こんにちは。
ミスターリネンと申します。
以下の記事でご紹介した、DORSO オーダージャケットが完成しました。
とっても素敵なジャケットが出来たので、自慢させてください。
選んだ生地
生地は、MARLING & EVANS のウール50%×リネン50%のもの。
English Summer Tweed という名前の生地です。

ツイードと言えば秋冬のイメージが強いですが、リネンが入った春夏向けの生地です。
生地の目付けは290gです。
私はリネンとツイードが特に好きなのですが、その両方を一度に味わえる、私にとっては最高の生地です。
オーナーの齋藤さんからおすすめしてもらって選びました。
バンチの小さい生地だけでは分かりにくかったですが、ジャケットになった状態で生地を触ってみると、リネンのざらっと感とウールの上品さ両方の要素を感じます。
そこにわずかな起毛感が加わったサマーツイードのため、普通のウールリネンよりは温かい印象があります。

サマーツイードとはいえ日本の夏では暑くて着られないですが、春と秋はもちろん、冬にも着られそうだと私は思います。
冬に白は映えると思うからです。逆に、秋に着るには色が明るすぎてイマイチかも知れません。
生地マニアの齋藤さんがおすすめする生地なら間違いない、と私は思っていますが、従って正解でした。
最高のフィッティング
初めてDORSOでオーダーした際に仮縫いをしており、齋藤さんの判断により、今回は仮縫い無しでの作成でした。



DORSO の真骨頂?のこの美しいシルエットを見てください。
何でこんなに美しいのでしょう。
詳しいことは分かりませんが、立体感がすさまじいです。
肩、腕、胸、お腹、全体的に曲線を感じます。


背中も最高です。

私はいかり肩でツキジワが入りやすい体型なのですが、余計なシワは一切ありません。

綺麗な砂時計型になっています。
着心地は言うまでもなく完ぺきです。
ディティール
ディティールについては、スーツの時とほぼ同じにしました。
段返り3つボタン、袖は4つボタン、サイドベンツ、ラペル幅は9.5センチ、切りポケットフラップ無し、ポケットの下のダーツは無し、裏地は総裏地。

唯一変更したのが、着丈の長さ。スーツのジャケットから5ミリ短くしました。

1センチくらい短くしても良いと教えてもらいましたが、長めが私は好みなので、5ミリにしました。
オプションについても、スーツの時と同じで、以下の5つの選択肢のうち、マーキングした3つをお願いしました。
・肩イセ増量仕立て
・袖イセ増量仕立て
・本衿かけ仕立て
・ゴージーラインカーブ仕立て
・衿穴(フラワーホール)手かがり仕立て
肩と袖のイセ増量は、着心地向上のためです。
私には増量の有無による違いが分からないかもしれませんが、前回増量にしたのに、今回は増量なしにして、完成してみたら「やっぱり増量にしておけば」と後悔するのが怖いから、今後も一生増量ありにすると思います。
フラワーホールはミラネーゼ仕様ではなく、通常仕様の手縫いでお願いしています。


目立ちすぎるのは嫌だ、でも手縫いだという見栄は張りたい、からです。
また、今回はカジュアル使い用のジャケットのため、多少アレンジを入れようかと、ゴージラインカーブを追加しようとも思いましたが、やめておきました。

フラワーホールと同じ理由で、ザ・手縫い、という感じになると、私は気恥ずかしく感じてしまいそうな気がしたからです。
無国籍感、特徴がなるべく少ない、世界中の誰が見ても違和感を感じないようなデザインが好きです。
とはいえ、ゴージラインカーブはやったことが無いので、食わず嫌いは良くないし、カーブの度合いを緩やかにして、目立たないようにする手もあるし、一度はやってみたい気もします。
サマーツイードは総裏地が良いのか
今回は、春夏生地ですが総裏地にしました。
納品の日は最高気温が29度の日で、ジャケットを羽織ったら暑く、背抜きにした方が良かったかな、という後悔が頭をよぎりました。
なぜ総裏地にしたのかと言えば、秋冬にも着たいと思ったからです。
そもそも裏地に保温効果はないですが、裏地があることで風通しを多少防げるし、見た目上軽い感じが出すぎない=秋冬に着てもおかしく見えない、と思いました。

ですが、あくまでサマーツイードであって、冬に着るのをメインで考えるなら、普通のツイードを選ぶべきです。
冬に“も”着られる、のであり、メインの春夏シーズンに快適に着られないのであれば、本末転倒です。
現時点(5月)では、上述の理由で若干失敗したかも、と思っていますが、冬になった時、総裏地にしておいて良かった、と思う時が来るかもしれません。
最低でも1年を通して着てみて、どう思うか確かめます。
今回は以上です。
ありがとうございました。
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