こんにちは。
ミスターリネンと申します。
シングルモンクストラップの靴が、最近人気が高まっているようです。
特に、スエードのシングルモンクが人気です。
今回の記事では、最も格好良いスエードのシングルモンクを探す旅に出ます。
「格好良い」というと、どうしても主観的になってしまいますが、いくつかのブランドの具体的なモデルを紹介するので、ご自身の観点から、最も格好良いと思うモデルを選ぶ参考になれば幸いです。
目次
スエードのシングルモンクが良い理由
紐靴だとかしこまりすぎる、でもローファーだとカジュアル過ぎる。
その中間に位置する、ちょうど良い塩梅なのが今の空気感と相性が良いのかもしれません。
確かに、スーツにもジャケパンにも合うし、合わせによってはデニムにも合う、最強と呼べる靴の一つだと私も思います。
中でも特に、スエードのタイプが汎用性が高いと思います。
表革のシングルモンクは、フォーマル感が強く、スーツやジャケパンにはバッチリだけど、カジュアルなズボンには合いそうにありません。

スエードのシングルモンクは、フォーマル感が強すぎないスーツ(リネンやコットン等)であれば合うし、デニムにも合わせることが出来そうです。
加えて、スエード素材は、靴磨きの必要がなく、防水スプレーを掛けることで雨にも強く、ケアが楽です。
汎用性の高さ、ケアの楽さ、格好良さから、スエードのシングルモンクは、本当に便利だと思います。
スエードシングルモンクを選ぶときの要素
スエードシングルモンクの靴は、多くのブランドから出されていて、似ているようで印象がそれぞれ微妙に異なります。
印象を左右する要素は、以下の5つがメインだと思います。
・木型(靴のシルエット)
・履き口の広さ(バンプ=甲とつま先を覆う部分の広さ、と反比例)
・金具の色、形、大きさ(金か銀か、大きいか小さいか)
・ベルトのデザイン、太さ
・革の色
木型については、特につま先部分が細いとドレッシー、丸っこいとカジュアルな印象になります。
履き口の広さは、狭いほどドレッシーになり、広いほどカジュアルになります。


金具(バックル)については、角張っているもの、丸っこいものとありますが、角張っていると、ビジネス感が強く、スエードにはやや丸みを帯びているものの方が相性が良いと私は思います。


ベルトのデザイン、太さについて、少し詳しく見てみます。
ベルトのデザインについては、ベルトの付け根の部分(羽根)のデザインがモデルによって様々です。
根元が太く、徐々に細くなっていくことが多いですが、足の甲まで太い部分が見えている場合と、根本の方からすぐに細くなる場合とがあります。


そして、ベルト自体の太さも、太め、細めとあります。
ベルトの形によってドレッシー、カジュアル、という区別は私には分かりません。
最後に、色です。
ブラウンかブラックか、どちらが良いのか。

ブラウンのスエードのシングルモンクは、いくら形が細身でドレッシーでも、素材からカジュアル感が強く出ると思います。
スーツに合わせたい場合、スーツの素材、色選びに気を使う必要はありそうです。
ブラックになると、ブラウンよりぐっと都会的な印象になるので、スーツにも合わせやすそうです。
かといってデニムなどカジュアルな格好に合わなくなるわけではなく、汎用性はブラウンより高そうです。
私の話ですが、ブラックスエードのシングルモンクは持っていないので、欲しくてたまりません。
以下で具体的にブランドごとに見ていきますが、真剣に買おうと検討しています。
F.lli Giacometti (フラテッリ ジャコメッティ)
ここからは具体的にブランドごとに見ていきます。
まずはジャコメッティです。
高円寺のセレクトショップ、ボンビューの大島拓身さんの以下の動画がとても参考になります。
木型はやや丸めですが、ドレスもカジュアルもいけるちょうど良い塩梅です。

履き口は広く、カジュアルに少し寄ります。
さらにスエードなので、ドレッシーなスーツにはイマイチかもしれませんが、リネン、コットン、フランネル、ツイード等カジュアル寄りのスーツやジャケパンには相性がよさそうです。
そして、デニムなどカジュアルズボンにもバッチリはまる。最高な形(デザイン)だと思います。
金具の素材については、正確な情報が見つかりませんでしたが、真鍮でしょうか?
ほんのりゴールドがかった色で、形は丸みを帯び、大きさも小さめで、どんな格好にも合うクセの無さだと思います。
ベルトのデザインについては、最も一般的な、根本は太く、先端の留める部分にかけて大きくテーパードした形で、こちらもクセが無いと思います。

色はブラウンスエードもブラックスエードもあります。
価格は約10万円。大島さんいわく、クオリティに対しての価格が異常に安いらしいです。
ただ、現在はどこのショップでも売り切れ、中古品もほぼ出回っておらず、買いたくてもなかなか買えません。
Church’s(チャーチ)
続いて、チャーチのの中でも、Becket(ベケット)というモデルを見てみます。

Westbury(ウエストバリー)というモデルもありますが、金具が大きすぎて、私は好みではないので勝手ながら候補から外しました。

ベケットは、シルエット(つま先)がジャコメッティより若干丸いです。ちなみに写真に載せているもののラスト(木型)は、173という、比較的新しい方のもので、73という旧型のラストの方が、人気が高いらしいです。


金具、ベルトのデザインは、ジャコメッティと近いです。
大きな違いが、履き口の広さです。
ジャコメッティと比べて狭い履き口です。
というより、ジャコメッティが広いのであり、ベケットの履き口の広さの方が一般的です。


履き口が狭い分、ドレス感が若干増し、デニムなどにはそこまで相性が良くないと私は思います。
でもジャケパンやカジュアルスーツには合わせやすいです。
定価は約12万円。
私は中古で2万円くらいで買いました。
中古市場でも比較的出回っているので、手に入れるハードルは高くなさそうです。
三陽山長
日本のブランドの三陽山長の、修八郎というモデルがあります。

シルエットは、ジャコメッティ同様の、細くもなく丸っこすぎることもなく、最も使いやすいと思います。
履き口は、ジャコメッティ以上に広く、カジュアルにも使いやすそうです。

金具は、恐らくシルバーカラーで、形も角張っているというほどではありませんが、ジャコメッティと比べると、やや四角い印象です。

ベルトの反対側、つまり、バックルが付いている側は、ジャコメッティは太めなのに対し、三陽山長の修八郎は細く、隠れて見えないくらいです。


これにより、細いベルトが横一直線に走っているように見えます。
だからドレッシー、だからカジュアル、とかいう区別はないと思いますが、私はこのデザインがとても好みです。
値段は8万円台。
カラーはスエードだとブラウンしか展開がないようです。
が、こちらも売り切れで、中古市場でもめったに見つかりません。
多少値上げしても良いので、再販して欲しいです。
Oriental(オリエンタル)
引き続き日本のブランドです。
Oriental(オリエンタル)のジョセフ2というモデルです。

ジョセフ1と2がありますが、現在は2しか売られていないし、2の方が格好良いです。
シルエットは、ジャコメッティより若干つま先が細くなっており、カジュアルよりややドレス寄りのシルエットだと思います。

ただ、履き口がジャコメッティ同様かそれ以上に広いので、カジュアルに使うことも出来なくは無さそうです。

ドレッシーなスリーピースというよりは、カジュアル寄りのスーツや、ジャケパンに最も向いていると思います。
金具が若干大きいような気もしますが、許容範囲内です。金具は真鍮素材で、良い色味です。
ベルトのデザインは、三陽山長の修八郎のやや太い版といった感じです。横一直線に同じ太さのベルトが走っています。
ジャコメッティと比べると、やや細くなり始める位置が早く、ベルトの反対側は根本が細めで、隠れて見えないくらいです。


金具がやや大きいのに合わせて、ベルトもやや太いです。太いと言っても、三陽山長と比ればの話で、特別太いというほどでもありません。


私は細い方が好みなので、若干気になりますが。
この靴は、現在(2025年7月時点)でも買えます。
トレーディングポストさんで、定価71500円が49500円のセールになっています。
来シーズン以降も展開があるかは分からないので、安いうちに手に入れても良いかもしれません。
一応トレーディングポストさんの販売リンクも貼っておきます。
参考動画
Spigola(スピーゴラ)
最後に紹介するのが、またしても日本のブランド、スピーゴラです。
ビスポークがメインのブランドらしく、既製品は多くは出ていませんが、ユナイテッドアローズの別注品で、ブラウンとブラック、両方ともスエードのシングルモンクが展開されていたようです。


シルエットは、今回紹介するモデルの中では、最もドレッシーだと思います。
つま先部分が長く、捨て寸と言われる、足の指先の前の空間部分が比較的大きく、靴の全長が長いです。
履き口の大きさは、オリエンタルのジョセフと同じか、やや狭いくらいでしょうか。

シルエットがドレッシーなので、スーツかジャケパンがメインになりそうですが、履き口が狭すぎないのと、素材がスエードなので、コーディネート次第では、カジュアルにも使えなくはなさそうです。
この靴の大きな特徴が、金具です。
素材がシルバー925なのです。靴の金具で貴金属を使う例は、既製品では私の知る限りありません。

金具の形は、癖のないやや丸みを帯びた四角で、大きさは小さめ、主張は強くないですが、良く見ると、表面に凸凹した加工が施されており、控え目なアクセントになっています。
もう一つの特徴が、ベルトです。
三陽山長と近く、ベルトの根本の太い部分から、細くなり始めるのが早いです。


ベルトの反対側、つまり、バックルが付いている側は細く、ベルトの下にほとんど隠れて見えないくらいです。
ベルト自体も細いので、細いベルトが横一直線に走っているように見えます。

また、タン(べろ、足の甲を覆う部分)がベルトより上の方まで来ています。
オリエンタルと比べると分かりやすいです。


ベルトの細さとタンのバランスから、何となく、ジョンロブのデラノを彷彿とさせる気がします。

定価は165000円。
ですが、ユナイテッドアローズで30%セールになっています。(2025年7月時点)
この商品は、オンラインでの購入が出来ず、店舗限定品と書かれているので、店舗に問い合わせるしかなさそうです。
一番格好良いのは?
ご紹介したモデルのなかで、どれがベストだと思われましたか?
ドレスにもカジュアルにも使える、汎用性の高さで言えば、ジャコメッティと三陽山長が、同率一位だと私は思いました。


どちらも中々手に入らないのが困りますが、売っていたら、ケチな私でも定価で買おうか迷うくらいです。
ドレス使いをメインに考えるなら、スピーゴラが優勝だと思います。

一番エレガントで、品格があるように思えます。
ユナイテッドアローズに問い合わせたところ、ブラックはラスト一点だけ残っているとのことだったので、試着しに行ってみようかと考えています。
オリエンタルについては、格好良いのに価格も抑えめで、魅力的です。

ベルトの太さとバックルの大きさが、スピーゴラを知ってしまった以上、わずかに気になりますが、スピーゴラを買わないならオリエンタルにしようかと思っています。
チャーチのベケットは、ブラウンスエードを既に持っていますが、全く同じモデルを色違いで買おうというほど気に入っているわけではありません。

シルエット(つま先)がやや丸く、カジュアル寄りなのに、履き口は狭いので、カジュアルとドレスの中途半端な位置にいると思います。
リネンやコットンなどのカジュアルスーツには使えるけど、ウール系のスーツにはカジュアル過ぎ(つま先が丸い)、デニムにはドレッシー過ぎ(履き口が狭い)ので、いまいち使いにくいと思っています。
一部批判的なことも言いましたが、本音をお伝えしました。
格好良いシングルモンクのシューズは他にもあると思いますが、私が気になったものに絞ってご紹介しました。
参考になる部分があれば幸いです。
ありがとうございました。
コメント