こんにちは。
ミスターリネンと申します。
今回は、テーラー選びについての話です。
テーラー選びはどうしていますか?
スーツをオーダーされている方にお聞きしたいです。
テーラー選びはどうされていますか?
①「私は一生ここにお世話になる」と決めて一か所しか行かない。
②100%満足できるテーラーに出会うまで、より自分に合うテーラーを探し求めていく。
③テーラーごとのスタイルの違いを理解し、色々なスタイルのスーツを着たいから、複数のテーラーに同時に通う。
スーツが好き、お洒落が好きという方は、①か③のやり方を取られる方が多いかもしれません。
②のやり方は、スーツのオーダーに初めて挑戦してから、知識やこだわりも増えていき、オーダーにかける金額も増えていく過程で通るルートなのかもしれません。
人生で最初に行ったテーラーで100%満足でき、そこから一生浮気せず通い続けるという方はなかなかいないと思います。
私がこれまで行ったテーラーと、最終的に選んだテーラー
私の話になってしまいますが、FABRIC TOKYOさん(1着)、吉田スーツさん(5着)、ミケーレシンさん(3着)、アトリエベルンさん(1着)、DORSOさん(2着)、の5か所にこれまで行きました。(以下敬省略)
どちらも素晴らしいお店でしたが、私は今後はDORSO一本で行こうと思っています。
それぞれのお店で違ったスタイル、魅力があると思いますが、私が目指すスーツスタイルに最も近いのがDORSOでした。
DORSOに対して感じた魅力を具体的に言うと、デザインが普遍的、着心地が良い、クオリティに対して値段が良心的、などです。
詳しくは以下の記事にまとめています。
中でも特に、デザインの普遍性を私個人としては最も重要視しています。
デザインが普遍的であるとは、その国らしさ、そのテーラーらしさが極力少ないことです。
私の洋服に対する考えとして、「肩の力が抜けたお洒落」というのを理想としています。
具体的に言うと、鴨志田康人さんや、赤峰幸生さんが理想です。
スーツに特徴的なデザインがあると、どうしても作りこんだ感、お洒落しようと頑張ってる感が出やすいです。

上述したお二人くらいの方であれば、そういうスーツでもさらっと着こなせると思いますが、私レベルの風格の持ち主がそういうスーツを着たら、コスプレのように見えかねません。
なので、デザインが普遍的、言い換えると地味なスーツが、重要な要素だと私は考えています。
余談ですが、普通のデザインって何だろう、というのを考えるのに、深澤直人氏著「ふつう」はとても参考になりました。

自分のスタイルを持つべき?
ザ・英国スーツといった構築的なスーツや、ザ・南イタリアといった柔らかくセクシー系?なスーツは、「俺はそういうスーツが好きだから、それしか着ない!」と、一貫性を持って常に同じ系統のスーツばかりを着ていれば、とても格好良いと思います。
しかし、今日は英国系、今日はイタリア系、と日々違ったスタイルのスーツを着ていては、人としてブレているような気がして、私には格好良く思えません。
カジュアルな服装であれば、今日はアメカジスタイル、今日はマリン系スタイルなど、色々なテイストを楽しんでも素敵だと思いますが、ことスーツに関して言えば、いつも同じようなスタイルをしている方が、私は格好良いと思います。
例えば干場義雅さんは、グレーのスーツに無地ネクタイというスタイルを頻繁にされているそうですが、グレーのスーツだけで何十着も持っているそうです。
そのように、私と言えばこれ、というマイスタイルがある方は、人として格好良く見えます。
どうすれば、自分の確固たるスタイルというのを持つことが出来るのでしょうか。
私なりに考えた結果、その方法は、「何十年も着続ける」しかありません。
その人に似合う服、似合わない服が存在し、似合う服は最初から似合い、似合わない服は死ぬまで似合わない、という考え方がありますが、私はそれを疑っています。
自分はこの服が似合う人間でいたいと思い、誰に笑われようとも、その服を何十年も着続けていれば、きっと似合ってきます。
なので、その国らしさ、そのテーラーらしさが比較的強めな、クセ強めなスーツが好きな場合は、それをブレずに着続けるべきです。
今25歳の人であれば、きっと35歳まで着続ければ、そのスーツがバチっと似合う人になっています。50歳になるころには、チャールズ国王よりもそのスーツを着こなす男になっているでしょう。
しかし、それは簡単なことではありません。
怖いのが、クセが強いものに飽きてしまう場合です。
同じ系統のスーツを何年か着て、その系統が自分に馴染んでき始めても、飽きがきて他の系統に気持ちが傾いてしまったら、またゼロからリセットして、似合うまで着続けるという行為を繰り返さなければなりません。
飽きが来るというリスクを回避するには、前章で述べた、普遍的なデザインのスーツを選ぶことが一つの策だと考えます。
そして、普遍的なデザインのスーツは、しっかりと体に合ったフィッティングのものであれば、誰にでも似合います。
似合うということは、簡単に自分のスタイルに出来ます。似合わないものでも、着続けることで自分のスタイルに出来ると述べましたが、最初から似合うならその方が話は早いというわけです。
このような理由で、今まで行ったテーラーの中で最もデザインが普遍的であり、クオリティの高さと値段のバランスが取れているDORSOが、私にとってはベストでした。
テーラーを変えることで起きた弊害
DORSO一本で行こうと思ったわけですが、ある問題がありました。
ジャケットのゴージラインの角度と、今まで着ていたシャツの襟の角度が一致しないのです。

DORSOのジャケットのゴージラインの角度は、現代の平均的な角度と比べたらやや急寄りで、シャツの襟で言うと、レギュラーカラーとワイドカラーの中間くらいだと思います。
中間ということは、レギュラーカラーもワイドカラーも、どちらのシャツも襟の角度が一致せず、既製品でちょうど良いシャツが中々ありません。
私は鎌倉シャツのワイドカラー(スプレッド)のタイプが手持ちのシャツの中で最も多いのですが、今までオーダーしてきたスーツでは、ジャケットのゴージラインとシャツ襟の角度はほぼ一致していました。
つまり、現代の主流であるジャケットのゴージライン角度は、ワイドカラーのシャツに合う、肩線と平行くらいの角度であるということです。
今後はDORSOのジャケットを増やしていきたいので、残念ながら、鎌倉シャツのワイドカラーのシャツの出番は減りそうです。
かといってレギュラーカラーのシャツを買うと、今度はシャツの襟の角度の方が、ジャケットのゴージラインよりも急になるので、一致しません。

そうなると、シャツもオーダーするしかなくなります。
もちろんお金に余裕があれば、シャツも全てDORSOでオーダーしたいですが、3万円以上はするようですし、私にとっては現実的ではありません。
しばらくは角度のズレは我慢して着続け、何年もかけて少しずつオーダーシャツを増やしていくか、ちょうど良い既製品を見つけるしかなさそうです。
まとめ
今回の内容のまとめです。
・どんなスタイルでも良いが、ブレない自分のスーツスタイルを一つ持っているのが格好良い。
・クセが強いデザインのものは、飽きるリスクがある。
・DORSOのスーツは普遍的なデザインで、飽きるリスクはほぼ無い。
・テーラーを変えると、様々な弊害があるから、極力早い時期に一箇所に絞る方が良い。
理想のお洒落人として、鴨志田康人さん、赤峰幸生さんを挙げましたが、お二人とも、国内外の様々なテーラーに行かれており、恐らく、今でも一箇所には絞ってはいません。
ネットで調べる限り、お二人ともリベラーノリベラーノが特にお気に入りのテーラーであるようです。
この記事を読んでくださった方で、複数のテーラーを使い分けているという方がおられたら、その理由に興味があるので、ぜひコメントいただきたいです。
お気に入りのテーラーがあっても、別のテーラーには別の魅力があり、どちらも捨てがたいということでしょうか?
使い分けられているそれぞれのテーラーのデザインは、似ているのでしょうか?全然違うのでしょうか?
教えていただけますと幸いです。
以上です。
ありがとうございました。
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