こんにちは。ミスターリネンです。
以前の記事で、ネクタイのディンプルについて書きました。
「基本的にはディンプルは必須。クラシック超上級者なら、あえて無しでもサマになる。」という趣旨の内容を書きました。
今回はそれに関連し、ネクタイの結び目の大きさについてです。
クラシックな結び目の大きさはどのくらいなのでしょうか?
ネクタイの結び方
ネクタイの結び目の大きさは、ネクタイの結び方、ネクタイ生地の厚さ、どのくらいきつく締めるか、の要素で変化します。
最初に結び方についてですが、ネクタイの結び方は、何十種類と存在するようです。
代表的なのが、シングルノット、ダブルノット、ハーフウィンザーノット、ウィンザーノットあたりです。
シングルノットから順番に、結び目の大きさが大きくなってきます。
シャツの襟型やジャケットのデザインなどにより使い分けをする人もいれば、どれか1つしか使わない人もいます。
クラシック度合いは、どの結び方も同じだと私は考えます。迷ったらシングルノットで良いと思います。赤峰幸生さんやチャールズ英国王もシングルノットにされることが多いようです。
シングルノットだと、ネクタイの長さが長すぎる場合は、もう一重結んでダブルノットにした方が良い場合もあります。
ウィンザーノットについては、私は未経験なのですが、故落合正勝氏によると、ツイードやカシミアなどの骨太な素材のジャケットと相性が良いようです。
ネクタイ生地の厚さ
ネクタイの生地は、シルク、ウール、カシミア、コットン、リネンが代表です。
同じ素材でも、薄いモノから分厚いものまであります。スーツの生地と同じように。
また、表地だけでなく、ネクタイの芯材(保形のため内側に入れる)、裏地の素材も様々で、それらを総合して、ネクタイの厚さは決まります。
分厚い方が、当然結び目は大きくなります。
恥ずかしい写真ですが、リネン素材で非常に薄いネクタイをシングルノットで結んだ私の写真です。結び目が芋虫のように細長いですね。この場合は、ダブルノットかウィンザーノットで結ぶべきだと思います。
どのくらいきつく締めるか
ネクタイの結び目の大きさに影響を与える最後の要素が、どのくらいきつく締めるかです。
きつく締めれば結び目はキュッと小さくなるし、緩ければ、その分大きくなります。
私個人としては、苦しいくらいにきつく締め、結び目と大剣が砂時計のようにボンキュッボン、となるのが好きです。
でも、クラシックを知り尽くしたベテランで、かなり緩く締めている人を時々見ます。
その代表が、このブログでしょっちゅう登場する、故落合正勝氏です。
「イタリア人は、ダブルノットを故意に緩く締め、胸元に隙間を作る。スーツスタイルが整理整頓されすぎているため、太った樽でナチュラルな感じを表現しようとしているのだ。」と書かれています。
なるほど、それを聞くと、緩めの結び目が途端に格好良く見えてくるような、、、
その反対に、結び目をキュッと小さくされているのが、干場義雅さん。
ネクタイ自体も細く、きつめに締めているので、かなり小さい印象です。
干場さんもクラシックを熟知されている方だと思うので、王道クラシックから見ればこの大きさはやや邪道なのかもしれませんが、ご自身のスタイルという感じがはっきり分かり、格好良いです。
どこかのメディアで、結び目が小さい方が顔も小さく見える、と言われていた気がします。
結論:最もクラシックな結び目の大きさは
最もクラシックと言える、ネクタイの結び目の大きさは、どのくらいでしょうか。
参考にならない答えですが、大きすぎず、小さすぎず、悪目立ちしない、程よい大きさ。
あいまいすぎて良く分からん、という方に向けて具体的に言うと、シングルノットで、ちょっと苦しいくらいにきつく締めれば、程よい大きさになる可能性が高いです。
薄めのネクタイの場合は、ダブルノットにした方が良い場合もあります(上述の私の悪い例のように)。
最後に、落合正勝氏の言葉で、ネクタイの結び方について参考になる箇所があったので紹介します。
「似合う、似合わないを考える以前に、ノットと素材の相性を見つける。ノットと素材の相性が合えば、たとえ普段試みない結び目でも、その人に似合ってくる。はじめから、このノットは自分に似合わないと決めつけてはならない。普段から数種類のノットで結ぶ癖をつけておくことは大切である。」
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