汗と尿からスーツを守り、クリーニングに出さずに済ませるための対策

オーダー

こんにちは。ミスターリネンと申します。

今回はスーツのケアについての話です。

「スーツをドライクリーニングに出すと、石油系の溶剤を使い少なからず生地にダメージがかかるので、出来るだけドライクリーニングには出さない方が良い。」

というのは、スーツ好きの方にとっては半ば常識かもしれません。

とはいっても、クリーニングに全く出さず、汗、尿、食べ物汚れを放置していては、その方が生地にダメージがかかっています。

全てを解決してくれる方法が、スーツの水洗いです。

しかしスーツの水洗いを自宅で行うのはハードルが非常に高く、特にジャケットのプレス(アイロン掛け)が難しいです。

そこで登場するのが、プロのスーツ水洗い業者で、カシミヤなどの高級な素材であっても、ダメージを加えることなく、サイズが縮んでしまったりすることもなく、完璧に洗ってくれます。

が、一着15000円以上と高額で、普段から利用するのは現実的ではありません。

私は潔癖症なのですが、加えてドライクリーニング反対派で、かつプロの水洗いに頼むお金もないので、いかにお金をかけずスーツを清潔に保つかに、命を懸けています。

そのために私なりに実践している方法を、ご紹介します。

汚れの種類と落とし方

スーツに付く汚れの種類は、大きく油性か水性かに分かれます。

油性の汚れは、食べ物がメインです。

水性の汚れは、汗、尿、雨、飲み物、辺りでしょうか。

油性汚れは、いくら自分で頑張って水洗いしても落ちず、残念ながらドライクリーニングに出すしかありません。

なので、油性の汚れは何としても避けたいです。

ご飯屋さんでは、紙エプロンを付ける、テーブルに油がついているかもしれないので肘をつかない、なるべく麺類を食べない、等々。

ただそれでは食生活を楽しめないので、食べる時はジャケットを脱ぐのがベストでしょうか。

水性汚れは、スーツを着ていたら避けることは不可能です。

汗は当然誰でもかきます。

雨に降られることもあります。

尿は、男性であればスラックスの内側からも外側からもついてしまいます。

でも幸運なことに、水性の汚れは、水洗いで綺麗に落ちます。

とはいえジャケットを水洗いするのは、かなり難易度が高く、専門の高級水洗いクリーニング業者に出すしかないと思います。

それに対して、スラックスは比較的簡単で、自宅でもできます。

参考記事 

「ウールのスラックスを自宅で洗う方法」

水性汚れを付けないための工夫

油性汚れは付いてしまったら諦めるとして、水性汚れは、なるべく付けないように気を付けることはできます。

主な水性汚れは、汗と尿です。

ジャケットとスラックスに分けて、汗と尿汚れを防ぐ方法を考えます。

まずジャケットですが、ジャケットには汗だけで、尿は付きませんね。

ジャケットの汗汚れを防ぐには、例えばドレスシャツのインナーにTシャツを着る。ドレスシャツ1枚よりは、布が増えるので、汗がジャケットまで届きにくくはなります。

または、脇汗パッドを貼るのも良いかもしれません。が、透けて見えたらダサいし、いちいち貼るのも面倒で、私は貼っていません。

もう一つの対策が、オーダージャケットにしか使えない方法ですが、脇汗パッドをジャケットに付けることです。

これが付いていれば、ジャケットの表生地までは汗が届きにくくなるし、このパッドだけをおしぼりなどを使って汗を拭きとることが出来ます。

オーダーで標準装備のテーラーも多いとは思いますが、標準ではなくても、追加料金を払って付けてもらうのも良いかもしれません。

次にスラックスの場合です。

スラックスには、汗も尿も両方付きます。

汗対策から考えますが、上半身同様、素肌とスラックスとの間に、なるべく多くの布が挟まれていれば良いです。

具体的な方法としては、レギンスを履くというのがあります。細いスラックスだとパツパツになってしまうので、ある程度以上太いスラックス限定です。

また、レギンスの生地がつるっとしていないと、生地に引っかかってスラックスがストンと落ちてくれなくなるので、スポーツ用のレギンスがおすすめです。

ユニクロでも売られています

しかしレギンスは夏は暑いので、ステテコ+膝まであるホーズ(長い靴下)という組み合わせの方が一般的かもしれません。

もう一つの方法として、スラックスを総裏地にする選択肢もあります。

実際に私は、秋冬素材のスラックスは、すべて総裏地にしています。

春夏素材のスラックスの場合は、どうしても布が一枚増える分風通しが悪くて暑くなってしまうので、私は総裏地にはしていません。

参考記事

「スラックス総裏地のススメ」

次に、スラックスの尿対策です。

スラックスに付く尿は、スラックスの内側から攻めてくるものと、外側から攻めてくるものがあります。

内側から考えます。

汚い話ですが、尿はパンツの布を貫通してスラックスの生地に多少は付きます。

私事ですが、前立腺肥大という男性に良くある問題を抱えており、20代のころから残尿、尿もれに悩まされています。

用を足してスラックスのチャックを閉じた後に、ペットボトルのキャップ1杯分くらいの尿が自分の意志とは無関係に出てしまい、太もも、運が悪いとふくらはぎ辺りにまで尿が漏れてしまうことがしょっちゅうあります。

パンツの上にレギンスを履くを履くか、トランクスよりは裾がももにピッタリくっついて尿の通り道が無いボクサーパンツを履く、等の工夫しかありません。

外側から攻めてくる尿は、工夫次第でかなり防ぐことが出来ます。

まず、立小便をなるべくしないこと。

立小便をすると、目に見えなくても、かなりの量の尿が、スラックスの裾や、靴に跳ね返っていることを、半ズボンにサンダルを履いて立小便したことがある男性ならご存じだと思います。

わざわざ個室に入るのが面倒くさくて立小便をするときは、両足を思いっきり広げて、跳ね返り尿をなるべく食らわないようにするのも手です。

参考記事

「おしっこが付いた靴ヒモ、触れますか?」

外側から攻めてくる尿を防ぐもう一つの対策は、防水スプレーをスラックスの裾にかけること。

スエードの靴を履くときなど、防水スプレーを掛けることがあると思いますが、その際にスラックスの裾までまとめてかけてしまうのです。

左のタイプのように、布にも〇と書いてあるものの方が安心です。

私は簡単に洗えないズボンを履くときは、必ず防水スプレーを掛けています。

表革の靴を履くときは、防水スプレーを掛けるとシミになってしまうので、靴を履いていない状態でスラックスにだけスプレーを掛けます。

きっと、そんなことでは尿の跳ね返りは防げず、気休めにすぎないのでしょうが、気になって仕方がないので、せめてものあがきをしています。

水性汚れを丸洗いせずに落とすための工夫

水性汚れをなるべく付けないための方法をご紹介しましたが、それでも汗や尿は少なからず付いてしまいますよね。

この章では、汗や尿汚れを、丸ごと水洗いせず、簡単に落とす方法をご紹介します。

1年に1回くらいは水洗いするとして、着るたびに水洗いは出来ないので、一日着た後に簡単に出来る汚れ落とし方法です。

アプローチは2つです。

おしぼりで汗を吸い取る、蒸気スチーマーで殺菌する。

おしぼりで汗を吸い取る、は、ジャケットの脇部分に有効な方法です。

脇部分に裏から、硬く絞った清潔な雑巾、もしくは市販のウェットティッシュ(アルコール入りがベター)をギューッと押し付けて、汗を吸わせるのです。

以下で紹介する蒸気スチーマーを使えない場合(外出先等)に有効です。

次の方法が、蒸気スチーマーで殺菌する方法です。

ジャケットの脇部分だけでなく、ジャケットもスラックスも、表からも裏からも、全体をくまなく蒸気スチーマーを当てまくるのです。

表からも裏からも、というのがポイントです。

ハンガーにかけてスチーマーを全体に当て、今度は裏返しにして同じことをします。

ジャケットの表には汗や尿は付いていませんが、ジャケットの裏、スラックスの表と裏には、必ず汗と尿が付いています。

スチーマーを当てることで、殺菌だけでなくしわ取り、臭い取りにもなるので、一石二鳥です。

スラックスについては、帰宅してからすぐにセンタープレスをかける人は、わざわざ蒸気スチーマー単体を掛ける必要はありませんが、センタープレスだけでなく、裏側もアイロンかけしないと、内側の尿と汗の汚れは残ったままになることをご注意ください。

まとめ

ドライクリーニングは、なるべく出さない方が良い。

油性汚れはドライクリーニングに出すしかない。

水性汚れは、水洗いで落ちるが、なるべく水洗いしなくて済む対策はある。

具体的には、

スーツと素肌との間になるべく多くの布を挟む。

防水スプレーを使う。

おしぼりで汚れを吸い取る。

蒸気スチーマーで殺菌する。

これらを徹底していれば、水洗いクリーニングに出すのは5年に1回くらいで済むと思います。

私は、スラックスだけは年に1回程度自宅で水洗いしますが、ジャケットは今まで一度もクリーニングに出したことはありません。

匂いも今のところは一切しません。自分の体臭だから気が付いていないだけかもしれませんが。。。

ご紹介したケアは、私が異常な潔癖症で気にしすぎなだけであり、そこまでやらなくてもスーツは清潔に保てるかもしれませんが、参考になる部分があれば幸いです。

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