こんにちは。ミスターリネンと申します。
今回は、ジャケットの中に着るドレスシャツの身幅の研究をします。
シャツの身幅は、体にフィットしているタイトめか、体のラインが分からないくらいの緩めか、どちらがよりクラシックなのでしょうか。
私の良くない癖で、「ほどほど」が良い、という結論を出してしまいがちです。
そんなのは当たり前なわけで、なるべく具体的に、偏りすぎくらいの結論を出せるように努めます。
目次
日本ではドレスシャツはインナーとは限らない
まず前提の確認ですが、今回考えるシャツは、ジャケットのインナーに着るドレスシャツです。
キューバシャツやアロハシャツなど、裾をズボンから出す前提の、ボックスシルエットのシャツは除いています。
「シャツはインナーだから、ジャケットを脱いで人にシャツ姿を見せることは決してあってはならない。」
クラシックを突き詰めるとこうなると思いますが、日本で生きていれば、シャツ一枚姿になることはしょっちゅうありますよね。
なので、ジャケットを脱いでシャツ姿になることもあるという想定で、身幅のサイズ感を考えます。
身幅の太い細いは、タックインした時に差が出る
加えて確認したいのが、身幅の太い細いは、クラシックの範疇内での話です。
タイトめと言う時、筋肉を強調するような、ピチピチのサイズ感は決してクラシックとは呼べません。
目安としては、乳首の形が浮き出たらNG、くらいでしょうか。
その反対で緩めも、極端に緩いのは、ただサイズが合っていないだけの、だらしない人になってしまいます。
ズボンの中にシャツをしまったとき(タックインしたとき)に、シャツがピチピチでない限り、多少のシワが縦に出来ます。
そのシワを後ろに寄せたり、サイドに寄せたりしても、シャツ一枚姿になった時に隠すことはできません。
シャツをズボンに入れる際は、シャツを少しズボンから引き出して、ふんわりさせてズボンの上に載せる、ブラウジングと呼ばれる行為があった方が良いと言われます。
そのブラウジングのためには、多少ウエストにゆとりがないとダメなのですが、あまりにゆとりがありすぎると、この写真のように、中に綿あめが入っているようなふくらみが出来てしまいます。
私にはこのふくらみがどうしても気になります。
ピチピチではないけどタイトめなシャツであれば、ふくらみは出来ず、軽くシワが寄るくらいで、エレガントな印象になると思います。
ウエスト部分だけでなく、胸囲も緩すぎると、ジャケットを羽織った時、余った布が胸のあたりでくしゃくしゃになり、あまりエレガントに見えません。
ここまでをまとめると、程よくタイトめの方が、見た目の印象上良い、ということになります。
体型による差
その人の体型によっても話は大きく変わります。
痩せ型とがっちり体型とでは、痩せ型の人の方が不利です。
なぜなら、タイトめのシャツを着ると、体の細さが際立ち、貧相に見えやすいからです。
たとえ緩めのシャツを着ても、結局はタックインするので、縦のシワができるしウエストの細さも際立つし、タックインに向かない体型と言えます。
反対に胸やウエストががっちりめの人は、困らないと思います。
タイトめのシャツを着れば、タックインしてもシワは出来ないし、貧相な印象にもならないからです。
市販のシャツ
市販のシャツを買う場合、レギュラーフィット、タイトフィットと2種類のサイズ感で展開しているブランドが多くあります。
痩せ型の人は、レギュラーフィットを着ると、縦のシワが寄りすぎる、綿あめのふくらみが出来る可能性が高いので、タイトフィットが合うことが多いです。
体の細さが際立ってしまいますが、シワよりはマシです。
がっちり体型の人は、レギュラーフィットでも良いし、タイトフィットでもピチピチになりすぎないならアリだと思います。
注意点が、タイトフィットの多くが、ウエスト部分にダーツと呼ばれる、細工が入っています。
このダーツを嫌うスーツ好きの人は多いと思います。
シャツをフルオーダーし、型紙を自分に合ったもので作成するなら、ダーツは入りません。
既成の型紙のまま、微調整でウエストを細くするための処理がダーツなので、既製品感というか、安物感を抱かれかねないからです。(型紙などと言いましたが、シャツを自分で作ったこともないので、間違っていたらすみません)
クラシックなのはどっち?
タイトめの方が良いというスタンスで話を進めてきましたが、タイトめはクラシックと言えるのでしょうか?
チャールズ英国王やウィンザー公のシャツ姿をネットで探しましたが、全く見つかりません。さすがはヨーロッパ、シャツが下着というのが常識なので、下着姿を人に見せないから写真もないということでしょうか。
日本に目を向けて、クラシック界の重鎮赤峰幸生さんの写真を見ると、ピチピチということは全くないけど、どちらかと言えばタイトめと感じました。
Men’s-EXさんの記事で他に紹介されていた、LES LESTONの鏡陽介さんも、どちらかと言えばタイトめです。赤峰さんより少しタイトめでしょうか。
お二人とも、極端に痩せ型でもないので、タイトめでとても格好良く、クラシックに見えます。
まとめ:英国王室御用達のシャツブランドから考える
英国王室御用達のターンブル・アッサーというシャツブランドのHPを見てみると、レギュラーフィットとタイトフィットの展開があります。呼び方は、レギュラーフィットとテイラードフィットでした。
Tailored Fit Cream Cotton Shirt | Turnbull & Asser (turnbullandasser.co.uk)
日本で言うタイトフィットを、英国王室御用達のシャツブランドが、テイラード(仕立て、オーダー)フィットと呼んでいる事実が、ある程度体にフィットしたタイトめ=クラシックということを裏付けていると、私は思います。
本来のクラシックスーツはオーダーであり、そこでは体にフィットするタイトめのシャツが求められる、ということなのでしょう。
ということで、今回の結論は、
「クラシックなドレスシャツは、ピチピチになりすぎない程度に体にフィットしたタイトめである。」
となります。
それにしても、ターンブル・アッサーのシャツ、既製品で5万円以上とは、恐ろしいですね。
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