デニムの裾上げは、ここの長さに注意!

お直し

こんにちは。ミスターリネンと申します。

何と呼ぶのか分かりませんが、裾の先からステッチまでのここの長さ(冒頭の写真をご覧ください)。

デニムの裾上げの時に、とても重要なポイントとなると私は思っています。

ここの長さによって、何が変わるのか。

具体的に何ミリが良いのか。

今回はそれについて研究したい思います。

チェーンステッチについて

まず本題に入る前に、チェーンステッチについてご説明します。

ご存じの方は読み飛ばしてください。

チェーンステッチとは、縫い方の1つの種類で、生地の表から見ると普通に見えますが、生地の裏を見ると、文字通りチェーン(鎖)のようになっています。

ヴィンテージデニムが好きな方は、チェーンステッチを好まれる方が多いと思います。

チェーンステッチの何が良いかと言えば、洗いを繰り返すと出るアタリと呼ばれる色落ちが、普通のステッチと比べて、格好良くなるところです。

具体的に言うと、チェーンステッチだと、アタリが斜めに入ります。普通のステッチだと、アタリはまっすぐになります。

左:チェーンステッチ、右:普通のステッチ

斜めの何が格好良いのかと聞かれると分かりません。でも斜めが格好良いと言われています。

私自身、斜めが格好良いと洗脳されているだけな可能性も十分にありますが、斜めの方がなぜか格好良く感じるのです。

この斜めのアタリを出すには、もっと深いポイントがあり、それが、どのミシンを使うか、です。

チェーンステッチはどのミシンでも出来るわけではないですが、チェーンステッチが出来るミシンは沢山あります。車の自動運転機能のようなものです。

しかし、古いミシン、具体的にはUNION SPECIAL 43200G、という名前の、今でいうヴィンテージデニムが現行品として作られていた時代に、(多分)実際に使われていたミシンが、斜めのアタリを出すには最適と言われているみたいです。

この2つの裾を見比べてみてください。

どちらもチェーンステッチではありますが、ブルーの方はアタリが斜めなのに対し、ブラックの方はまっすぐ垂直です。

ブルーの方が、上述したUNION SPECIAL 43200Gミシンで裾上げしたもので、ブラックの方は、街のお直し屋で、UNION SPECIAL 43200Gではないミシンでチェーンステッチで裾上げしたものです。

両方ともチェーンステッチではあるが、アタリの出方に差がある

チェーンステッチなら何でも良い、というわけではないことが証明されています。

裾の先からステッチまでの長さで何が変わるか

次に、裾の先からステッチまでの長さで何がどう変わるかです。

変わるのは、斜めのアタリの幅(細かさ)です。

裾の先からステッチまでの長さが長いほどアタリの幅は大きく(広く)なり、裾の先からステッチまでの長さが短いほど、アタリの幅が小さく(細かく)なります。

以下は、全く同じモデルの、リーバイス503Bというデニムを、裾の先からステッチまでの長さが10ミリと8ミリで裾上げをした比較です。

左:10ミリ、右:8ミリ

同じ会社に依頼しており、使っているミシンも全く同じUNION SPECIAL 43200Gです。

10ミリの方がアタリが広く、8ミリの方がアタリが細かくなっていますね。

どちらが良い悪いというのは無く、あくまで好みの問題ですが、私は8ミリの細かい方が好みです。

10ミリが最大幅で、それ以上長くなると、アタリが入りにくくなるので、おすすめできません。

参考記事

「【安くて穴場?】リーバイス503Bのススメ」

どこに依頼すればよいか

実際に裾上げは、どこのお直し屋さんに依頼すれば良いのでしょうか?

条件は、UNION SPECIAL 43200Gのミシンを持っているところです。

条件を満たすお店は都内にもいくつもあると思いますが、私が依頼したのは、滋賀県にあるFORTYNINER’Sさんです。

理由は、デニム裾上げへのこだわりを感じたのと、料金が安かった、郵送対応もしていた、からです。

以下が修理依頼のページですが、送料込みで1000円台で依頼が出来ます。(長さによって料金は変わる)

ユニオンスペシャル チェーンステッチ 裾上げ UNION SPECIAL 43200G 【3cm超CUT】 – 【FORTYNINERS】 AMERICAN CLOTHING SHOP

実際に私は何度も依頼しており、対応も親切でしたし、何より仕上がりがバッチリです。

早くアタリを出すには

リジット(のりが付いている)状態の新品デニムを買う場合は気にする必要が無いですが、中古のデニムを買う場合、裾上げをすると、デニム全体は色落ちが進んでアタリも出ているのに、裾の先だけアタリが無くて、中古品を買って裾上げしたのが丸わかり、という状態になります。

それでも何度も洗っていればだんだんとアタリが入ってくるのですが、毎日デニムを洗うわけにもいかない、けどどうにかして早くアタリを出したい。

という場合、おすすめの方法があります。

単純ですが、裾だけを洗うのです。

裾の先だけ水につけ、手でぎゅっと絞って干して終わりです。

これを1週間毎日やれば、かなりアタリは出ます。

場合によっては生乾き臭がしてくるので、3回に1回くらいは洗剤をつけてやると良いかも知れません。

ブルーデニム以外も注意

デニムと言っても、ブルーデニム、ブラックデニム、ホワイトデニム、そのほかカラーデニムがありますが、元の色が濃いほど、裾のアタリが目立つので、ちゃんとチェーンステッチで裾上げしているか否かの違いが分かりやすいです。

ホワイトデニムは反対に、目立ちにくいです。

最近中古でデッドストックのホワイトデニムを買ったのですが、ホワイトでアタリは目立たないだろうし、早くは履きたかったので、FORTYNINER’Sさんには送らずに近所のお直し屋さんに出して、妥協しました。

チェーンステッチにもせず、裾の先からステッチまでの長さも特に希望はせずお任せにしました。

結果、仕上がりはこうなりました。

裾の先からステッチまでの長さが15ミリ、かつチェーンステッチでもないので、洗ってもアタリがほぼ出ないし、見た目も何となくのっぺりしている気がします。15ミリだからでしょうか。

とにかく、非常に違和感があり、気に入ることが出来ないのです。

FORTYNINER’Sさんに修理依頼をするのもまたお金と時間は掛かるし、しばらく手元からなくなるし、とは思いましたが、どうしても気になるので依頼することにします。

早く履きたいという焦りで妥協したせいで、無駄な時間と、1500円程度ですが無駄なお金を使い、後悔することになりました。

まとめ

デニムの裾上げの私のおすすめは、

チェーンステッチ、かつUNION SPECIAL 43200Gというミシンを使う

裾の先からステッチまでの長さは8ミリ

多分最安なのは、滋賀県にあるFORTYNINER’Sさん

以上です。

ありがとうございました。

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