こんにちは。
ミスターリネンと申します。
ジャケットのゴージライン(上衿と下衿の境目)の角度とシャツの襟の角度、揃っている方がバランスが良い、というのは、スーツ好きの常識、なのでしょうか。
そもそもゴージラインとシャツ襟の角度は揃えるべきなのか。
揃えるなら、何を基準に両者の角度を決めるべきなのか。
今回の記事で検討します。
角度がずれるとどうしても気になる
そもそも、クラシックのルール的には、ジャケットのゴージラインとシャツの襟の角度は、合ってるべきなのかどうか、私には分かりません。
恐らく、「冠婚葬祭では紐靴」というようなルール的なものではなく、「スラックスの股上は深い方がエレガント」、というような、ルールというよりは個人の好みの問題に過ぎない話だと思います。
先日DORSOさんにてオーダーしたスリーピースが完成し、試着した際、ジャケットのゴージラインと、着ていたシャツ(鎌倉シャツの既成品)の襟の角度が、少しずれていることに気が付きました。

写真の赤い2本の線にご注目ください。それぞれの線の角度がやや異なり、ゴージラインの方が急、シャツの襟の方が緩やかになっています。
単純に、ジャケットとシャツとの相性の問題で、どちらの角度が正しく、どちらが間違っているという話ではありません。
ゴージラインとシャツ襟の角度について、私は今まで気にしていなかった、というより、たまたま、これまで買ってきたジャケットのゴージラインとシャツの襟が、それぞれ同じ角度だったために、気にせずに済んでいました。

私は鎌倉シャツの既成品ドレスシャツをメインに、時々海外ブランドの既製品ドレスシャツを着ているのですが、そのほとんどがワイドスプレッドかセミワイドスプレッドの襟です。
これまでのジャケットは、どちらかと言えばやや開き気味のゴージラインだったため、鎌倉シャツのスプレッド(ワイドとセミワイド両方)と相性が良かったのです。
DORSOさんのジャケットのゴージラインは、それに比べてやや閉じ気味です。
そのため両者の角度が合わなかったわけです。
DORSOさんのインスタグラムを見ると、ジャケットとぴったり同じくらいの角度のシャツを合わせていて、バランスが良いです。

実際に、私のスーツを、DORSOさんのオリジナルシャツと合わせた以下の写真では、角度がぴったり一致しています。

ジャケットのゴージラインとシャツ襟の角度が違っても、自分以外誰も気にしないと思いますが、自分としては気が付いてしまった以上、気になるので、対策を考えなければなりません。
ジャケットを取るか、シャツを取るか
恐らくベストな解は、着るジャケットに合わせて、シャツをそれぞれ所有することです。
つまり、私の場合は、DORSOスーツ用に新たにシャツを買う必要があります。
今回のスーツに関しては、それで解決ですが、今後ジャケットをオーダーしていく際、また同じゴージラインの角度であれば、今まで着ていたシャツ(私の場合、鎌倉シャツの既成品)が使えなくなってしまいます。
かといって、手持ちのシャツを活かしたいからと、テーラーにゴージラインの角度の希望を伝えるのは、テーラーのスタイルを否定しているようにもなり、気が進みません。
それに私は、DORSOさんのやや下がり気味(閉じ気味)のこの角度が好きなので、角度を変えて欲しいとも思いません。
そう考えると、今後もDORSOさんでオーダーを続けるとすると、鎌倉シャツのシャツは、他の襟型は別として、スプレッド(ワイドとセミワイド両方)については、出番が減っていくことになります。
要するに、ジャケットを取るか、シャツを取るかです。
私はDORSOさんに今後もお願いしようと思っているので、ジャケットを取ります。
鎌倉シャツは諦め、値段は上がるけどシャツをオーダーするしかないと思っています。(既製品で襟の角度がDORSOゴージと合い、鎌倉シャツのようにサイズ展開が豊富なブランドを知りません。)
1つのブランドに絞るのが理想
理想は、ワードローブの中のジャケットもシャツも全て同じブランドで、ゴージラインとシャツの襟の角度が全て同じになることですね。
が、自分の店でも持たない限り、そんなことは普通は出来ません。
私はテーラーについてはもう他のところに行くのはやめようと思っていますが、常にオーダー品しか買わないという経済的余裕はないので、古着市場を漁ってジャケットやシャツを購入する可能性もあります。
古着で買う場合は、ジャケットのゴージラインにしろシャツの襟にしろ、角度が他の手持ちアイテムと同じであれば理想ですが、なかなかそうはいきません。
服好きの性として、常に何か新しいアイテムが欲しいと思ってしまいますが、色んなブランドの色んなものを買っても、そのアイテムに合わせてまた別のアイテムが必要、となり、無駄にモノが増えていってばかばかしい気がします。
私の場合、安く新しいアイテムが買えるからと古着市場を漁るのはやめ(ジャケットやシャツに関しては)、ちょっとずつにはなってしまうけど、オーダーに絞ろうかと思っています。
実はゴージラインとシャツ襟の角度はずれていてもクラシック?
最後に、今回の記事の内容すべてをひっくり返すようなことをお伝えします。
これらの写真を見てください。


チャールズ英国王ですが、ジャケットのゴージラインに対し、シャツの襟の方が大きく開いています。
特に帽子をかぶっている方は、完全に角度がずれています。
ピークドラペル(ラペルの先端が上に尖っているタイプ)だからかと思いきや、ノッチドラペル(尖っていないタイプ)でもやや角度がずれています。

角度が合っていた方がクラシック度合いは高い、と考えていた私にとっては、やや衝撃でした。
天下の英国王室で、このような着こなしがされているということは、そもそもクラシックのルール的には、ジャケットのゴージラインとシャツの襟の角度は、合っている必要はないのかもしれません。
たった数枚の写真を見ただけでそう判断するのは安易だと思うので、詳しい方がおられたらぜひコメント等で教えていただけると幸いです。
今回はゴージラインとシャツの襟の角度の話でしたが、スーツにおいて、こういった細かい話はキリがありませんよね。
細かい所ばかり気にするのは、日本人の特徴で、欧米の人はそんな所まで気にしていないのかもしれません。でも、そういう所が日本のものづくりのレベルの高さの土台となっているのでしょうか。
分かったように偉そうに述べてすみません。
以上です。
お読みいただきありがとうございました。
コメント
こんばんは。
いつも拝見させてもらってます。
私もクラシックファッションを学んでいる若造(20代後半)です。
雑談と思っていただけると幸いです。
DORSOのジャケットですが確かにゴージラインの角度は急ですが、一方でラペルは市販スーツと比べると広めに取られていると思います。
この場合ゴージラインに合わせてセミワイド〜レギュラーカラーのシャツを使用してしまうと合わせるタイの選択肢が限られてしまうと思います。
というのも厚いタイだとカラーが浮いてしまってエレガントではないからです。
本記事に引用されています齋藤様のブラウンのジャケットにネイビーのタイを合わせている写真ですが個人的にはタイが細いと感じてしまいます。
別にルールという訳ではないですがエレガンスを考慮するとラペル幅とタイの幅はなるべく合わせたほうがいいというのが私の考えです。
そしてこの考えから幅広のタイでなおかつレギュラー〜セミワイドの狭いVゾーンに合わせるとなると幅広かつ厚みのあまり無いスフォデラータのタイの組み合わせがいいかもしれません。
もし後日齋藤様にお会いされるのでしたらシャツとタイのマッチングついて直接お話されると良いと思います。
結局は全体のバランスなのでどこかを変えると違う所が気になってくるというのがクラシックスタイルの難しいところ(かつ金のかかるところ)だと思っています。
はじめまして。コメントありがとうございます。
ネクタイの厚さという視点は私にはなかったので、とても参考になります。
スフォデラータという名前を初めて聞きましたが、裏地の無いタイのことなんですね。
おっしゃるように、ネクタイによってシャツのカラーが浮いてしまうことがあると感じていたので、おかげさまでシャツとタイのマッチングについて理解が深まりました。
齋藤さんにも後日話してみようと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
Mr.Linenさん
ご返信ありがとうございます。
先程、齋藤様のインスタグラムを見てきました。
タイは、アットヴァンヌッチを好んで締めていらっしゃるようです。スフォデラータも作っている所です。
ノットはシングルノットでボリュームを抑えつつ、程よいテンションとディンプルにより全体的に柔らかさを感じます。
Vゾーンは狭くなるほど堅実で保守的なイメージを持ちますが、ゴージラインとシャツのカラーの曲線で緩和され美しいです。
非常にエレガントだと思います。
特に、シングルのジャケットスタイルがいいですね。
シャツのカラーステイは取っていると思います。
スフォデラータのタイですが、自分も何本か持っていますが芯地はちゃんと入ってるのでボリュームが不足するということはありません。
私は仕事では5000円前後のアウトレット等で入手したタイを締めていますが、休日にはリラックスした雰囲気が欲しいので最近はこれしか手を出していません。
ジャケットの仕立ての柔らかさに合わせてタイとシャツの仕立ても変えるとエレガントで素敵だと思っています。