こんにちは。
ミスターリネンと申します。
リネンこそが最強の素材であると信じて疑わなかった私ですが、最近、ウールの良さに気づき始めました。
真夏に履くスラックスの素材として、ウール(の中でも夏向けのウール)と、リネン、どちらが良いのか。
夏向け素材として、モヘア、シアサッカー、シルク、など他にも良い素材もあると思いますが、今回はウールとリネンのみを検討対象にします。
涼しいかどうかは、薄さ次第
最初に言っておきたいのが、ウールもリネンも、分厚いものと薄いものがあり、厚ければ暑いし、薄ければ涼しいです。
厚さだけでなく、糸の撚り方や生地の編み方によっても、肌当たりや風通し度合が変わるため、涼しさは変わります。
なので、ウールとリネンとで、どちらの方が涼しいから優れている、という答えは出せません。
ウールは薄く出来るけど、リネンは薄く出来ない
生地を出来る限り薄くしようとする場合、ウールに軍配が上がります。
薄いウールのスラックスは、テロっとして上品に見えるけど、薄いリネンのスラックスは、軽い印象が強く、カジュアルに大きく寄ると考えます。


カジュアルに見えることがマイナスな訳ではなく、リゾート地で着る場合など、それはそれで素敵ですが、カジュアル過ぎに見えてしまう場合がある、という話です。
また、薄いウールは、シワも出来にくいけど、薄いリネンは、細かいシワが沢山入り、一歩間違えればみすぼらしくもなりかねません。

以下の写真で履いているのは、恐らく200g前後の薄手のウールですが、シワも比較的入りにくく、上品な印象だと思います。

200gくらいの薄手のリネン生地となると、かなりカジュアルに見えると思います。
なのでリネンスラックスについては、リネンはある程度分厚いリネンでないと、街着としては着にくいと私は考えます。
リネンスラックスの代表的な生地は、スペンスブライソンのアイリッシュリネンでしょうか。
スペンスブライソンの分厚め(370.380g程度)の生地を使ったスラックスは、見た目の印象は涼し気で、細かいシワも入らず、カジュアル感も控えめで、街着として成立しやすいです。

が、厚いので、涼しくはありません。
実際に私は履いてみて、ウールの薄手のスラックスの方が、分厚いスペンスブライソンよりよっぽど涼しいと感じます。
200gと380gを比べるのはフェアではないですね。そりゃ200gの方が涼しいに決まっています。
私のリネンスラックス経験が浅く、380g程度のスペンスブライソンよりもう少し薄手の、200g半ば~300gくらいの重さのリネンスラックスを履いたことがありません。
リネンスラックスは、何g以上を目安に、軽くてカジュアルな印象が無くなってくるのでしょうか。
この章で私が言いたかったのは、カジュアルになり過ぎずに薄さ(=涼しさ)を追求するなら、ウールに軍配が上がるということです。
生地が与える印象
次に考えたいのが、生地が与える印象です。
ウールはテロっとしていて、シワも出来にくく、上品な印象です。

リネンは、シワのおかげで、比較的カジュアルな印象です。

例えば、ラコステのポロシャツを着る場合、下に履くスラックスは、ウールとリネン、どちらが良いのでしょうか。
どちらであっても問題なく成立するし、履く靴にもよると思いますが、私はリネンの方が相性は良いと思います。

ポロシャツというスポーツアイテムには、カジュアルなリネンが合うと思うからです。
ラコステ×リネンスラックスなら、靴はローファー、レザーサンダル、だけでなく、スニーカーでも合いそうです。
他の例として、リネンのシャツを着る場合。
スラックスもリネンにして、全身リネンも素敵だし、シャツのカジュアルさに、ウールの上品さを下半身にプラスしても、悪くない気がします。


ウールのスラックスにするなら、スニーカーよりは革靴がベターだと思います。
ニットポロを着る場合。
スラックスは、リネンもウールも、どちらも同じくらい合うと思います。
足元は、リネンスラックスなら革靴もスニーカーも合う、ウールスラックスなら革靴が合うと思います。
生地の与える印象、という観点では、ウールもリネンも、それぞれ別の良さがあるので、勝ち負けは無いという結論です。
洗濯問題
次に考えたいのが、洗濯についてです。
夏に履くスラックスは、汗が付きやすいので、気軽に自宅で洗濯できるものの方がベターです。
ウールもリネンも、私がこれまで試してきた限りでは、どちらも手洗いはもちろん、洗濯機のドライコースで洗って何の問題もありませんでした。
アイロンで取れる程度のシワしかできなかったし、縮みも発生しませんでした。
両方とも洗濯は出来るけど、生地の強度は、圧倒的にリネンが勝ちます。
何十回も洗濯回数が重なってくると、ウールはボロボロになってしまうかもしれません。
リネンも、新品時よりはよれてくると思いますが、生地がダメになる心配は比較的少ないです。
むしろ、味が出てくるのでより格好良くなる、とも言えます。
気軽に洗えて、長持ちするという意味では、リネンに軍配が上がります。
洗濯回数をなるべく減らす工夫
ウールにしろリネンにしろ、なるべく洗濯回数は増やしたくありませんよね。生地が傷むのもあるけど、洗濯は面倒だからです。
とはいえ汗が付いたまま放置するのも嫌です。
私が実践しているのは、ステテコ×ロングホーズです。

肌を直接スラックスに触れさせないための工夫です。
それでも夏の汗は多量なので、ステテコやロングホーズを貫通してスラックスに汗が到達しますが、やらないよりはマシです。
また、一日履いた後に、スチーマーで内側から水蒸気を当てることで、汗や尿の菌を殺して(いる気になって)います。
それらの工夫をすれば、夏に履くスラックスの洗濯回数は、ワンシーズンに1回くらいで十分だと思います。
太さ
もう一つのポイントが、スラックスの太さです。
太めの方が、肌に触れにくいので汗が付きにくいし、風が通りやすいので涼しいです。

夏のスラックスは、細くて良いことは何もないと思います。
まとめ
夏のスラックスの素材は、ウールとリネン、どちらが良いのか。
について検討しました。
街着としてカジュアルさを抑えながら、涼しさを追求するなら、ウールの勝ち。
洗濯に強く、丈夫で長持ちするのはリネン。
見た目の印象は、それぞれ別の魅力がある。
という結論でした。
個人的には、夏は絶対リネン、と考えていましたが、これからは夏のウールをもっと実践して楽しんでみたいと思います。
以上です。
ありがとうございました。
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