太くすることにしました。

丈の長さはちょうど良かったので、いじらないことにしました。

お直しとしてはよくある比較的簡単な内容ですが、仕上がってみると、あれ?なんか短くなってる??気のせいではない明らかな変化です。

丈の長さはいじっていないのに、おかしいです。

特に後ろ側(ふくらはぎ側)が異常に短いです。パンツをハイウエストになるようぐっと上に上げているわけでもありません。

職人さんが間違えて裾をカットしてしまったのかと疑いました。

しかし、私のミスでした。

パンツの下の方(裾の方)だけを太くしようとすると、パターン上どのような変化が起こるかまで考えられていなかったのです。

職人さんを疑った自分が恥ずかしいです。

仕組みは簡単で、扇子をイメージしていただけると分かりやすいと思います。

扇子は閉じた状態では、細長い長方形ですね。

それを広げると、扇形になりますね。

広げた時、中心部分の長さは、長方形だった時と変わりませんが、両端は広がるので、地面からの距離は端に行くほど離れていきます。

中心線から左右均等に広げると、パンツの裾は前も後ろも短くなることになりますが、

扇子を半分だけ広げると、広げた方だけが地面からの距離が離れることになります。

地面から離れるというのは、横方向に広がっただけで、決して全長が短くなったわけではないのですが、履いてみると短くなったように感じられるというだけです。

このパンツの場合、後ろ側(ふくらはぎ側)の縫い代だけが余っていたので、後ろ側を伸ばした結果、後ろ側だけが短くなったようになってしまった、ということです。

これを直すには、広げた裾を元に戻せば良いのですが、太さは太いままキープしたかったので、裾の長さを長くすることにしました。

とはいえ前の長さはちょうど良いくらいだったので、後ろだけ長くしたいです。

そのためには、モーニングカットという、前と後ろの長さの差をつけるという方法があります。

モーニングカット。かかと側の丈が少し長い。

モーニングカットは通常前後差が1㎝くらいなのですが、現状では後ろだけ大幅に長くしたいので、前後差を強めに2㎝にすることにしました。

その結果、後ろだけ短いという印象はほとんどなくなったと思います。

後ろを長くした後。

履いていない状態では、前後差がかなり強く見えますが、履いてみると水平かほんの少し後ろが長いかな?くらいではないでしょうか?

ハンガーにかけた状態では後ろがとても長いのが分かります。

これで完璧、かと思いきや、実は妥協した点がありました。

縫い代が足りず、ダブルの折り返し幅を5ミリほど短くしなければなりませんでした。

4.5㎝→4.0㎝になってしまいました。仕方ありません。

ビフォー 
アフター。裾幅は太くなった、けどダブル幅は狭くなっている。

お直しでは、このように直したい箇所を直せても、他の箇所に思わぬ副作用があるということが少なくありません。

私が今回してしまったミスは初歩的ですが、複雑な直しになればなるほど、副作用も複雑になるので、もっともっと服の構造についての知識を付けていきます。

以上です。

ありがとうございました。

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