こんにちは。ミスターリネンと申します。
時計には、昔ながらの機械式(手巻き式 or 自動巻き式)と、電気の力で動く電池式(クウォーツ式)時計があります。
時計好きな方のほとんどは、クウォーツ式ではなく機械式が好きな場合が多いと思います。
そして、機械式の方が、販売価格も、リセールバリューも高くなることがほとんどです。
では時計を選ぶ時、クウォーツ式を選ぶメリットはないのか。
クウォーツ式は時計としての価値が低いのか。
週末だけヴィンテージ時計店でアルバイトしている私なりの考えを紹介します。
目次
機械式の方が時計としての価値が高い
クウォーツ式時計は、残念ながらリセールバリューが低いです。
時計としての価値が低い、と言いかえても間違いではありません。
あくまで比較上の話、全く同じ外観で、中身が機械式かクウォーツ式か、で比べたら、の話です。
その証拠に、ヴィンテージ時計の入門的ポジションである、カルティエのマストタンクシリーズ。
以下の記事で詳細に紹介しています。
中古市場では、全く同じ外観で、中身が機械式とクウォーツ式の両方を見つけることができます。
(分厚さや裏蓋の刻印が若干違うくらいで、ぱっと見は全く同じ)
その場合、機械式の方が、クウォーツ式より5-10万円高いことが多いです。
もし将来的にその時計を売ることを考えているなら、機械式の方が売却価格は上がります。
クウォーツ式の方が販売価格が低い理由
機械式とクウォーツ式とで値段に差があるのにはちゃんと理由があり、時計という物を作るのに、機械式の方が、クウォーツ式より手間がかかる=人件費がかかるので、新品時の販売価格が高くなるからです。
販売時の価格が高いなら、それがヴィンテージとなり中古市場に入ってきても、その差は埋まりません。
クウォーツ式のメリット:維持費が安い
時計を買っても、車と同じで維持費がかかります。
維持費の観点では、クウォーツ式に軍配が上がります。
マストタンクについての記事で詳しく計算したので、ここでは結果だけ述べますが、今購入して50年使うとすると、機械式は30万円、クウォーツ式は25万円の維持費がかかります。
ということは、将来的に売ることを一切考えていないなら、また時計の中身は特にこだわらない、という方なら、クウォーツ式の方が良いと言えます。
見た目は一緒で、購入価格も維持費も安く、毎日巻いてあげないと止まってしまう、という心配も不要で、メリットが多いです。
欲しい時計がクウォーツ式しかなかったら
カルティエのマストタンクシリーズは、同じ見た目で機械式とクウォーツ式と両方が存在しますが、そのような例はごくまれです。
ヴィンテージ時計を見た目から選ぶのであれば、機械式か電池式かの選択肢は普通はありません。
気に入った見た目の時計が、クウォーツ式だった場合、買うべきか否か。
この答えは、前章の通り、将来的に売ることを一切考えていないなら、また時計の中身は特にこだわらない、という方なら、買いです。
誰かと身に着けている時計の話になったとして、その時計が機械式かクウォーツ式か、という質問が来たとします。
相手が私のような、狭い視野で物事を見る人間であれば、クウォーツ式と言ったら少し小ばかにしてくるかもしれません。そういう奴は、時計を見ただけで中身を判別してくることもあります。
(見分け方は意外と簡単なことで、秒針が、チクタクと、動いては止まって、の繰り返しだとクウォーツ式、すーっと、秒針が止まらずに動くと、機械式、というのが基本法則です。)
でも、そんな奴はなかなかいません。
自分がその時計の見た目が好きであれば、それで問題なしなのです。
将来的にクウォーツ式が嫌になってしまうリスク
売ることを考えていない、中身もこだわらないなら、クウォーツ式で何の問題も無い、と述べました。
その通りなのですが、人の考え方というのは、変わる可能性があります。
一生愛すると誓った相手のことも、いつも間にか飽きてしまう、などというのは、古今東西、ありふれた話です。
時計の中身など興味ない、見た目が好きだからよい、とその時は思っていても、機械式時計への興味が次第に増していき、クウォーツ式では満足できなくなってしまうかもしれません。
たらればの話をしても意味がないので、私の実体験をお話します。
こちらのマストタンク。数年前に、赤い文字盤に惚れて購入しました。
中身はクウォーツ式です。機械式も市場には存在しましたが、見た目が同じなら、安い方がいいに決まってる、と思いクウォーツ式を買いました。
数年たった今、この時計のことを、残念ながら愛しきれていません。もう何年か持って、売ろうと考えています。
それは、ケースが金無垢ではなく金メッキだから、というのが最大の理由です。クウォーツ式だから、というわけではありません。
でもどうせ売ることになるなら、高く売れる機械式にしておけばよかった、と思っています。
まとめ
あくまで私の一例のご紹介でした。
もし、欲しいと思った時計が、クウォーツ式だった場合。
今回お話した、クウォーツ式時計のメリット、時計としての価値、一生愛せるかどうかの確信、といった観点が、皆様の決断の補助になれば幸いです。
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