おしっこが付いた靴ヒモ、触れますか?

クラシックのルール研究

皆様は、スーツスタイルにどんな革靴を履かれますでしょうか?

私が言うまでもないですが、フォーマルな場面であればストレートチップがベスト、ビジネスであれば少し穴飾り(ブローグ)が入ったものも問題ないと言われます。

現代ではローファーも一般的になってきてはいますが、クラシックを追求するのであれば、やはり紐靴です。

紐を結ぶという行為=手間をかけることで、相手への敬意を表することになる、と故落合正勝氏が著書の中で言われていました。

ネクタイを結ぶのも、同じ理由でクラシックなスーツスタイルには必須とのことです。

その事実を知ったうえで、私は紐靴を一切履きません。

クラシックを追求し、クラシックを分かった男になりたいと思っているのにも関わらずです。

ただのルール破りのアホなのかもしれませんが、一応自分なりの理由があるのです。

とても個人的な話になってしまいますが、その理由と、有効な対策をご紹介させてください。

靴紐は菌だらけ

自分なりの理由、と冒頭に書きましたが、それは潔癖症です。

靴紐が汚いものに思えてしまい、どうしても触りたくないのです。

靴は地面に最も近いところにあり、ほこり、雨、街のゴミなど、様々なものが付きやすい環境にいます。

それらは別に良いのですが、問題は、「おしっこ」です。

汚い話で大変恐縮です。

男性ならわかっていただけると思いますが、公衆トイレで立小便をすると、必ず跳ね返り攻撃がきます。

長ズボンだと気づきにくいですが、半ズボンだとよーく分かります。

特にすね毛が生えていると、跳ね返った尿の細かいしぶきが、すね毛の一本一本に飛び乗ってきているのを感じませんか?

ということは、当然靴にもかかってきているわけです。

革靴にシミができるほどの大きな水しぶきではないので、目視では気づかないですが、しっかりと革靴本体と紐に吸収されています。

靴紐を結ぶ機会は多い

靴磨きが好きな紳士の皆様でも、さすがに履くたびに毎回磨き、靴紐まで洗う方はいないと思います。

朝、家を出る時に靴紐を結び、そのまま手を洗わずにふとした時に鼻をかいたり、目をこすったりするのが、私には耐えられないのです。

私もいろいろ試してみました。

玄関に除菌ウェットティッシュを置き、靴紐を結んだ後に手を拭いてから家を出る。

靴紐を結んでから玄関の近くの洗面台まで土足で歩いて、手を洗う。

土足で踏んだ床は、帰ってから拭き掃除する。

ウェットティッシュ作戦はなかなか良いのですが、問題は外で靴を脱ぐ時です。

日本で生きていれば、靴を脱ぐ機会は多いです。座敷の料理屋、友人の家、靴屋で試着する、等々。

ウェットティッシュを持ち歩き、毎回手を拭くのは面倒だし、荷物になる。

それに、潔癖症をこじらせると、ウェットティッシュで拭くのは不十分に感じ、結局トイレを探して石鹸で手を洗うまで、スマホや顔を触れない。鞄の取っ手も汚したくないから、小指で持つ。

私の性格が異常なだけですが、紐のある靴はどうしても自分には合わないのです。

ローファー万歳

そんな人間なので、当然のようにローファーを愛用しています。

上述の問題がすべて解決します。

靴滑り(シューホーン?)を使って履くのが正しいですが、履きなれた革靴なら、ノーハンド履きも出来ます。

脱ぐときは踵を軽く触る必要がありますが、指一本だけ使えば脱げます。

カジュアルな格好やジャケパンスタイルであれば、ローファーはバッチリはまります。

クラシックのルール的にも、問題ありません。

(そもそもカジュアルな格好、ジャケパンスタイルがクラシックなのか、という話はおいておきます。)

参考記事

「クラシックの定義をはっきりさせたい」

スーツの時はどうする

ただし、問題はスーツを着る時です。

スーツにローファーを合わせるのも、現代では受け入れられてきてはいますが、人によってはNGと考えます。

誰かから、けしからんと思われるくらいなら、私は気にしません。

しかし、クラシックのルール的にNGとなると、どうしても気になってしまいます。

ローファーの中でも、紐飾りのついたタッセルローファーなら、スーツに合わせるのもOKという意見があります。

履き口が広めで、カジュアル要素が強めなタッセルローファー
裾幅広めのズボンで靴を隠すスタイルが好きです

私も賛成です。

ただ、普段の仕事ではなく、何かのパーティーなど、フォーマル度合いが高めの場面では、タッセルローファーであっても、さすがにローファーを履く勇気が私にはありません。

そこで登場するのが、モンクストラップの革靴です。

モンクストラップとは、ベルトのような留め具が付いたこのような靴のことです。

このベルトを留めたり外したりするときに触らないといけないではないか!

と思った方、その通りです。

ですが、流通している多くのモンクストラップの革靴のベルトの内側には、ゴムがついており、ベルトを外さなくてもゴムを伸ばせば簡単に履けるようになっています。

ノーハンドで履くのは難しいですが、指一本か二本あれば脱ぎ履きができます。

ストレートチップよりはフォーマル度合いは下がりますが、クラシックなスーツスタイルにモンクストラップを合わせても問題ないと言われています。

タキシードには合わせられないけど、スリーピースのスーツなら、合わせても問題がないはずです。

実際に、落合正勝氏の著書にも記載があります。

「クラシックなスタイルを試みるとき、紐なし靴をコーディネートできる唯一の例外は、モンクストラップ・スタイルである。」

恐らく、モンクストラップも紐同様に、留める(結ぶ)という行為が必要になるから、という理由です。

なので、ゴム付きのモンクストラップはきっとクラシック的にNGですが、バレないので良しと勝手に思うことにします。

ダブルモンクストラップはダメ?

モンクストラップの中でも、シングルモンクとダブルモンクの2種類に分かれます。

シングルモンク
ダブルモンク

どちらもフォーマルではあるのですが、クラシック界の重鎮、赤峰幸生さんが、ダブルモンク嫌いのようで、動画などでも良く、ダブルモンクは「ダブルに文句」と言われてます。

尊敬する赤峰さんがそう言っているのを聞いてしまうと、影響を受けてしまい、私もダブルモンクに抵抗を持つようになってしまいました。

なので、ダブルモンクもクラシックのルール的には問題ないはずですが、私は持っていません。

私のモンクストラップ

私が持っているのは、この2足だけです。

(左)オールデンのコードバン素材、カラーはバーガンディ。色が濃くなりほぼ茶色です。

(右)チャーチのスエード素材、カラーはダークブラウン。

どちらも表革のカーフ素材ではないので、フォーマル度合はやや下がります。さらに、カラーも黒ではないので、冠婚葬祭にピッタリ、とは全く言えません。

でも、今の私のライフスタイルにはこれで十分です。

春~秋はほぼリネンスーツしか着ず、真冬はフランネル素材のスーツを着ます。

つるっとしたウール素材の上品なスーツはほぼ着ないので、コードバンやスエードなどの素材で事足ります。

黒のモンクストラップも買いたい、と思いつつ、まだ買えていません。

まとめ

今回の記事をまとめます。

靴紐には尿を含む様々な汚れがついてしまう。

ローファーはとても便利だが、フォーマル度合いが下がる。

そこで登場するのが、モンクストラップ。

タキシードくらいフォーマルな場面でなければ、問題なく合わせられる。

私のような異常潔癖症でなくても、靴紐を結ぶ手間から解放してくれるモンクストラップ、ぜひおすすめしたいです。

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