こんにちは。ミスターリネンと申します。
クラシックを追い求め、過去の格好良い紳士たちを映画や写真で見ていると、結婚指輪とは違う金の指輪をしていることが多いです。
現代でも、チャールズ英国王は常に左手の小指にリングをはめています。
ご存じの方も多いと思いますが、シグネットリングと呼ばれるものです。
格好良い紳士に憧れて、背伸びしてまねごとばかりしている私は、シグネットリングがどうしても欲しくて購入してみました。
しかし、全く似合わないのです。
どうやって合わせればよいのか、そもそも一般人が付けるのはどうなのか、考えてみます。
シグネットリングとは
シグネットリングとは何か、ざっくり言えば、プレートのようなものが付いたリングです。
出自は何千年も前らしく、誕生背景は諸説あります。
ある程度近代になると、貴族達が自分の家紋をプレートに彫り、指に装着していたそうです。
新しく作るのではなく、父から子へと、代々受け継いでいったらしいです。
封筒の口を赤いロウを垂らして留める際、シグネットリングのプレート部分をロウに押しつけ、家紋をロウに浮き上がらせるシーンを映画などで見たことがある方もおられると思います。
本来は貴族のみが付けていたものが、だんだんと市民の間にも広がっていきました。
日本と違い、欧州の多くの国では一般の人は家紋を持っていないので、彫りたくても家紋がありません。
その場合、自分のイニシャルをいれたり、動物の絵を掘ったりしていたそうです。
ところで、何手の何指につけるのか。
これも国によって、時代によって異なり、一つの正解はないそうです。
薬指につける場合もありますが、チャールズ英国王を見本とするなら、利き手と反対の小指となります。
ただ、日本では結婚指輪を左手薬指にはめるので、右利きの既婚者の場合、指輪が二本重なってしまい、見た目的にイマイチです。
英国では、紳士はアクセサリーをつけてはならない、結婚指輪もアクセサリーであるからNGと考えられていたそうです。
シグネットリングだけは、家柄を守る為であり、アクセサリーとは捉えられず、唯一許されていたので、結婚指輪とのバッティング問題は起こらないようです。現にチャールズ国王も結婚指輪はしていません。
どういうタイプを選ぶべきか
シグネットリング、と調べると、様々な種類のものが出てきます。
素材はゴールド以外にシルバーもあり、イニシャルが入っているもの、家紋ではない他の絵が描いてあるもの、何も刻印がないフラットなもの、と様々です。
本来のシグネットリングは、家紋あり、かつ素材はイエローゴールドです。
日本人は幸い誰でも家紋を持っていますが、和の家紋をヨーロッパ生まれのシグネットリングに彫るのは、どうなのでしょう。私には違和感があります。
そうなると、家紋は選択肢から除外されます。
一番無難な選択は、イニシャルだと思います。
何かの動物の絵なども、ポップにならないならばアリだとは思います。
フラットなタイプは、シグネットリングというよりは、カジュアルなおしゃれリング、という印象が私にはします。
素材についていえば、イエローゴールド一択だと思います。
やはり昔から選ばれているものに従った方が、クラシックだと思うからです。
ちなみに、イエローゴールドは、18金(金の含有率が75%)が良いと言われますが、英国では9金(含有率37.5%)も多く使われていたようです。
金の含有率が低いと、金以外の銅や鉄の含有率が高くなり、硬くて丈夫になり、色合いも黄色っぽさが減り、シルバーに少し寄った薄めの金、という感じになります。
私が買ったシグネットリング
私が買ったのは、こちらです。
中古で購入しました。
まず刻印から。
ライオンの絵が描かれています。
英国では、百獣の王として、家紋にライオンが描かれることもあるそうです。
ただ、私のリングについていえば、家紋ではなく恐らく単なるデザインです。
なぜなら、文字も絵も、表から見た向きで描かれているからです。
もし家紋で、ロウにスタンプとして押すことを想定するなら、反転させて描くはずです。
元々この刻印が彫られていたのですが、気に入っているので彫り直したりはせずそのまま使用しています。
もし他人のイニシャルだったら、彫りなおします。
次に素材です。
9金のイエローゴールドです。
貴金属の素材を証明するため、各国の造幣局が審査し、認めたものに素材ごとにホールマークと呼ばれる刻印を彫るそうです。
このリングも内側に肉眼では見えないほど小さく刻印がいくつかされていました。
刻印の意味はネットで調べると出てくるのですが、こちらは9金でした。
色は確かに18金よりやや白いです。
日本人の肌にもなじみやすく、18金より使いやすいと言えます。
そして、金の含有率が低い分値段もお手頃です。
18金でこのボリュームとなると、かなり高額になりますが、中古ということもあり、安く購入できました。
合わせ方
シグネットリングを買ってみたものの、合わせるのがとても難しいです。
スーツを着て小指にこのリングをしてサマになるほど、私自身に渋さがありません。
リングだけが目立ってしまい、趣味の悪いお坊ちゃまのようになってしまう気がします。
スーツに合わせられるようになるまで、もう30年ほどは寝かせておこうと思います。(現在30歳です)
カジュアルなら、まだ合わせられます。
ごく普通の、デニムにシャツやニットといった格好であれば、そこまで嫌味が出ないと思います。
ジャケットを羽織ってしまうと、途端に嫌味が出てしまうと思うので、カジュアル専用です。
他のアクセサリーとの相性も考慮に入れる必要がありますね。
素材がイエローゴールドで、大きさもありそれなりに目立つので、他のアクセサリーは何もつけないくらいがバランスが良いと思います。
イエローゴールドが他の指や手首、首に来ると、ちょっと金が多すぎて、マフィアに近づいてしまいます。
どこで買えるか
私は、ヴィンテージのものをメルカリで購入しました。
リングゲージという器具を買って、自分の指のサイズを測った上で、小指に合うサイズを探しました。
実店舗で試着して買いたい方は、Old&Newという銀座の名店がおすすめです。
シグネットリングの取り扱いだけでなく、ヴィンテージ時計、時計用ナイロンベルトなど素敵なものが多くあります。
恐らくシグネットリングなら10万円代だと思います。
ヴィンテージではなく、新品のモノを買うのはどうでしょうか?
もちろんそれもアリです。
英国王室御用達の老舗高級ブランド「Asprey」(アスプレイ)が、どうやら最高級のようです。
Forza Styleの干場編集長も愛用されているそうです。
ただし、約80万円と、死ぬほど高いです。お金に余裕のある方向けです。
他にも新品で作っているブランドはありますが、アスプレイのような老舗ブランドでないと、どこかデザインが今っぽくなってしまい、クラシック感がありません。
ということで、現実的には、中古市場から格好良いモノを見つけ、刻印が気に入らない場合は、Old&Newさんなどの専門店に持って行って刻印し直してもらう、というのが良いと私は思います。
まとめ
男なら誰もが憧れる?シグネットリング。
日本人でさらっとつけられる人はほぼいないので、買っても意味がないかもしれません。
でも、つけられるかどうかは別として、憧れのモノを手に入れたい、という方は、買っても良いかもしれません。
どうせ買うなら、なるべく早く買う方が、安く買えることは確実です。
失くしてしまうリスク、加齢とともに指が太くなってはまらなくなるリスクはありますが。
中古市場にはまだまだ沢山あるので、興味のある方はぜひ探してみてください。
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