シャツのボタン、厚い=高級?

クラシックのルール研究

こんにちは。ミスターリネンと申します。

ドレスシャツのボタン、高級なシャツとそうでないシャツとでは、どう違うのでしょうか?

明確な基準としてしばしば挙げられるのが、貝ボタンか、プラスチックボタンか。

貝ボタンの方が当然、プラスチックボタンよりコストがかかります。

高級なシャツには、ほぼ100%と言ってよいほど、貝ボタンが使われています。

貝ボタンが良いという前提はあるとして、貝ボタンの厚さは、厚いのと薄いの、どちらが良いのでしょうか?

厚い方が高級?

私が聞いたことがあるのは、「厚い貝ボタンは、(厚い貝殻が)中々取れないから高級である。」

という説です。

確かに正しそうな気がします。

殻が薄い貝は、すぐに割れてしまう弱い貝というイメージです。

中々割れない分厚い殻を持った貝は、良い餌を食べていて丈夫な貝であり、そういう貝から作るボタンの方が、質が高そうですよね。

実際に、クラシックかつ高級と言われるブランドで、シャツのボタンがとても分厚いものがあります。

私は1万円以上するシャツは高いと感じるので、鎌倉シャツをメインに愛用していますが、一部、古着で買ったものがメインではありますが、高級と呼ばれるシャツを買ったことがあります。

例えば、こちら。ラルフローレンのパープルレーベルのシャツです。

イタリア製で、リネン100%です。

同レーベルのHPを見ると、近しいリネンのシャツで定価約9万円、、、恐ろしいです。

確かに、高いだけあって、高級感はあります。(が、正直着ていても着心地の違いは感じません、、、)

ボタンを見てみると、かなり分厚いです。

測ってみると、ラルフローレンが3ミリ、鎌倉シャツが2ミリでした。

厚いボタンは、実は質が悪い?

私が一方的に師とする、故落合正勝氏の著書に、こんな記載がありました。

「真珠貝の厚さは一般的には、上質シャツの証とされるが、厚い理由は、クラシックなシャツスタイルが確立したとき、貝ボタンを薄く加工する技術がなかっただけのことである。

したがって、ボタンが厚いことイコールクラシックなシャツにはなりえない。真珠貝の厚さは、クラシックに回帰したいがための一つのトレンドであり、高級感を出すためのブランドの手段にすぎない。トレンドとブランドは、直接にはクラシックとは何の関係もない。」

なぬ、、、

さすがは落合氏の毒舌、と思いつつ、びっくりするような内容です。

でも、読んで納得感もありませんか?

これが正しいとするなら、話が真逆になります。

厚い=高級、薄い=質悪い

と思っていたのが、

厚い=質悪い、薄い=高級

となります。

どちらが正しいのでしょうか。

私の考えは、こうです。

厚くても、薄くても、高級になりうる。です。

もう少し正確に言うなら、厚い貝は高級と考えてまず間違いないが、薄い貝は高級なものも、そうでないものもある。ということです。

比較的安価なシャツで、厚い貝ボタンは、私は見たことがありません。

逆に高価なシャツは、厚い貝ボタンのこともあれば、薄い貝ボタンのこともあります。

一定以上の価格のシャツになると、厚いか薄いかは、好みの問題でしかない、ということになります。

クラシックなのはどちら?

シャツの貝ボタンは、厚くても薄くてもどちらでも良い、というのがここまで見てきた仮結論です。

では、クラシックなのはどちらなのでしょうか。

クラシックの定義をざっくり確認すると、

「古い」ではなく「最高品質の」という定義です。

参考記事

「クラシックの定義をはっきりさせたい」

落合氏の著書にこのような記述があります。古い=クラシックではないことが分かります。

「厚いボタンは、古くさい。本当のクラシックスタイルのボタンは薄くあるべきで、理由は、厚いボタンに比べ、見た目がずっと上品だからだ。加えて、厚いボタンははめにくいという欠点を持っている。」

完全に薄い派のようですね。

確かに、薄い方がはめやすいのは、私も賛同します。でも、厚い方がはめやすい、という方もいます。

それに、厚いと割れる可能性も低く、長持ちします。

どちらが品質が高いかは、人の感じ方によるということです。

クラシックの定義が最高品質であるとするなら、薄くても厚くても、人の感じ方次第でどちらもクラシックと言える、という結論になります。

手持ちシャツ確認

上で紹介した、ラルフローレンパープルレーベルのボタンは、3ミリ。

私のワードローブの多くを占める鎌倉シャツは、2ミリ。

鎌倉シャツの中でも、ナポリ製の134という、やや高級なレーベルは、さらに薄く1ミリ。

鎌倉シャツ134レーベル。珍しい茶蝶貝ボタン

鎌倉シャツは、薄い方が高級=クラシック、という考えなのかもしれません。

フランコ・プリンツィバリーという、イタリアのブランドのシャツは、2ミリ。

フランコ・プリンツィバリー

中古で安く買ったので定価は分かりませんが、多分3万円以上はする高級なシャツです。

私の手持ちシャツを見ても、貝ボタンの厚さと値段の高さは、必ずしも比例しないことが確認できました。

まとめ

シャツの値段と貝ボタンの厚さは必ずしも比例しない。

厚い貝ボタンは、安いシャツに使われることはまずないが、高級なシャツには、厚いボタンも薄いボタンも両方使われる。

どちらが良いかは、個人の好み次第。

私個人としては、薄いのが好みです。

単純に、はめやすいからです。

すぐ割れるようなら、薄いのは嫌ですが、自宅で洗濯を何度繰り返しても、割れたことがありません。

皆さまは、どちらがお好みでしょうか?

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