こんにちは。ミスターリネンと申します。
「革のダイヤモンド」などともいわれる、コードバン。
その通称も納得がいくような、美しい光沢を放ちますよね。
デニム×コードバン靴は、鉄板の組み合わせで、ワイルドかつ上品な足元が出来上がります。
革靴は、艶があるほどドレッシー、というのが基本ですが、コードバンの靴(の艶)は、スーツに合うと思いますか?
コードバンの靴はスーツに合わせても良いのか。合わせられるとしたら条件はあるのか。
私の考えも大いに入ってはしまいますが、なるべく一般的なクラシックのルールに照らし合わせて、客観的に検証したいと思います。
コードバンはあくまでカジュアルな革
ドレッシーな革靴の素材と言えば、艶のあるカーフが代表です。
カーフとは生後6か月以内の牛のことを指すそうですが、人間の肌と同じで、若ければ若いほどキメが細かくて上品な革になるようです。
黒のストレートチップという、最もドレッシーな靴に使われるのも、ほとんどがカーフだと思います。
分かりやすい分類として、カーフはドレッシー、それ以外の革はすべてカジュアル、という線引きがあります。
(エナメルは例外)
カーフスエード、クロコダイル、コードバン、オーストリッチ(ダチョウ)、どれも、カーフと比べたらカジュアルな革になります。殺生をイメージさせやすいからでしょうか。
いくら100万円のクロコダイルの靴であったとしても、量販店の1万円のカーフのストレートチップの方がドレッシー、と考えると面白いです。
とはいえ、スーツに合わせる靴は、必ずしもカーフでなければならない、というわけではないですよね。
クラシック界の重鎮赤峰幸生さんや、鴨志田康人さんも、良くスエードの靴をスーツに合わせているのを見ます。
クロコダイルやそのほかの革となると、中々見かけませんが、以下の記事では、鴨志田さんはクロコダイル靴を履かれていました。
鴨志田さんが表現する、’80年代NYトラッド的スーツスタイルとは?【Pitti 100】 | MEN’S EX ONLINE |
お二方とも、少しカジュアル寄りなスーツではありますが、カーフ以外の革靴をタイドアップしたスーツに合わせることも可能だということが分かります。
しかし、コードバンの靴を、タイドアップしたスーツに合わせている例は見つかりませんでした。
やはり、コードバンの靴は、あくまでもカジュアルだと言えそうです。
デニム、リネン、フランネル。コードバンに最も合うのは?
コードバンの靴がカジュアルな存在だとして、どんな服装に合うのか。
最も合うのは、デニムだと私は思います。
ブルーデニム、ホワイトデニム、ブラックデニム、どんな色であっても、デニムの凸凹した感じの表情と、鈍くも美しい光沢のコードバンは、武骨さという意味で共通点があり、合うのだと思います。
デニムと同じように凸凹感のあるリネンはどうでしょうか。
デニムとリネンで、確かに表面の感じは似ていますが、コードバンに合わせると、悪くはないけどベストではない、と思います。
リネンは、武骨さよりはナチュラルさ、上品さ、軽さの方が強く、武骨で、革も分厚いコードバンとは、70点くらいの相性です。
軽い印象のリネンには、軽い印象の靴の方が合うのではないでしょうか。
フランネルはどうでしょうか。
フランネルは、起毛感があり、重厚感もあり、武骨さはないけれど、リネンのように軽い印象はありません。
そう考えると、フランネルとは相性は良い方です。
実際に合わせてみると、私の意見では、悪くないと思います。
フランネルと同じく、ツイードやコーデュロイなども、重厚感があるので、コードバンとは相性は良いと思います。
つまり、コードバンの靴に合う生地は、武骨さや重厚感を持った生地、と言えそうです。
そういった生地で出来たスーツであれば、コードバンの靴を合わせてもおかしくないと思います。
ただ、どうしてもコードバンというだけでカジュアルな印象になるので、タイドアップするよりは、セットアップとして、中にニットを着用するなど、あくまでカジュアルなコーディネートの方が相性が良いと思います。
靴の種類による違い
コードバンの靴、と一口に言っても、紐靴、ローファー、モンクストラップ、など、様々な形があります。
紐靴で、形もストレートチップであれば、スーツにも合わせられなくはないですが、コードバンのローファーになると、いくらフランネルやツイード生地であっても、靴がカジュアル過ぎて、タイドアップするスタイルにはイマイチだと思います。
私はコインローファーとシングルモンクストラップの2足を所有していますが、紐靴は持っていません。
ちなみに両方とも同じバーガンディの色です。
コインローファーの方は、カジュアルさが強いので、デニム専用と言ってもいいくらい、デニム以外には合いにくいです。
シングルモンクストラップの方は、形が割と細長いので、スーツにも合わせやすいです。
逆にデニムには合わないと思っています。
色による違い
私の場合はバーガンディの色しか持っていませんが、ブラック、ウイスキー(ライトブラウン)、などいろんな色があります。
カーフだと、ブラックになればかなりドレッシーな印象が強まりますが、コードバンの場合は、ブラックでもカジュアルさがあまり消えないと思います。
なので、コードバンについては何色でも、使用用途、汎用性はあまり変わらないと思います。
まとめ
コードバンはあくまでカジュアルな革。靴の形、色が何であっても、コードバンの靴はカジュアルな印象になる。
一番コードバンに合う素材は、デニム。両者が武骨な印象を共通して持っているから。
スーツにコードバンの靴を合わせるなら、ツイード、フランネル、コーデュロイなどの重厚系の生地のスーツが合う。
というのが今回の記事のまとめになります。
以上です。ありがとうございました。
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