最もクラシックなラペル幅、何センチ?

クラシックのルール研究

こんにちは。ミスターリネンと申します。

今回は、ジャケットの顔であるラペル(下襟、襟が折り返った部分)部分の太さについての研究です。

ご存じの通り、世の中には細いものから太いものまで、幅広く存在し、時代、流行の影響を特に受けやすい箇所です。

このブログの考え方は、「クラシック」です。

流行に左右されない、変わないスタイルを目指しています。

ぶれない男が格好良い、という理由もありますが、そんな理由より、買った服が流行を理由に着られなくなるのがとてももったいないと思うから、クラシックが好きです。

20代の時に買った服が、60代になっても着ていられるのが理想です。絶対に元が取れます。

今回の記事では、最も平凡で、クラシックなラペル幅の太さを研究します。

ラペル幅の測り方

ラペル幅と言っても、それが具体的にどこを差しているのか、人によって解釈が異なることがあります。

ラペルの頂点から、地面と平行に線を伸ばし、ラペルが終わる部分までの長さなのか、

ラペルの線に沿ってラペルの頂点まで直角に伸ばした線の長さなのか。

同じジャケットでも、その解釈によって長さが変わってきてしまいます。

上記の測り方、どちらが正しい、というのは無いようです。

なので、ラペル幅の話をするときは、どこの長さを差しているのか明確にしなければなりません。

シングルとダブルでの違い

また、ジャケットは、シングルブレストとダブルブレストに分かれますが、シングルより、ダブルの方がやや太い方が、バランスが良いようです。

ダブルの方が重厚感がある印象になるので、ラペルも太い方が合うのでしょう。

具体的な長さ

ラペル幅の測り方が複数存在してしまう為、具体的に~センチ、と数字で話をするのは、注意が必要です。

測り方によって、5ミリくらいは差が生まれますが、ラペル幅の印象は、5ミリでも大きく異なるからです。

故落合正勝氏は著書中で、シングルの場合のクラシックなラペル幅は、9~10センチ、と書かれていました。

アトリエベルンの竹内大途さんは、8.5~9.5センチ、と書かれています。

たかがラペル、されどラペル | Atelier BERUN

測り方による差を考慮すると、クラシックなラペル幅は、8.0~10.5センチ、と少し範囲を広めに理解しても良いかもしれません。がやはり、数字で表すのはあまり得策ではない気がします。

体型による差

前章で参照した2人とも、長さに一定の幅を持たせているのは、人の体型にも個人差があるからだと思います。

身長、肩幅、顔の大きさ等により、バランスが良い長さが異なるということです。

バランスの良いラペル幅に最も大きな影響を与えると私が思うのが、胸幅との関係です。

胸幅が広いなら、ラペル幅も広めにした方が、バランスが取りやすいです。

胸幅の中間がクラシック

胸幅なんて言葉があるのか分かりませんが、具体的にどこの長さかというと、

ラペルの始まり~ラペルの頂点を通り~腕に到達するまでの長さです。(地面と平行に)

このジャケットの胸幅は、15.5センチです

シングルに限った話ですが、胸幅の中間~やや狭いくらいが、クラシックな方たちが実践している場合が多いように感じます。

現代(2024年)では、胸幅の中間~やや広いくらいが流行しているように感じます。

また、英国よりイタリアの方が、若干ラペル幅が広めな傾向があるようにも感じます。

最もクラシックな幅は?と聞かれると、私には正解は分かりませんが、太くも細くもない、胸幅の中間が最も無難ではないかと思います。

なぜなら、ちょうど中間であれば、狭いな、広いな、どちらの印象も与えず、最も人の目に違和感を感じさせにくいからです。

人の顔面と同じで、人は左右対称を美しいと感じ、どちらかにゆがむと違和感を感じますよね。

ダブルに関しては、それよりもやや広いということは、胸幅の中間を少し超えるくらい、がベストということになります。

まとめ

シングルの場合、胸幅のちょうど中間が最もクラシック(ダブルはそれよりもやや広め)というのが、私なりの結論です。

ところでクラシック界の重鎮、赤峰幸生さんは、ご存じの方も多いかも知れませんが、ラペル幅が比較的広いスタイルをお持ちです。私が拝見する限り、胸幅の中間より広いジャケットを着られています。

The Rakeさんより拝借https://therakejapan.com/special/a-lifetime-in-style/

では赤峰さんはクラシックから外れているのでしょうか?確かにそうと言えるのかも知れません。

でも、赤峰さんのように、クラシックのすべてを理解し、自分のスタイルを確立されている方であれば、格好良く着こなせるのだと思います。

仮に私が、赤峰さんと同じ広めのラペル幅のジャケットを着たら、頑張っておしゃれしてる感、誰かのスタイルをマネしている感、のようなものが出ると思います。

まだ、広いラペル幅が自分のものになっていないからです。

私の場合は、自分のスタイルというものをこれから作っていきたいと思っているので、最も無難な、胸幅の中間を実践していきたいと思っています。

手持ちのダブルのジャケットは、かなりラペル幅が広く、モノとしては格好良いと思いますが、まだ着こなせていません。これから何十年も着続け、広いラペル幅も、上手に乗りこなせるようになりたいです。

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