お直しに出すのは、最低1年は着て生地の変化を確かめた後の方が良い?

お直し

こんにちは。ミスターリネンと申します。

フィッティングにうるさい服好きの方にとって、欠かせない存在であるお直し屋さん。

カジュアルなアイテムに比べ、ドレスアイテムは比較的厳密なフィッティングが求められるので、お直しの必要性が高いことが多いですよね。

ジャケットのウエストの絞り具合、袖丈、スラックスの裾幅、ダブルの折り返し幅、ネクタイの大剣幅、等々。

クラシックに興味がない人からしたら、何が違うの?ということでも、本人にとっては気になって仕方がないことだと思います。

私事ですが、中古品を買うことが多く、なるべく自分の体型に近いものを買いつつ、必要な箇所だけお直し屋さんで直してもらっています。

しかし、お直し屋さんに持っていかない方が良い場合もあります。しばらく着ていると、服が自分の体に馴染んで勝手にサイズが少し変わってくるような場合です。

今回の記事では、どういう場合に、お直し屋さんに持っていくのを一旦とどまった方が良いかを、私なりにご紹介します。

私の体験談も含まれますが、プロのお直し屋さんに教えてもらった話をベースにしています。

すぐにお直しに出しても良い場合

基本的な事実として、服の布生地は伸び縮みしません。

ニット素材、ジャージ素材などは伸びますが、通常の素材はほとんど伸びず、仮に伸びたとしても、サイズ感に変化はないくらいの誤差の範囲です。

水に通したり、乾燥機にかけることで縮むケースもありますが、ドレスアイテムのジャケットやスラックスを縮むほど水洗いすることも少ないはずです。

そのため、例えば肩幅やウエストがきついジャケット、ウエストがきついスラックスなどを、しばらく着ていたら布生地が自分のサイズに伸びてくれるかと言えば、残念ながらNOだと思います。

とはいっても、縫い合わせている糸が緩んで、わずかにサイズが大きくなって体に馴染んでくれるという話も聞きます。

私がテーラーの人に教えてもらった話では、これはあくまで手縫いの場合に当てはまる話で、ミシンで塗っている箇所は縫い目ががっちりホールドされているので、糸が緩むということは無いようです。

しかし仮に手縫い箇所が多少は伸びてくれるにしても、数ミリ程度が限度で、サイズ感が変わるほどの変化は生まれないと私は考えます。

これらを踏まえると、ニットやジャージ素材を除いて、手持ちの服のサイズ感が気になったらすぐにお直し屋さんに持っていって問題ないと思います。

レザーは伸びる

例外として、すぐにはお直し屋さんには持っていかない方が良いケースが、レザーのアイテムです。

なぜなら、ご存じの通り、レザーは伸びるからです。革靴でも、最初はきつくても段々緩くなってくるという話はよくあります。

レザーのジャケットについて言えば、肩や背中、ひじ部分は、1年も着ていれば多少は伸びてくれます。

逆にウエストの太さなどは、変わりません。

それは、レザーのジャケットを着ていて、動くときにテンションがかかっていると感じる部分が伸びるためです。

肩や背中やひじは、あらゆる動作で動かしますが、ウエストは、ジャケットの前を閉じたまま座った時くらいしかテンションがかかりません。ウエストにテンションをかけ続けても、ボタンが取れるかジッパーが壊れるのが先です。

実際に私はスエードのテーラードジャケットを3か月ほど前に中古で買ったのですが、毎日のように家でも外でも着ています。

ヘンテコな格好ですが部屋着はリアルにこれです

肩と背中がややきつく、買った当初は背中にツキジワと呼ばれる、横にピンと張ったシワが出ていましたが、しばらく着ていると、多少伸びたような気がします。

ビフォー
アフター

まだまだ誤差の範囲ですが、もうしばらく着て、どのくらい馴染んでくれるか見てみようと思っています。

シワで縮むケース

今度は、伸びるのではなく縮むケースです。

ジャケットの袖丈と、スラックスの裾丈を短くしたい時だけは、すぐにはお直し屋さんには持っていかない方が良いです。

それはシワという登場人物がいるからです。

ひじとひざには、着ているとシワが寄ります。

ひじのシワは、ジャケットの袖丈を少しだけ短くしてくれます。

ひざのシワは、スラックスの裾丈を少しだけ短くしてくれます。

なので、シワの無い状態で、少し長いな、と感じる場合は、買ってからすぐにお直しに持っていくことはせず、最低でも1日は着てみて、どのくらいの丈になるか確かめてからの方が良いと思います。

理想を言えば、1日ではなく、1シーズン、1年となるべく長く着て、自分の中でお直しの必要性に確信が持ててからがベストです。

ウール素材より、植物系の、コットンやリネンなどの方がシワが入りやすいので、丈が縮む量も大きい傾向にあります。

ミスターリネンとしてリネンについて言うと、柔らかいリネンはシワが浅くしか入らないので丈はほぼ変わらず、硬いリネン(アイリッシュリネンなど)はシワが深く入るので丈が短くなりやすいです。

アイリッシュリネン

具体的な数字を言うと、硬いリネンは、シワが入っていない時から、シワが入ると5ミリ~1センチくらいは丈が短くなると私は感じます。

5ミリというのは、ほぼ誤差の範囲で、丈感の印象はほぼ変わらないくらいですが、小さくても変化は変化です。

柔らかいリネンは、1-5ミリ程度しか短くならないと思います。

まとめ

布生地は伸び縮みしないので、サイズ感が気になる場合はすぐにお直しに出して問題ない。

レザーアイテムは、比較的伸びることが多いので、1年は着て様子見した方が良い。

ジャケットの袖丈と、スラックスの裾丈だけは、シワで短くなる場合があるので、1シーズンは着て様子見した方が良い。

以上です。ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました