こんにちは。
ミスターリネンと申します。
サルトで働いてみて
お直し屋サルトで働き始めてから3か月が過ぎました。
これまでお直しには数えきれないほど出してきたし、自分でもミシンを買ってお直しに挑戦もしていたので、お直し屋での仕事をマスターするにはそんなに時間がかからないだろう、と正直たかをくくっていました。
しかし、仕事をすればするほど、お直しのプロになるハードルの高さと自分の知識の不十分さを痛感します。
特に難しいと想像していた服のパターンについては、想像通り、死ぬほど難しいです。

パターン上のどこをどう変えると、出来上がった服の見た目、着心地がどこがどう変わるのか。
着る人の体をよく見て、服を着た状態でのシワの入り方を見て、最適なお直し提案が出来るようになるには、まだまだ修行が必要そうです。
サルトではお直しだけでなく、オーダーのご注文も多く、そのどちらも服の構造が分かっていないと良いサービスが提供できません。
ベテランの先輩に付いて仕事を見たり、また職人さんの話を聞いたり作業を見たり、自分用の服をオーダーしたりする過程で、少しずつ理解が深まっていくのが感じられ、楽しくて仕方がありません。
服の構造だけでなく、生地についても知識が求められます。
お客様のご要望に合わせて、適した生地をパッと提案出来た方が当然良いですが、そのためには出来るだけ多くの生地を頭の中の引き出しに持っていなければなりません。
自分がリネンが好きなので、リネンに関しては幅広く網羅出来ていると思いますが、それ以外の素材となると、正直そんなに自信はありません。
生地バンチをひたすらペラペラとめくりながら、徐々に覚えていっています。
だらだらと職場の感想を述べてしまいましたが、要するに、自分にとって最高の仕事、職場だと感じられ、充実しています、ということを言いたかったのです。
サルトで働くきっかけを与えてくれた、「ぼくのおじさん」の皆さん、山下英介さんに改めて感謝です。

サルトのリネンオーダーフェアについて
さて、今回の本題ですが、サルトで4月にリネンのオーダーフェアをやることが決まりました。

期間は4/10~4/30までです。
リネンの人気、需要が世界的に高まっているのか分かりませんが、今年は例年以上に新作リネン生地の種類が豊富らしいです。

私の実感としても、アイリッシュリネンでは珍しい柄物が多く出て来ていたり、フレンチリネンの種類がますます増えているなど、今年は豊作だと感じます。欲しいものが多すぎて困ってしまうほどです。

フェア期間中は、サルトでもありったけのリネン生地バンチ(生地見本)や、実際に買った長尺の生地、ジャケットのサンプルなどを多数ご用意しています。
このブログでは、なるべく宣伝をしたくはないですが、今回は宣伝することをお許しください。
リネンのスーツ、ジャケット、スラックス、シャツをサルトで作ってみようかなという方がいらっしゃいましたら、お越しいただけたら嬉しいです。
お越しいただける場合、私は生地やデザイン選びで最大限お手伝いいたしますが、重要な採寸やフィッティングは、ベテラン社員に見てもらうため、新人が作ったスーツにはならないのでご安心ください。
私は基本的に土日両方出勤しておりますが、それ以外でも可能な限り対応しますので、もしご関心あればお問い合わせください。
値段は生地によってピンキリですが、リネンのスーツ上下だと20-25万円、単品ジャケットなら15-20万円、単品スラックスで8-13万円、シャツで2-4万円くらいが中心です。
スーツ好きな方ならきっと知っている、国内の某有名工場で製作しているので、品質も安心感があります。細かい補正が加えられるので、パターンオーダーの中ではかなり満足度の高いクオリティです。
サルトの特徴として、お直し10年保証があります。
体重増減により必要になるお直しと、破れほつれ補修は、10年間無償でお受けしています。
そのために、あらかじめお直しを想定して縫い代を多めに設定しています。4kgまでの増減であれば問題なく直せます。
体重増減と関係の無い、デザイン変更に関しては、無償ではありませんが、通常より15%の割引価格でお受けしています。

リネンは本当に丈夫な生地で、10年は余裕中の余裕、読んでくださる方が小学生であったとしても、死ぬまでは持ってくれるので、お直しによって長く着てもらえること間違いありません。
おすすめリネン生地
以下、私のおすすめのリネン生地をご紹介します。
リネン生地は、大きく分けて英国系、イタリア系、フランス系の3つです。
英国系=張りがあってしっかりしている。英国と言っても、アイルランドのアイリッシュリネンが中心。Spence Bryson、W.Bill、Mageeなど。
イタリア系=柔らかく軽め。Drapers、Carnetなど。
フランス系=おしゃれ。ほぼ Maison Hellard 一択。
スーツ
スーツを作るなら、張りがあって仕立て映えするアイリッシュリネン一択です。
スペンスブライソンのものが最も有名ですが、W.Bill や Magee などにも良い生地があります。
スペンスブライソンですと、大定番Tropical というシリーズの生地があり、重さは370gとしっかり重い、厚いです。

リネンスーツが最も格好良く見える生地だと思います。
しかし、夏にはやや暑いので、280gと比較的軽め、だけどアイリッシュリネンの張りはしっかりあるLismoreというシリーズもおすすめです。
私が敬愛するDORSOの齋藤さんは、Lismoreがおすすめ、日本の夏には最適と言われていました。


着用写真を見ても、比較的軽い割には、張りがあり、薄いリネンにありがちな細かいシワではなく、大振りな格好良いシワが出来ています。
私はまだLismoreでスーツを作ったことが無いので、次はこの生地に挑戦するつもりです。
その他、糸が太く、織り方もざっくりで、カジュアル感があるKildare(350g)やTyrone(380g)もあります。


以下のスーツは両方ともTyrone(380g)です。

カジュアル感があるのでジャケット単品でも使いやすいし、上下セットで着ればちゃんと上品にもなるので、一つの選択肢です。
ジャケット
ジャケット単品用の生地は、スーツの時ほど張りが無くても問題ありません。
とはいえ、イタリア系のリネンは、柔らかすぎて、個人的にはあまり好みではありません。

張りのあるアイリッシュリネンも、最初はやや硬めですが、着こんでいけば柔らかくなるし、丈夫で、徐々に柔らかくなる経年変化も楽しめる、アイリッシュリネンの方が私は好きです。
最初から柔らかい方が良い、軽さ重視、という方は、イタリア系のリネンも選択肢です。
革靴と同じで、最初から履き心地抜群の柔らかい革靴は、数年履いて終わりで良いなら良いけど、何十年と履いていきたいなら、最初は固くて履きづらいくらいの革靴の方が良いと私は思います。
もう一つの国、フレンチリネンもあります。
今世界中の服好きに注目される、Maison Hellardメゾンエラールというブランドが特に有名です。
300g後半以上の重さが中心で、アイリッシュリネンほど硬くはありませんが、しっかり重さがあるので、ツイードのような雰囲気も感じられ、非常に格好良いです。
ただ、値段が高めなのがネックです。アイリッシュリネン+5万円くらいのイメージです。
パンツ
パンツは、基本的にアイリッシュリネン一択だと思います。
柔らかくて軽いリネンは、膝が抜けてしまって緩いイメージになるからです。
リゾートで履くようなリラックスパンツなら話は別ですが。

事前水洗いについて
リネンは水洗いに比較的強い、けど縮みが心配、という問題があります。
私は自分用のオーダーでは、リネンは生地を事前に水洗いし、縮ませてから裁断に入るようにしています。
通常納期より1週間ほど追加でいただくことにはなりますが、ご要望があれば私が自宅に持ち帰り責任をもって水洗いいたします。
最後に
私は現在サルトでスーツ、単品ジャケット、単品スラックス、シャツ全てをオーダー中で、完成待ちの状態です。
実はスーツは、自分の中では初となる日本製リネン生地に挑戦してみました。日本製は値段もお手頃ですが、出来栄えはどうなのか、楽しみです。
オーダーフェアの際は完成しているはずなので、もしとても良いと感じたら、自信をもっておすすめしようと思います。
リネンを着たことが無い、という方にとっては、リネンに挑戦するのはハードルが高いかもしれません。
特にシワへの抵抗がある方もいらっしゃると思います。
シワがあるからこそ格好良い、シワが出来ないリネンなど存在価値がない、と私は思っているので、シワが嫌いな方にはおすすめできません。
シワが出来にくいけどリネンの良さも味わえる、ウールリネンと言う選択肢もありますが、シワが苦手な方にはウール100%で格好良い生地を選ばれる方が、満足度は高くなると正直思います。
もしリネンに興味があったら、ぜひ見に来ていただけると嬉しいです。
以上です。
ありがとうございました。








コメント