スエードのシングルモンクが、富裕層以外の男性にとって最良の靴である理由

クラシックのルール研究

こんにちは。ミスターリネンと申します。

今回は、革靴が好きだけど、そんなに沢山革靴を買うお金はない、仮に沢山買うとしても、靴磨きが面倒だと思う方に向けて、私なりの提案をさせていただきます。

結論は、スエードのシングルモンクストラップの靴を持つ、ということなのですが、その理由を以下でご説明します。

革靴をいっぱい持つのは不可能

クラシックがお好きな方は、必ず革靴もお好きなことと存じます。

特に好きな方は、毎月のように新たな革靴を買い、夜な夜なウイスキーでも飲みながら靴を眺めては悦に入り、週末には靴磨き大会を行っておられるかもしれません。

しかし、私は大きな疑問があるのです。

靴を買うお金と、保管する場所と、靴のケアをする気力と時間がどこにあるのか。

服や靴のプロの方、もしくはお金持ちの方ならまだ分かります。

プロの方は、靴を買って靴のことを知るのも仕事の一つだと思うし、

お金に余裕がある方は、いくらでも買えて、保管する十分な場所もあり、ケアを外注することだって可能だからです。

そうではなく、私のような平均的な日本のサラリーマン男性が、1足10万近くはする革靴を頻繁に買うお金は普通は無いだろうし、

靴磨きが趣味の方は別ですが、普通は靴磨きって面倒だと思いますし、週末が靴磨きだけで終わってしまうのではないかと。

現実的なのは、多くても10-15足くらいを持つことだと思います。

私は現在、9足の革靴を所有しています。

靴好きの方からしたら全然少ない方だと思いますが、私なりに中古をうまく活用しながらコツコツ買い集めてきました。

保管場所の点からも、これ以上増えると、私の狭い家では無理です。

ケアについては、全然好きではありません。

持っている革靴はどれも我が子のように大切ですが、正直靴磨きは面倒です。

履いた後のブラッシングは欠かしませんが、良く履く靴は月に1度くらいの靴磨き、たまにしか履かない靴は、3か月くらい放置してしまうこともあります。

鏡面磨きなどにもあまり関心が無く、汚れ落とし→クリームを指で塗り込む→ブラッシングで馴染ませる→ストッキングで仕上げる、で終わりにしています。

スエードは超便利

ご存じの方も多いと思いますが、表革=スムースレザーではなく、裏革=スエードの革靴は、ケアが楽です。

なぜなら、基本的にはブラッシングだけで済むからです。

私の場合、普段のブラッシングに加え、数か月に一回、スエード用栄養スプレーをかけます。

スエードも、スムースレザーと同じ革なので、乾燥してしまうと良くないため、最低限の保湿は必要だと思うからです。

それ以外は、履く日は晴れの日でも朝に防水スプレーをかけ、1日履いたらブラッシングをするだけです。

左:ただの防水 右:防水+栄養(保湿)

防水スプレーは、晴れの日は通常は不要ですが、私はおしっこの跳ねを以上に気にする潔癖症なので、欠かさずかけます。

参考記事

「おしっこが付いた靴ヒモ、触れますか?」

おしっこだけでなく、雨の日には防水スプレーをかければ、完全に雨をはじいてくれます。

防水スプレーは起毛したスエードの靴と相性抜群です。

今日は雨だから革靴を履けない、などという心配も、スエードの靴ならしなくてよいのです。

スエードの靴は、タキシードなどのフォーマルシーンでは合わせられませんが、普通のスーツスタイルには全く問題ありません。

それに、スムースレザーよりはややカジュアルな印象になるので、スーツだけでなく、ジャケパンやカジュアルスタイルの服装にも合います。

私にはタキシードを着る機会など皆無なので、革靴はすべてスエードでいいのでは、とさえ思います。

モンクストラップは最強の汎用靴

素材の話をしましたが、次は形、デザインです。

革靴には、ストレートチップ、パンチドキャップトゥ、コインローファー、タッセルローファー、その他多数、数えきれないくらいのデザインがあります。

紐あり靴=フォーマル、紐なし靴=カジュアル、というのが基本ルールです。

なので、スーツには紐あり靴を合わせるのが、クラシックのルール的には正しいです。

しかし、例外があります。

それが、モンクストラップシューズです。

シングルモンク、ダブルモンクとありますが、ベルトで締めるデザインの靴です。

シングルモンク
ダブルモンク

タキシードにはNGだけど、フォーマル度合いが十分に高く、クラシックなスーツにも合わせて問題ないと、故落合正勝氏は述べています。

クラシックなデザインではありますが、カジュアルにも合わせることができます。

高円寺のセレクトショップ、Bon  Viuex(ボンビュー)の大島拓身さんのこの動画が非常に参考になるのですが、シングルモンクの靴は、履き口の広さにもよるけど、スーツにも、カジュアルにもいける、とわかる動画です。

スーツにもカジュアルにもいける靴、という点では、紐あり靴の中でも、ブローグという穴飾りが施された、どフォーマルより若干カジュアルに寄った靴もあります。

しかし、おしっこの話ばかりで恐縮ですが、おしっこのついた靴紐をなるべく触りたくない私は、紐なし靴しか履きたくないのです。

この章をまとめると、シングルモンクは、汎用性、ローファーに近い楽さの点から、最強のデザインだと私は考えます。

スエードのシングルモンク、どのブランドが良い?

ここまでで、スエードのシングルモンクの革靴さえあれば、ほとんどすべてのシーンで対応可能ということが分かりました。

スエードのシングルモンクの革靴を出しているブランドは数多くあります。

ブランドによってデザインも当然異なります。

代表的な違いで言うと、

・木型(靴のシルエット)

・金具の色、形(金か銀か、大きいか小さいか)

・履き口の広さ(バンプ=甲とつま先を覆う部分の広さ、と反比例)

の3つです。

ある程度細身で、金具も控え目、履き口が狭めだと、比較的フォーマルな印象。

太くなればなるほど、金具が大きくなるほど、履き口が広くなるほど、カジュアルに近づきます。

大島さんの動画では、それらのバランスが良く、フォーマルでもカジュアルでも使えるシングルモンクとして、ジャコメッティのモデルをお勧めされていました。

まとめ

ここまでで、スエードのシングルモンクの靴がどれだけ便利かをお話いたしました。

極論を言えば、タキシードを着る機会のない人であれば、黒と茶色のスエードのシングルモンクの2足だけあれば、365日対応可能、と言えます。

しかし、それだけではさすがに足りないですよね。

色んなコーディネートに合わせるには、形も色も素材も、もっとバリエーションが必要ですよね。

この記事は、服や靴のプロでもなく、富豪でもない、靴磨きも面倒、けどおしゃれは楽しみたいという方のために書きました。

1足でカバーできる範囲の広さで言えば、スエードのシングルモンクの革靴は最強である、というのが私の考えです。

お持ちでない方は、購入されてみてはいかがでしょうか?

などと偉そうに言いながら、私はダークブラウンの1足しか持っていないので、ブラックのスエードのシングルモンク、具体的にはジャコメッティ製のもの、買おうか迷っています。

新品でほぼ10万円。クオリティの割には安いみたいですが、簡単には手が出せません。

中古で良い出会いがあるまで辛抱するしかなさそうです。

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