こんにちは。ミスターリネンと申します。
今回は、私のお気に入りのコートへの愛を語らせてもらう回です。
SCYE BASICS(サイベーシックス)というブランドの、タイロッケンコートという種類のコートです。
今は生産終了している商品で、中古市場以外では手に入らないので、ほとんどの方にとって役に立たない内容かもしれませんが、
ブランド問わずタイロッケンコートの購入を検討されている方など、何かしらの参考になれば幸いです。
タイロッケンコートとは
タイロッケンコートとは何か。ご存じない方もおられるかもしれないので、お伝えしておきます。
簡単にいうと、トレンチコートをものすごく質素にしたコートです。
ボタンやエポレット(肩についている)を排除して、腰のベルトだけで留めます。
むしろトレンチコートより出来たのは先です。
そしてトレンチコートと同じく、元々は軍物です。
開発したのはバーバリーらしいです。
こちらの記事がとても参考になるので、より詳しく知りたい方はご覧ください。
「コート解体新書:第四回「タイロッケン」トレンチコートの生みの親」
合わせやすさ
スーツにもカジュアルにも合わせられるコートが欲しい。
かつ雨や雪でも気にせず着られる丈夫なコートが良い。
そう思ってコートを探していました。
候補としてトレンチコートを考えました。トレンチコートは格好良いですが、格好良すぎて、その人自身に風格がないと、コスプレ感が出てしまうリスクがあります。
少なくとも私には着こなせなさそうでした。
そう思っていたところ、タイロッケンコートの存在を知り、ピンときました。
スーツに合わせるにはコートがややカジュアルすぎるかもしれませんが、スーツに着ても問題はなさそうだし、カジュアルにも合うし、良いと思いました。
SCYE BASICSのタイロッケンコート
なるべく安く、本格的なタイロッケンコートが無いかと、新品でも中古でも探しましたが、中々見つかりません。
Comoliコモリのタイロッケンコートが有名ですが、少し今っぽいゆったりシルエットな気がして、カジュアル使いには良さそうだけど、スーツには合わなそうだと思いました。
ビンテージのモノも探せばあると思いますが、探すのが大変だし、多分高いです。
そう思って色々探していたら、ドンピシャなものを雑誌で見つけました。
それが、日本のブランド、SCYE BASICSサイベーシックスのタイロッケンコートです。
同ブランドのパタンナーの宮原さんという方が、自身がデザインしたタイロッケンコートについて語っている以下の記事を読み、感銘を受けました。
【こだわりだらけのロングコート】サイベーシックスの「タイロッケンコート」編
一部抜粋します。
「このコートは、1890年代に英国軍が採用していたタイロッケンコートをモチーフにしていますが、当時のものが一枚袖だったのに対し、こちらは三枚袖を採用しています。一枚袖は丸みのある肩が魅力ですが、脇の下で生地がダブつく一面もあります。その点、三枚袖は立体的に袖を構成できるので、スッキリとスマートに見せられるというわけです。その上で、袖山の位置や袖の切り返し線を工夫して、手を上げたり前に動かしたりした時にも窮屈さを感じさせない設計にしているのがサイならではの特徴ですね。
ちなみにシルエットは自然なAラインで、蹴り回しを広めに取ったクラシックスタイルです。加えてこちらの1着、美観だけでなく実用性にも大変優れています。
取り外し可能なライナーに加え、襟のウォーマーも取り外し可能な仕様にしています。
1940年代の世界大戦期に見られる仕様を踏襲したものですが、これにより着用シーンも広がるのもポイントです。襟もライニングも装着すれば真冬もOKだし、両方外せば春先にも着られますからね。それと、生地にも機能性が備わっています。イタリアのオルメテックス社が手掛けたコットン素材で、高密度に織り上げている為、防風性、耐水性に優れているのが特徴です。また、外からは見えない部分ですが、身頃に毛芯を仕込んでいるのもこだわりです。
現在のコートは接着芯が普通ですが、耐久性を考えるとやはり毛芯が好ましい。数十年後にビンテージとして古着屋に並ぶような服を作りたいと思っているので、長く着られる耐久性は僕にとってとても重要なんです。
バックルの金具は真鍮、ボタンはナット、裏地は綿麻と天然素材を厳選しました。もちろん全てサイのオリジナルです。細かいところにまで手をかけなければ、数十年後まで残っていかない、少しでも手抜きをしては、決して本物にはなれないんですよね。」
現行品ですが、ビンテージに負けない風格があり、ビンテージより機能的にもアップグレードしているという、私にとっては最高のバランスです。
覚悟はいりましたが、購入しました。
実際に着てみて
実際に来てみるとこんな感じです。
丈が長いのがお気に入りポイントの一つです。
サイズ40(L相当)で着丈は123センチ、私が着ると、膝下5−10センチくらいの位置になり、とてもクラシックな印象です。
生地はコットンですが、水を垂らしてもほぼ染み込まないくらいの高密度です。
ちなみに襟のウォーマーは雰囲気が出るので基本つけていますが、取り外しも可能です。
ベスト型のウール製ライナーも付属していましたが、一回もつけていません。重くなるし、暑がりなので真冬でも無しで行けます。
お風呂に突っ込んでしまった
実は、1シーズン着た後、お風呂に水を溜めてコートをぶっ込んでしまいました。
赤峰幸生さんの動画で、コートはパリパリの新品を着ていてはダサいから、味を出すためにお風呂に突っ込んだことがあるという話を聞いて、やってみたんです。
そしたらもうどうしようもないくらいにシワシワになってしまって、元の生地がハリがあって硬めなので、一生このシワは取れないんじゃないかとものすごく焦りました。
スチームアイロンや普通のプレスアイロンを何日もかけ続けてたら、なんとか気にならない程度にはなりましたが、耐水性も落ちてしまったような気もして、ちょっと後悔しています。
写真を取り忘れてしまったのが残念です。
まとめ
どうでも良い私物自慢に付き合っていただきありがとうございました。
残念ながら、サイベーシックスは現在はタイロッケンコートの生産を行っていないようです。
でも、似たようなコートは新品でも古着でも見つかると思うので、タイロッケンコート、ビンテージ好きな方にはぜひおすすめしたいです。
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