こんにちは。
ミスターリネンと申します。
お直し屋サルトで仕事を始めてから、スーツオーダーのことを日々学んでおり、そのアウトプットとして、自分用のスーツやシャツを少しずつオーダーしています。
選んでいる生地は今のところ、リネンかツイードのみです。
格好良いと思う生地はいくらでもありますが、自分が実際に買って着ようと思えるのは、その2素材がほとんどです。
現行品の生地を、バンチブック(生地見本)から選んで買うこともありますが、ネットで古い生地を見つけてきて買う方が多いです。掘り出し物の生地が安く手に入るからです。
最近、自分の中では衝撃の生地を見つけました。
「リネンツイード」

リネンで作られたツイード生地ということです。
これを聞いて、違和感を覚えた方もおられるかもしれません。
ツイード=動物の毛、リネン=植物繊維なので、リネンツイードというのは成立しないのでは?と。
「ツイード」という言葉の定義を、複数のソースの情報を私なりに解釈してまとめると、
動物の短い毛やくず糸などで作った「紡毛糸」を用いて織られた毛織物のこと。
(紡毛=毛を揃えたり伸ばしたりすることなく、そのまま紡いでいくこと。つるっとしている梳毛糸に対し、紡毛糸は起毛感のある糸であるという特徴がある。)
つまり、違和感は正解で、リネンは植物繊維であり、動物の毛ではないので、リネンツイードというのは成立しないと言えます。
正確に呼ぶなら、「ツイード風リネン」になるかと思います。
とはいえ、通常のウールのツイードで使われる、羊の短い毛やくず糸が、リネンの短い繊維やくず糸に置き換わっただけ、と考えれば、リネンでもツイードっぽい生地を作れることは想像できます。
なので、「ツイード」の定義を、「毛」という要素を排除して新たに考えてみました。
今までの定義:動物の短い毛やくず糸などで作った「紡毛糸」を用いて織られた毛織物のこと。
新定義:短い繊維やくず糸などで作った、つるっとしていない糸を用いて織られた織物のこと。
新定義によれば、「リネンツイード」という表現も正しいと言えます。
ところで、DORSOで私が以前オーダーしたジャケット素材で、「サマーツイード」というのがあります。
この素材は、ウール50%、リネン50%の混率で、見た目の印象はツイードに似ています。

この素材もツイードという言葉を使いながら、動物の毛ではないリネンが含まれているので、そもそもツイードの定義では、動物の毛しか使っちゃダメ、というわけではないのかもしれませんね。
一旦この記事では、ウールでもリネンでもコットンでも、素材は何であれ、ツイードという言葉を使って良いという前提で話を進めます。
別の生地の話で、以前以下の記事でご紹介した、メゾンエラールのリネン生地は、「ツイードっぽいリネン」と呼びました。
ツイードっぽさはありますが、リネンかツイードか、と言われれば、あくまでリネンです。起毛感がそんなに強くないからです。

しかし今回見つけた以下の生地は、メゾンエラールより数段ツイードらしさがあります。起毛感がより強いからだと思います。

触ってみても、ウール100%のツイードと言われたら、信じてしまいそうな感触です。
ガシッとしていて、糸は太く丈夫そうです。

生地のデザインとしては、いわゆるネップ(糸の不規則な塊や節)が沢山入った、ドネガルツイードに似ていると思います。

上写真のドネガルツイードと比べると、リネンツイードの方が起毛感が弱めですね。
ブルーベースですが、良く見ると茶色、黄色、緑の糸も入っています。

なかなか良い色合いではありませんか?
まだ自宅に生地を保管している状態ですが、なるべく早いうちにジャケットを仕立てたいと思います。
自分で着てみて初めて生地の良し悪しが分かると思うので。
ちなみに仕立てる前には、一度生地の段階で洗濯するつもりです。
普通のリネン生地と違って、目がものすごく詰まっており、風を一切通さなそうな感じです。

なので水洗いすると、リネンとはいえ乾燥するのに相当時間がかかりそうです。
もし仕立ててみて、この生地が良いと思えたら、「冬でも季節外れと思われずにリネンを着たい」という私の願いを叶えてくれる最強の生地に出会ったことになるかもしれません。
しばらく先になると思いますが、またご報告します。
以上です。
ありがとうございました。






コメント