最もクラシックなシャツの襟型

クラシックのルール研究

こんにちは。ミスターリネンと申します。

クラシックな服装が好きで、憧れていて、勉強中の30歳です。

シャツの襟型、沢山ありますよね。

皆さんはどの型が好きですか?

今回の記事では、私の好みなどは一切抜きにして、どの型が最もクラシックなのかを研究します。

襟型は沢山

襟型にはどんな種類があるのか。

あまりに数が多すぎるのですべて紹介するのは控えます。(もちろん私がすべて知っているわけでもありません)

日本で良く見るのは、スプレッド、ワイドスプレッド、セミワイドスプレッド、カッタウェイ、レギュラー、ボタンダウン、タブ、ピンホール、ラウンド、ウイング、ワンピースなどでしょうか。

襟型の名前に惑わされない、大事なのは開きの角度

では、最もクラシックな襟型は何になるのでしょうか?

私が教科書としている落合正勝さんの本には、「公的な場ではカッタウェイ」と書かれています。

カッタウェイ=ひと昔前に流行った、襟が開きすぎのクラシックとは呼べないシャツ。

というイメージだった私は、驚きました。

ところが本の内容をしっかり読むと、落合氏の言う「カッタウェイ」は、そのような開きすぎた襟のことを指すのではなく、スプレッドと呼ばれる襟型の別名なのだということが分かりました。

そのシャツの襟型の名前がどんな襟型を指すのかは、ブランドによって、人によって認識が異なるので、名称で区別するのは危険です。

では何で区別すれば良いのか。その答えは、襟の開き角度です。以下で詳しくご説明します。

スプレッドという単語が入っていても、ワイドスプレッド、セミワイドスプレッドなど、いくつか種類があります。

それらは襟の開き度合いによって区別されるわけで、ワイドスプレッドもセミワイドスプレッドも、レギュラーもカッタウェイも、要するに角度の違いだけで基本の形は同じと言えます。

BigvisionさんHPhttps://www.big-vision.co.jp/blog/detail.php?id=5344

この写真で言うと、上の3つは角度の違いだけで基本形が同じですね。

ボタンが付くボタンダウン、タブが付くタブ、ピンを通す穴が開いたピンホール、形が丸く変形しているラウンド、翼のように変形したウイング、などは、基本の形からして異なる亜種と言えます。(上の写真だと、下の3つが亜種と言えます。)

亜種を除く基本のやつらの区分は、襟の開き度合いで分かれると言いましたが、具体的に数字で何度、という国際的なルールのようなものは、私が調べる限り無いみたいです。

人によって、ブランドによって、同じ名前の襟型の角度でも、認識に数十度程度の開きがあったり、同じ角度でも、呼び方が異なったりということが起こります。

なので、「最もクラシックな襟型は?」

と聞かれたら、襟の名前で答えるのではなく、角度で答える方が正確ということになります。

最もクラシックな角度は?

ということで最もクラシックな襟の開き角度は?

結論から言うと、138度です。

チャールズ英国王とウィンザー公の写真を集め、すべての襟の角度を測ったら、最も数が多かったのが138度でした。

嘘です。

そんなにピンポイントな答えは出せっこありません。

ピンポイントは無理でも、20度くらいの幅で特定させたいものです。

落合正勝さんの本には、120-130度と書かれています。

同氏の別の本には、ピンポイントに160度と書かれてます。

いくら信奉していても、一人の人、一冊の本だけを全てと思わず、客観的に見る姿勢が重要ですね。

私が落合さんと同じように教科書としている、アトリエベルンの竹内大途さんのHP内のコラムには、110-120度と書かれています。

シャツの襟型に困ったら

私の感覚的には、160度くらいとなると、開きすぎなのではないか、と感じてしまいました。

しかし、調べてみると、確かにチャールズ英国王もかなり開き目を着ています。160度まではいかなそうですね、目分量ですが140度くらいでしょうか。

The Rakeさんより拝借https://therakejapan.com/special/9-collar-styles-and-how-to-wear-them/

日本のクラシックの重鎮、赤峰幸生さんを見ると、角度がかなり狭いように見えます。90度、もしくはそれ以下でしょうか。

赤峰さんのVゾーン。The Rakeさんより拝借https://therakejapan.com/special/a-lifetime-in-style/

赤峰さんは私が言うまでもなくクラシックを熟知されている大先生ですが、広めのラペル幅、トラウザーズのダブル折り返し幅など、ご自身の独特のスタイルを持たれていて、“王道“のクラシックというよりは、”赤峰流“クラシックという1ジャンルを別個に考えた方が良いのでは、個人的には考えています。もちろん、クラシックの範疇から外れているわけではないと思います、偉そうにすみません。

落合氏の書にも、「レギュラーカラー(90度程度)もクラシックの範疇だが、私自身は好まない」と記載されている箇所がありました。

ここまでを総合すると、最もクラシックな襟の開き角度、というピンポイントの答えは数字では出せそうにありません。

あえて言うなら、「90-160度の中に収まればクラシックの範疇。それを超えて極端に狭い、広いのはNG」となります。

亜種はNGなのか

ボタンが付くボタンダウン、タブが付くタブ、ピンを通す穴が開いたピンホール、形が丸く変形しているラウンド、翼のように変形したウイング、などは、基本の形からして異なる亜種、と先に述べました。

亜種は、クラシックとは呼べません。なぜなら、それらは機能を求めて生まれたものだからです。

ボタンは襟がパタパタしないように、タブやピンははネクタイを持ち上げるために。(ラウンドの機能は分かりません)

クラシックとは、機能の反対側に位置するものです。

落合氏の書に、クラシックの定義を分かりやすく示してくれる記載がありました。

「機能的側面は、クラシックスタイルには不要だ。機能的側面からスタートしたものは、すべからくクラシックにはなりえない。これは原理原則である。機能に魅かれるべきは、家電やパソコンであり、スーツやシャツの類ではない。」

では、クラシックを追求するなら、機能から生まれたアイテムは着てはいけないのでしょうか。

ボタンダウンシャツだって、アメリカのクラシックじゃないんですか。フラップ付ポケットだって、雨をよけるという機能じゃないですか。

私にはその答えを出す資格はありません。

スーツを着るその人自身が、クラシックとは何かを考え、自分なりに納得した上で着るのであれば良いと思います。

少なくとも今の私には、まだまだ早いと思っています。

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