こんにちは。
お直し屋サルトでフィッターとしてお客様とお話していて頻繁に出会うのが、パンツの裾上げをシングルかダブルかで迷われるケースです。
タキシードや喪服はシングルでないといけない、という決まり事があるケースを除けば、着用者の好みでシングルでもダブルでも、どちらを選択しても良いというのが基本です。
迷った時には、どうやって考えて選ぶと良いか、私の意見をご紹介します。
全てダブルで良い
私の意見はシンプルで、「自分はシングルの方が断然好き、全てシングルで通す」という方以外は、全てダブルにしておく方が良いと思います。
理由はいくつかあります。
安定感
シングルの裾って、悪い言い方をすればペラペラしていて頼りなく、足元に安定感がありません。

革靴を履いてジャケットを羽織るようなスタイルの場合は、ジャケットと革靴のカッチリ感に対し、パンツの裾だけ軽くてバランスが取りにくいと思います。

逆に言えば、ジャケットも羽織らず、革靴も履かないのであれば、シングルでもバランスは取れると思います。
生地が厚ければ、シングルでもペラペラしないから良い?という疑問が生じるかもしれませんが、見た目上、折り返しがあるかどうかが重要だと思うので、どんな生地でもダブルがベターと言うのが私の考えです。


ダブル→シングルに変えられる
もう一つの理由が、ダブルにしておけば、後からシングルに変えることが出来ても、逆は縫い代が足りずに難しい場合があるからです。
お洒落な人はみんなダブル
私の意見だけでは弱いので、お洒落な人たちの意見を借ります。
赤峰幸生さんは、タキシード以外、全て(インスタで見る限り)ダブルにされています。ポロシャツにスニーカー、というカジュアルな格好に合わせるパンツも、ダブルにされています。
チャールズ英国王も、見つかる画像はどれもダブルです。


シングル“も“合う条件
しかし、シングルでも格好良くなるケースもあります。
そのための条件の一つが、裾幅が広いこと。
何故なら、重厚感が無くなりがちなシングルの裾も、幅が広ければその分生地の量が増え、重量も増え、重厚感、安定感が出てくるからです。
具体的には、23㎝以上くらいは欲しいところです。

裾幅が広いのとセットで必要なのが、丈の長さ。
裾幅が広くて丈が短いと、重厚感を出したいのか、軽快感を出したいのか、どっちなのか分かりません。

裾幅が広くて丈が長いと、重心が下に下がり、重厚感が出ます。
ただそれでも、裾幅が広く丈が長めでシングルでもバランスが良かったとしても、シングルよりダブルの方が良いと私は思います。
前章で述べたように、やっぱりシングルは軽く見えてしまうと思うんです。
こちらのウールパンツ、裾幅は24㎝あり、シングルでもバランスは悪くはありませんでした。

が、ダブルに変えてみたところ、より良くなったと思っています。


(シングル→ダブルは縫い代が足りない場合も多いですが、ぎりぎり足りてダブルに変更できました。)
フレアパンツは例外
唯一、シングルの方が良い(シングルでも良い、ではなく)例外が、フレアパンツです。


むしろフレアのシルエットに、ダブルの裾は変かもしれません。
フレアパンツは、全体的に太いワイドパンツと違い、ももやひざ周りはそんなに太くなく、裾だけ太いです。
そうすると、裾に目線が行きます。
ただでさえ裾が目立つのに、さらにダブルとなると、裾ばかりが目立ってしまうから、フレア×ダブルは変なのでしょうか。
また、フレアパンツはノープリーツである場合が多く、すっきりとした腰回りの印象に対し、足元がダブルで重いとバランスが悪いというのもあると思います。
プリーツとの関係
前章で触れたプリーツの話ついでに言うと、腰回りのプリーツがある場合は、ダブルの方が合うと思います。

腰回りも足元も、両方重厚感がありバランスが良いからです。
ではノープリーツの場合は裾もシングルで両方すっきりさせた方が良いのか、と言えば、シルエットがフレアでない限りはノープリーツでも裾はダブルの方が良いと私は考えます。
一方、プリーツありに対し、足元はシングル、と言うのはバランスがあまり良くないと思います。

まとめ
まとめると、
迷ったらとりあえずダブルにしておけば良い。
フレアパンツだけは例外でシングルが良い。
となります。
ダブルにすると決めると、今度はダブルの折り返し幅も考えなければなりませんが、良かったら以下の記事もご覧ください。
以上です。
ありがとうございました。





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