こんにちは。
ミスターリネンと申します。
ネクタイを結ぶ際、手のささくれや爪がシルクの繊維を引っ掛けてしまい、悔しい思いをしたことがある方は少なくないと思います。
それを解決する、恐らく唯一の方法をご紹介します。
結論だけ言うと、極薄の革手袋をする、という内容です。
目次
いくら爪を磨いても無駄
同じシルクの中でも、シルクのネクタイ生地は、特に繊細です。
爪を切った後、爪やすりでしっかり磨いたとしても、ネクタイを結ぶときに何かが引っかかること、ありませんか?
引っかかりの原因は、爪である場合もありますが、指の腹の皮膚がカサカサしていて、その乾燥した皮膚が原因である場合もあります。
「指の腹磨き」のようなものがあれば良いですが、私が知る限りはありません。
乾燥を防ぐためにハンドクリームなどを塗れば多少は改善しますが、それでも完璧なツルツルにはならず、極細の繊維であるシルクの糸はどうしても引っかかってしまいます。
落合正勝氏から学ぶ、ネクタイ結び専用革手袋
私がクラシックを学ぶときに勝手に師匠としている、故落合正勝氏の著書で、同氏はネクタイを結ぶ際に専用の革手袋を用いる、という記述がどこかの本にありました。
同氏は「手袋は皮膚の感覚に近ければ近いほど良い」と述べており、小銭をつかむ、本のページをめくる、といった動作が出来るかどうかが、自分に合った良い手袋かどうかの判断基準の一つだと書いていました。
実践してみたところ、小銭をつかんだり、本のページをめくるくらいなら、普通の革手袋でもできましたが、ネクタイを結ぶのはハードルが高いです。
ディンプル(窪み)を作るために、指を使う必要がありますが、数ミリとは言え、革手袋の厚さがあるだけで、とてもやりにくくなります。
私が持っていた冬用の手袋は、レザーの内側にウールのライニング(裏地)が施されており、保温性を高める効果はありますが、その分厚さが出てしまいます。
薄さを追求し、ライニングの無い、極薄の革手袋があればネクタイを結べるかもしれません。
ライニングの無い手袋自体は、探せば見つからないことはありませんが、
ライニング有り手袋=真冬用
ライニング無し手袋=春秋の肌寒い時用
つまり、あくまで手袋=保温のため、という前提があるため、革自体がものすごく薄い、という手袋は滅多にありません。
薄くて保温効果が全くない手袋は、存在価値が無いからです。
そう思って、それ以上真剣に探すことは無く、仕方なく素手でネクタイを結ぶ生活を続けていました。
レディース用革手袋という選択肢
ところがある日、運命の手袋に出会ってしまったのです。
それがこちら。



革を薄くするのにも限界があり、コピー用紙くらい薄くしてしまっては、簡単に破けてしまうため、手袋として成立し得る最大の薄さではないか、と思える薄さです。

実はこれ、レディース用の手袋です。
私の想像ですが、レディース用の手袋は、メンズ用と違い、保温という機能を持たせたものだけでなく、手を美しく見せるという、見た目上の役割しか果たさないものもあります。
この手袋は恐らくそういう手袋だと思います。
(もちろん、手袋をしないよりはしている方が暖かいので、多少の保温機能はあると思いますが)
余談ですが、恵比寿にあるお店で定価80%オフという意味不明なセールが開催されており、破格の値段で購入できました。

手袋の王様DENTSデンツのものですが、10万円以上するペッカリ―などの超高級革ではなく、羊の革で、定価も2万円以下と高くないものです。
現行のデンツのHPを見てみると、レディースの手袋でライニング無し仕様のものは、ドライビンググローブ1種類しか売っていませんでした。

メンズの手袋では、ヘアシープという羊革のものでライニング無し仕様のものがありました。

両方とも、ライニング無しではありますが、写真で見る限りは、極薄と言う感じはしません。

デンツHPより拝借。https://www.mashimo-onlineshop.com/SHOP/15-0006.html
美よりも機能を重視し、それなりの厚さがあるように見えます。

メンズの方はコートと合わせている写真から想像するに、ある程度の保温性は備えていると思います。
レディースの方は、ドライビンググローブで、穴も開いているので保温性は追求していないと思いますが、ドライブ用ということは、ハンドルを握ってアクティブに使って破けてはいけないので、丈夫にするためそれなりの厚さの革にしていると思います。
ちなみに、レディースの手袋の特徴として、手首を覆う部分がメンズのものより長いです。
また、手の甲を囲む周囲の径が、メンズのものより小さく、細い形をしています。
私の手が細めなのか、きつめではありますが入ったので、問題ありません。

手首を覆う部分が長いと、確かに女性っぽい雰囲気が出ますが、ネクタイを結ぶだけなので、何の問題もありません。
薄すぎて、タッチパネルが反応する
この手袋の革の薄さを証明する事実があります。
それが、タッチパネルが反応することです。
良くある、タッチパネル対応型の手袋とはわけが違います。
タッチパネル対応型と言うのは、特殊なフィルムを指先に入れていて、タッチパネルがそのフィルムに反応するのです。
ですがこの手袋はそういうフィルムは入っていません。
革があまりに薄いため、ナチュラルにタッチパネルが反応するのです。
試しにスマホの上にティッシュペーパーを置いて、指を動かしてみてください。
タッチパネルは反応するはずです。
ティッシュより厚い、コピー用紙でも試してみてください。反応するはずです。

スーパーのビニール袋でも反応しました
ラコステのポロシャツだと、反応しませんでした。
つまり、この手袋はそれだけ薄い革ということです。
ちなみに、デンツのメンズ用のライニング無し手袋で、タッチパネル対応のタイプがありました。
同じライニング無しの仕様で、タッチパネル対応と非対応の2種類あるということは、非対応の方はタッチパネルが反応しないということです。
タッチパネルが反応しないということは、極薄ではないということです。
タッチパネル対応の方は、非対応の方より厚くなるはずなので、両方ともそんなに薄くない、ということが想像できます。
本当にネクタイを結べるのか
実際に、こちらのレディース手袋でネクタイを結んでみました。
正直、素手と同じ感覚で結べる!とまではなりませんでした。
あくまで手袋をしている感覚はあり、素手よりは結びにくいです。
が、ディンプルも普通に作れます。
イマイチだなと思うのが、革と革の縫い目部分がぼこっとして厚みが若干生まれるので、素手とネクタイとの間の距離が、その厚み分出来てしまいます。

立体物である手袋を、縫い目なしで作るのは恐らく不可能なので、仕方ないのかもしれません。
なるべく縫い目が干渉しないよう、指の腹を使って結べば、問題なく結べます。

まだ新品の状態なので、もっと使い込んで馴染んでいき、さらに結びやすくなることを期待しています。
どこで買えるのか
私が買った店は、既に残り1点で、全く同じ手袋を買える場所をネットでも探しましたが、ありませんでした。
役に立てず申し訳ありません。
日本ではネクタイ結び専用の革手袋、という需要が無いため、輸入するお店、会社もほとんどないのだと思います。
海外に行った時などに買えるかもしれません。
多少の厚さを妥協するのであれば、既に紹介したように、デンツでも買えます。
27500円(税込み、2025年5月時点)なので、デンツにしてはまだ手が出しやすいですが、ネクタイ結び専用としては高い気がします。

私個人としても、これを付けてネクタイを結んだことはおろか、試着すらしたことが無いので、どのくらいの厚さかは分かりません。
それ以外の選択肢だと、格好良さを犠牲にするなら、アマゾンでこんな選択肢も見つかりました。
本革で2150円と激安です。

厚さが約0.5ミリらしく、タッチパネルに反応するほど薄いわけではないと思いますが、お試しで買うならアリかもしれません。
指サックやゴム手袋は使えるか
そもそも、革手袋である必要はあるのでしょうか。
ネクタイを傷つけないためなら、指に何かカバーをすれば良いだけです。
指サックや、ゴム手袋でも代用できる気もします。

懸念としては、ゴム系のアイテムは、表面にゴム同士のくっつき防止のための粉が付いていることが多いので、ネクタイに粉が付いてしまうこと。
それに、何となく、ゴムを付けてネクタイを結ぶのもテンションが上がりません。
まとめ
この商品がおすすめです、という紹介記事を書きたいのですが、売っている場所が見つからないという役に立たない記事になってしまいました。
もし極薄の革手袋を探そうという方がおられたら、一つの薄さの判断基準として、タッチパネルが反応するか、という基準を設けてはいかがでしょうか。
以上です。
ありがとうございました。
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