リネンスーツ、作る前に生地を水洗いしてみる

お直し・ケア

こんにちは。

ミスターリネンと申します。

今回は、オーダースーツを注文する際、生地を一回水洗いしてから工場に送る、ということをやってみた話です。

水洗いはしたい、でも縮みが怖い

私は潔癖症で汗や尿が気になり、スーツは水洗いをどうしてもしたい人間なのですが、生地が傷んだりヨレヨレになるのは嫌だと考えています。

リネンは水に強い素材なので、水洗いが比較的容易で、気兼ねなく着られるスーツとしてリネンスーツを愛しています。

こちらはリネンではなくウールのスラックスですが、このように水洗いしても良いし、洗濯機のドライコースで洗っても問題ないと考えています。

しかし、いくらリネンでも、洗い方、干し方に気を付けないと、水洗いで縮んでしまうというリスクがあります。

シャツであれば、水洗いで縮むことを想定し、多少大きめに作っておき(大きめのサイズの既製品を買い)、何度か洗ってちょうど良くなるようにすることが可能、というより一般的です。

一方でジャケットは、構造がシャツ以上に複雑で、かつシャツほどはガシガシ洗えないので、狙ったほど縮むかは読めませんし、縦と横で縮み度合も変わるかもしれません。

なので単純に全体の寸法を均等に~㎝大きく作っておけば良い、ということにはなりません。

また、ジャケットを水洗いすることは一般的ではないので、テーラー側にもどのくらい大きめに作っておけばよいかという知見が蓄積されているのか分かりません。

また、買ってからすぐに洗うわけでもないので、大きめに作ってしまうと、せっかく買ったのにしばらくは体にフィットしていない状況で着なければなりません。

体にフィットさせるため、汚れてもないのに意味もなく水洗いをし、生地がよれてしまったり、思いのほか縮みすぎてきつくなってしまう、というバカみたいな状況になりかねません。

パンツはジャケットほどは話はややこしくないかもしれませんが、ジャケットと同じように、少し大きめに作っておけばよい、ということにはなりません。

シャツは事前に水通しするのが一般的

シャツは、モノによって様々だと思いますが、生地に一度水を通して、少し縮んだ状態で裁断、縫製をする、という場合があります。

少なくとも私が勤めるSARTOでは、シャツオーダーの際、工場で一度生地の水通しを行っています。

(水通し=洗うのではなく水につけるだけ。)

むしろ水通しする方が、世の中のシャツ作りにおいては一般的なのかもしれません。

防縮加工の有無

そこで私は思いました。

スーツもシャツ同様、裁断する前に生地を水通ししてしまえば良いのでは?と。

話は飛びますが、次の春夏に向けて、リネンのジャケットとリネンのスーツを新しくオーダーしました。

ジャケットは、以下記事で紹介した、フレンチリネンのメゾンエラールというブランドの生地で、

パンツは、アイリッシュリネンの定番、スペンスブライソンの生地です。

色はミディアムグレー、生地の種類はTropicalです。

先に生地を注文し、その後に縫製工場に送るという流れなのですが、縫製工場に送る前に、自分で生地に水通ししてしまおうと考えました。

ジャケットの生地は、メゾンエラールのものと述べましたが、生地名に「sanforized=防縮加工された」とあります。

縮まないのなら水通しする必要がないかと思いましたが、自己判断は危険です。

メゾンエラールのHPの問い合わせフォームから、「~な理由で生地を水通ししようと思っているが、問題ないですか?」と質問しました。

すると、なんとオーナーのネイサン・エラールさんから返事が来ました。

「購入してくれてありがとう。テーラーによっては水通しというものをするが、私たちのリネンは防縮加工済みなので必要ないと思う。むしろ、おすすめしないよ。」

とても丁寧な返事で、しかもご本人からということで、感激してしまいました。(スタッフの方がオーナーの名前で問い合わせ対応している、という可能性も否定できませんが、私は信じることにします。)

ということで、本家本元のアドバイスならば、水通しはしないことにします。

水通ししてみる

パンツ用の生地に話を移します。

スペンスブライソンの生地については、水通しや防縮加工がしてあるのか分かりません。

また問い合わせしても良いですが、生地を見た感じパリッとしているので、何もしていないだろうと自己判断し、水通しの体験もしてみたいので、やってみることにしました。

仮に水通しや防縮加工がしてあったとしても、水通ししたところで、縮まないので意味の無い水通しをしただけで、何か問題が起きるわけでもありません。

私が実践したのはごく普通のやり方で、洗濯ネットに入れ、洗濯機のドライコースで洗うだけです。

メゾンエラールのエラールさんは、一般的な水通しのやり方もメールで教えてくれていて、「洗う」のではなく「水に浸す」だけ、と言われていました。

しかし、水に浸すだけだと、脱水が無いので干すのが大変です。ベランダもろくにない私の自宅では、びしょびしょになった生地を干して、室内に水がぽたぽた垂れるのは困ります。

洗濯機のドライコースを使えば、洗いは最弱の力で生地を傷めず、軽く脱水もしてくれるで何も問題ないと判断しました。

水に浸すだけの場合、洗剤を入れない方が良いと思いますが、万が一生乾き臭がしても嫌ですし、リネンは丈夫なので多少洗剤残りがあったとしても生地が傷むこともないだろうと判断し、おしゃれ着用洗剤(エマール)を適正量の半分くらい、ほんのわずかに入れました。

洗濯が終わり、このように広げて干します。

多少のシワはありますが、縫製工場に送る時に畳んでどうせシワができるでしょうし、縫製工場でプレスはしてくれるので問題ありません。

リネンなので、下からサーキュレーターを当てていると数分で以下のようになり、1時間程度で全体的に乾いてしまいました。

ちなみに、私の自宅では部屋に長い突っ張り棒を設置しているので広げて干すことが出来ましたが、突っ張り棒が無い場合は、テーブルの上に広げたりしても良いと思います。

洗濯ばさみでつまんで干すのは、特にヘビーなリネンではおススメしません。重さでつまんだ部分だけ伸びてしまい、いくらアイロンでプレスしても真っすぐにならない可能性があります。

最後に

ということで、今回は何の苦労もなく水通しができたので、今後リネンのアイテムを注文し、自分で生地を手元に置いておける場合は、防縮加工がされていない限り自分で生地を洗おうと思います。

もしこの記事を読んでくれた方で、同じように水通しをしようと思われる方がいらっしゃっても、テーラー側に「生地を洗ってから作って欲しいので、生地を買って一度私に預けてほしい」という要望は伝えづらいですよね。

テーラー側が水通しをしてくれれば良いですが、それも通常メニューには無いでしょうし、伝えにくいと思います。

生地の持ち込みが可能なテーラーであれば、自分で生地をどこかから入手して水洗いしてから持ち込めば良いですが。

ちなみにSARTOでは、生地の持ち込みも受けています。

もしどこかで生地を入手された方がいらっしゃれば、一度水通しした上で持ってきていただいても構いません。

もしくは、自分で生地を入手するのではなく、バンチから選んで生地を発注する普通のやり方でも、私で良ければ、自宅に持ち帰って責任をもって生地の水通しはやりますので相談していただいても大丈夫です。

ちなみに私は、リネンだけでなくカシミヤの生地も水通ししてみました。

リネンよりは難しかったですが、普通に出来ました。カシミヤの場合はジャケットになってから自分で水洗いする勇気はないので、水通しした意味は無いのですが。笑

以上です。

ありがとうございました。

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