こんにちは。ミスターリネンと申します。
ジャケパンスタイルの時、どのようなジャケットを着られていますでしょうか?
スーツの上着をそのままジャケパンスタイルで使うのはNG、とはよく聞きますが、具体的に、どのようなジャケットであればジャケパンスタイルで使えるのでしょうか?
生地、柄、ボタン、シルエット(カチッとしているか、丸みを帯びた柔らかい形か)等、様々な要素がありますが、今回考えたいのは、ポケットについてです。
具体的に言うと、ジャケパンスタイルにおいて、パッチポケットのジャケットはどうか、というテーマです。
パッチポケットとは
ジャケットのポケットの種類は、ジャケットの生地に穴を開けるか否かで、大きく2つに分けられます。
ジャケットの生地に穴を開けるタイプは、ジャケットの中にポケットが埋まっているような形になります。
言葉で説明すると分かりにくいですが、このタイプです。
フラップと呼ばれる蓋が付く場合もあれば、付かない場合もありますが、蓋の有無は小さな違いとして今回は気にしないことにします。
もう一つのタイプが、ジャケットの生地に穴を開けず、外側にポケットを貼り付けるタイプです。
これが、パッチポケットと呼ばれるものになります。
こちらも同様に、フラップと呼ばれる蓋が付く場合とそうでない場合があります。
パッチポケットが与える印象
パッチポケットの方が、普通のポケット(生地に穴を開けるタイプ)に比べて、カジュアルな印象を与えます。
実際に、現在市場で売られている単品使い用のジャケットの多くが、パッチポケット仕様になっています。
ジャケパンスタイル自体がスーツよりはカジュアルな存在なので、パッチポケットが相性が良いのは納得がいきます。
逆に、上下揃いのスーツとして売られているジャケットはほぼすべて、普通のポケット仕様になっています。
ドレッシーな存在であるスーツには、パッチポケットではなく、普通のポケットの方が相性が良いからです。
相性が良いというよりは、普通のポケットでないと、ちゃんとしたスーツとしてみなされない、とさえ言えると思います。
繰り返しになりますが、パッチポケットも、普通のポケットも、フラップ(蓋)はアリナシ両方ありますが、フラップの有無は今回は無視します。フラップありの方が、無しよりは若干カジュアルに寄ると思いますが。
例外として、リネンやコットン、ツイードなどの生地の上下揃いのスーツでは、パッチポケットの場合があります。
スーツではありますが、生地がカジュアルな印象なので、パッチポケットと相性が良いのは納得です。
パッチポケットのスーツであれば、上だけを単品ジャケットとして使うこともできます。
ウールのスラックスと合わせてきれい目なジャケパンスタイルにしても良いし、デニムやチノパンに合わせてカジュアル目なジャケパンスタイルも出来ちゃいます。
上で載せた写真でも、ズボンをデニムに取り換えても成立すると私は思います。
単品ジャケットは、パッチポケットでなければならない?
スーツ=普通のポケット
ジャケパン=パッチポケット
という公式が頭にこびりついてしまった私は、こう考えてしまいました。
「ジャケパン用の単品ジャケットは、パッチポケット仕様でなければならない。」
そして、インスタなどで、ジャケパンスタイルで、普通のポケットのジャケットを着ている人を見ると、「この人はわかってないな」とさえ思ってしまっていました。
それが、大間違いであることに、最近になって気が付いたのです。
「ジャケパン用の単品ジャケットは、パッチポケット仕様でなければならない。」
などというルールは無かったのです。
「ジャケパン用の単品ジャケットは、パッチポケットでも良い。」
が正しく、パッチポケットでも良いけど、普通のポケットでも、何の問題も無かったのです。
アトリエベルンの竹内さんとの会話の中で、それに気づかせてもらいました。
参考記事
その勘違いに気が付いてからは、ウェルドレッサーと呼ばれる多くの人が、ジャケパンスタイルで、普通のポケットも、パッチポケットも、両方を使い分けていることに気が付きました。
これは私の予想ですが、ジャケパンスタイルで、ジャケットのポケットを普通のタイプにするか、パッチポケットにするかは、あくまで好みの問題でしかないと思います。
ジャケットの生地によって、形によって、時代によって、もしくは国によって、傾向はあるかもしれませんが、守らなければいけないルールではないと思います。
(パッチポケットはイギリスよりイタリア系の方が好まれる傾向にある気もしますが、どうでしょうか)
私物紹介(パッチポケット多め)
前章で述べた勘違いに気が付いたのがごく最近であり、これまではパッチポケットを好み、パッチポケットばかりを選んできました。
それは、スーツを着なければならない機会が多くなく、あくまで自分が好きでジャケットを羽織ることが多く、ジャケパンスタイルがメインなので、ジャケパン使いしやすいのはパッチポケットだと思っていたからです。
これらの写真の中で、普通のポケットなのは、グレーのダブルのスーツのみです。フランネル素材です。
大好きなリネンスーツ、ジャケットは、すべてパッチポケットです。
でも次にリネンスーツを作る時は、普通のポケットにしてみようと思います。
アトリエベルンさんでジャケパンをオーダーし、完成したこちらのジャケットは、普通のポケットです。(フラップ付き)
間違いを指摘してもらえなければ、確実にパッチポケットにしてもらっていたと思うので、自分の考えを修正してくれた思い出の詰まったジャケットです。
参考記事
ネイビーブレザー
最後に、ネイビーブレザーについて考えます。
ネイビーブレザーと言えば、メタルボタンがついたものであり、上下セットで着られることはなく、ジャケパンスタイル専用のアイテムです。
市場を見てみると、やはりパッチポケットが多い印象ですが、普通のポケットのタイプも見かけます。
その場合、大抵はフラップが付いています。
ブレザー発祥の地であるイギリスの長、チャールズ国王を見てみると、普通のポケット仕様で、フラップも無しでしょうか。(しまっているだけの可能性もあります)
チャールズ国王を正として、ブレザーは普通のポケット、フラップも無しであるべき!と言うことも出来ると思いますが、ブレザーについても、他のジャケット同様、ポケットは好みの問題、と言う方が正確だと思います。
まとめ
長々と述べましたが、今回の記事の結論は、
「単品ジャケットのポケットは、何でもよい。」
ジャケパンスタイルという、ややカジュアル寄りのスタイルの中でも、きちっと感を出したい場合は普通のポケット。
よりカジュアル感を出したい場合はパッチポケット。
フラップの有無は好み。
となります。
私はこう理解していますが、もし勘違いしている箇所等ありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
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