シャツの袖丈がまちまちなので、ジャケットの袖丈を決められない問題

お直し

こんにちは。ミスターリネンと申します。

先日、Atelier BERUNアトリエベルンさんでのオーダー体験、作品紹介を記事にまとめました。

「アトリエベルンのオーダー体験記」

写真を見ればお気づきの方もおられると思いますが、その時着ていたシャツ(既製品)と、オーダージャケットの袖丈が合いませんでした。

シャツの袖が若干(5mm~1cmくらい?)長すぎたのです。

プロであるアトリエベルンさんの採寸が間違っていたわけでは、もちろんありません。

私が採寸の際に着ていたシャツと、上の写真のシャツの袖丈が異なっていたためです。

もう少し袖丈が短い別のシャツを着れば、シャツの袖が長すぎることもなく、ジャストサイズでした。

既製品のシャツを着る場合、これは誰にでも起こりうる問題だと思います。

この問題をどう解決すればよいのか。

シャツの袖先のボタン位置を移動させて、袖の長さを調整する、というのが一般的に言われる話かもしれませんが、そこにはある落とし穴も潜んでいます。

シャツとジャケットの袖丈の合わせについて、私の考えを述べます。

手持ちのすべてのシャツの袖丈を統一させるのがベスト

既製品でも、一つのブランドのシャツしか着ない、という方は、買うサイズを決めてしまえば、手持ちのシャツの袖丈はすべて同じになります。

また、シャツはオーダー品しか着ない、という方も、手持ちのシャツの袖丈をすべて統一させることが可能です。

しかし、多くの人が、様々なブランドの既製品シャツを着ると思うし、人によってはオーダーシャツも作られると思います。

なので、手持ちのシャツの袖丈を統一させるのが難しいのです。

とはいっても、シャツの袖丈がバラバラでは、ジャケットをオーダーするにせよ、既製品ジャケットをお直しするにせよ、ジャケットの袖丈が決められませんよね。

その結果、私の場合のように、あるジャケットに合うシャツとそうでないシャツとが生まれてしまいます。

なので、何とかして、シャツの袖丈を統一させなければなりません。

最も手間とお金が掛からない方法は、手持ちのシャツの中で最も数が多いサイズのシャツの裄丈(=首の中心から袖の先までの長さ)に合わせ、それ以外のシャツの裄丈をいじくることです。

大抵のシャツブランドでは、裄丈の表記があるはずです。

最も数が多いシャツを基準とすれば、それ以外の長さの裄丈のシャツだけ、袖先のボタン位置をずらして、最も数が多いシャツと同じ裄丈の長さにすれば良いのです。(袖先の太さをきつくすると、丈は短くなり、緩くすると、丈は長くなる。)

私の例になりますが、日本のブランドである鎌倉シャツの、39(首回り)-87(裄丈)のシャツがワードローブの大半を占めています。

メルカリや古着屋で中古のシャツを買うこともあり、裄丈が90センチくらいあっても、87センチと同じくらいの丈に変えることは、袖先のボタンをきつい方にずらせばよいだけなので、簡単です。

逆に短すぎる場合は長くすることはできないので、買わない方が良いと思います。

このようにして、既製品でブランドが様々でも、シャツの袖丈をある程度統一させることができるのです。

ジャケットオーダーの際は、着ていくシャツが重要

私が今回オーダージャケットとシャツの袖丈が合わなかったのは、手持ちの大半を占める鎌倉シャツの裄丈と異なる、やや短めの裄丈のシャツを採寸時に着ていたのが最大の原因です。

前章で、袖先のボタン位置をずらせばよい、と偉そうに言っておきながら、そのシャツはずらしていなかったのです。

もう少し具体的に言うと、そのシャツは裄丈自体は長いのですが、袖先が非常に細く、手首の上の方で留まってしまっていました。

実際に着ていたのがこのシャツ。時計が見えることからわかるように、時計の入る隙間さえないくらい細い袖先でした。

袖先のボタンを、もう少し緩い方にずらしておくべきでした。

ずらしていなくても、「このシャツは自分のワードローブの中で例外的に短いシャツなので、ジャケットの袖丈は少し長めに作って下さい」と言うべきでした。

大きな落とし穴:「ジャケットの適切な袖丈は、シャツの袖丈ではなく、人の体で決まる」

ここまでは、スーツに詳しい方にとっては当たり前の話だったかもしれません。

しかし、私はある落とし穴に気が付いていませんでした。

それは、「ジャケットの適切な袖丈は、シャツの袖丈ではなく、人の体で決まる」ということ。

ジャケットの適正な袖丈は、手首を地面と平行に曲げた時、ジャケットの袖先が手の甲にわずかに触れるくらい、と言われています。

私の場合、裄丈87センチのシャツは、私の腕には若干長すぎたのです。

ちょうど手首と手の境目くらいにシャツの先が来る、86センチくらいが適正な袖丈だったのです。

シャツが長すぎるのに、それがワードローブの大半を占めているという理由で、87センチが正しいサイズだと決めつけてしまっていました。

これまでオーダー品も既製品も、ジャケットの袖丈は、87センチのシャツを基準に合うか合わないか考えて購入していました。

なので、ジャケットの袖丈も、私の体に最もふさわしい長さは、もう少し短めだったということになります。

アトリエベルンさんで作ってもらったジャケットの袖丈は、私のワードローブではなく、私の体に合わせて作られた適正丈だったのです。

その点を理解していなかったことと、手持ちのシャツの長さを伝えていなかったこと、それが反省点です。

ジャケットを直すか、シャツを直すか

私のケースでは、取るべき対応の選択肢は2つです。

1.私の体に合って作られたアトリエベルンさんのジャケットの袖丈に合うよう、手持ちのシャツをすべて、袖先のボタンをずらして、裄丈が短くなるようにする。

2.今回の私の体に合ったジャケットの袖丈を、お直しで少し長くしてもらう。

1.は、とても面倒ですが、自分でやれば無料でできます。しかし、そうすると、手持ちの他のジャケットの袖丈と、短くなったすべてのシャツの袖丈が合わなくなってしまいます。

そう考えると、多少はお金が掛かりますが、2.の対応が現実的なのかもしれません。

シャツやジャケットの袖丈は、好みで決めてよい?

その人の体に合った、適正な袖丈がある、と述べました。

それは事実だと思いますが、色んなおしゃれな人の着こなしを見てて思うことがあります。

それは、「皆シャツの丈がジャケットから少し覗いているのは共通だけど、シャツとジャケットの袖丈は、長めの人と短めの人がいる。」

ということです。

チャールズ英国王はやや長めな印象。恰幅が良いので、ジャケットの着丈も袖丈も、短いとスタイルが悪く見えてしまうので、やや長めな方がバランスが良いと思います。

こちらのお二人は適正丈か、やや短めな印象です。

これは私の勝手な予想ですが、袖丈は、シャツの袖がジャケットからちゃんと除いていれば、多少長くても短くてもどっちでも良い、と思います。

袖丈なんてどうでもよい?

シャツの袖がジャケットから覗いている、というのも、よく考えたらそもそも必要なことなのでしょうか?

確かに、クラシックのルール的には、覗いているべきと言われます。

それは、ジャケットの袖の汚れをシャツが防ぐという機能的な理由もあるし、ダークカラーのジャケットから、明るいカラーのシャツが除くことで、見た目にメリハリがついてバランスが良くなる、という見た目上の理由もあるようです。

しかしそんなことはどうでも良いような気もします。

クラシック界の重鎮、赤峰幸生さんの写真を拝見していると、ジャケットの袖丈が長めの時と短めの時とがあり、それに伴って、シャツの袖先が出ていたり、出ていなかったりしています。

写真に撮られた際の姿勢の問題で、たまたまシャツが隠れている、といったこともあるとは思いますが、ご本人もそこまで袖のことを意識していないのかもしれません。

細かいことばかり気にしている私より、多少崩れていても気にせず、ごく当たり前のようにスーツを着ている赤峰さんとでは、どちらが格好良いかは明白です。

まとめ

・自分の基準となるシャツのサイズを固定して、それに合わせてジャケットの袖丈を決めるのが良い。

・手持ちのシャツのサイズがバラバラな場合は、袖先のボタンをずらして、裄丈を統一させると良い。

・その人の体に合った適正な袖丈はあるが、袖丈の長め短めは、ある程度好みで決めてよい。

・でもジャケットの袖丈よりシャツの袖丈を若干長くするのは必須。

これが今回の記事のまとめになります。

私が個人的に最も学びになったのが、「ジャケットの適切な袖丈は、シャツの袖丈ではなく、人の体で決まる」ということです。

今後一生、鎌倉シャツの裄丈87センチ、というサイズを基準に、シャツ、ジャケットを買い続けていくのか、

これまで買ってきた服はすべて自分の適性丈より長かったと認めて、すべてお直しに出し、今後は少し短めの丈を購入していくのか。

難しい決断です。

同じような経験をされた方にとって、この記事が何か考えるヒントになっていれば幸いです。

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