こんにちは。
ミスターリネンと申します。
先日、いつもお世話になっているDORSOで行われた、韓国のニットブランドIOLO(イオロ)のトランクショーに行きました。
そこでベージュの長袖のニットポロを購入しました。

ハイゲージニットで恐らく最も有名なブランドが、JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)でしょうか。
私なりに思う、ジョンスメドレーとイオロの違いをこの記事では述べます。

両ブランドとも、数多くの製品を出していて、その全てを考慮に入れると抽象的なことしか言えなくなってしまうので、この記事では、ニットポロシャツに限って話します。
比較対象
まずお断りしておきたいのが、私はジョンスメドレーもイオロも、ポロシャツは一着しか持っていません。
このような比較レビュー記事は、何着も買って着た経験がある人間が書くべきかもしれませんが、ご容赦ください。
ジョンスメドレーのもの。アイボリー。サイズM。

ウール100%のものが一般的ですが、こちらはコットン100%です。
廃盤品なので、モデル名は不明です。
襟の形は、DORSETという現行モデルと同じで、DORSETは夏の定番モデルISISと同じ襟型です。


なので、私が持っているコットン100%の長袖は、ISISの長袖バージョン、と理解して良いと思います。
続いてイオロのもの。ベージュ。サイズL。

こちらはウール100%です。
こちらはClassic Polo Shirtというモデルです。
素材がそもそも違うので、肌触りや、洗濯のしやすさ、伸び縮みやすさなどは比較が出来ません。
なので主に形に関する違いを取り上げます。
襟型
ジョンスメドレーのニットポロの襟型は、いくつか種類がありますが、最もジョンスメドレーらしいのが、この襟型だと思います。

特徴は、襟が大きく(長く)、先端がややくいっと内側に曲がっていることです。
春夏モデルの半袖タイプだと「ISIS」、秋冬モデルの長袖タイプだと、「DORSET」というモデルに使用される、同ブランドでも、恐らく最も大きい襟型です。
襟の長さを調べると、6.5㎝ほどでした。

テーラードジャケットを着たときに、襟が小さいとイマイチバランスが取れないので、襟が大きいことは正義だと思いますが、先端のくいっと曲がっているのは、何か意味があるのか、私は知りません。
曲がっていると、ジョンスメドレーと一目で分かるので、ブランドの主張なのでしょうか。
また、襟の開き角度については、シャツで言うレギュラーカラー、開き角度が狭いです。

そのため、昔っぽい、おじさんくさいとも言えるし、クラシックとも言えると思います。
続いてイオロのニットポロを見てみると、襟はしっかり大きく、襟の長さは7.0㎝と、ジョンスメドレーより0.5㎝長いです。

襟の開き角度は、ジョンスメドレーのものより広く、セミワイドかワイドの感じです。

先端のくいっと曲がりは、ありません。
ちなみにジョンスメドレーでも、くいっと曲がっていない襟型もあるようです。



ですが襟の開き角度は、ジョンスメドレーはどちらであってもイオロに比べて狭いです。
なので、この章をまとめるなら、襟の長さは両ブランドで大して変わらない、しかし襟の開き角度は、ジョンスメドレーの方が狭い、となります。
ジャケットのゴージラインの角度と、インナーの襟の角度を気にするならば、自分が好きなジャケットのゴージラインの角度により、どちらのニットポロが向いているか、変わってきそうです。
私の場合、イオロの襟の方が好みでした。
DORSOでオーダーしたジャケットを着る際、既製品のワイドカラーのシャツだと、ジャケットのゴージラインの角度に対して、シャツの襟の角度が広すぎて合わない、という悩みを抱えており、
ニットポロを合わせる場合でも襟の角度が狭い=ジョンスメドレーの方が合う、と想像していたのですが、実際に着てみると、ジョンスメドレーの襟は狭すぎました。

イオロの襟は、ジョンスメドレーと比べたから広く見えただけなのか、着てみるとDORSOジャケットのゴージラインの角度にピッタリです。

ジョンスメドレーの襟の角度に合うジャケットは、相当ゴージラインの角度が急なジャケットになると思います。

なので私は、ジョンスメドレーのニットポロは、一枚で着るか、上に羽織るものはテーラードジャケット以外にするつもりです。
サイズ感
続いて、サイズ感です。
結論だけ言うと、両ブランドで違うのは着丈のみ、他の寸法は似ている。です。
ジョンスメドレー
ジョンスメドレーから見てみます。
ジョンスメドレーのニットポロは、いくつか種類がありますが、サイズ感によりEASY FITとMODERN FITに大きく分かれるらしく、EASYの方がクラシックなゆったりしたサイズ感、MODERNの方が現代的な、ややスリムなサイズ感のようです。


襟型は、クラシックな長い襟が使われているのは、DORSETというモデルで、DORSETはゆったりしたEASY FITのサイズ感でしか作られていません。
つまり、ジョンスメドレーといえば、の大きい襟が良い場合は、現行品では、ゆったりしたEASY FITに必然的になってしまいます。
公式HPで、EASY FITとMODERN FITのサイズを比較してみると、違いは主に着丈にありました。


EASY FITの方が、MODERN FITより随分と長いです。
逆に身幅は両者大きな差は無く、MODERN FITであっても胸がピチピチになるようなことはなく、両者とも、身幅は十分なゆとりがあるようでした。
ジョンスメドレーの着丈について、
EASY FITの方は、一番小さいSサイズでも68㎝あり、Mで70㎝、Lで72㎝です。(DORSETを参照)
MODERN FITの方は、Sで63㎝、Mで65㎝、Lで67㎝、XLで68㎝です。(KNOLLを参照)
EASY FITの方の着丈は、長すぎると思います。
実際にHPでモデル着用写真を見ると、長すぎると思いませんか?


タックインするなら長い方がむしろ良いですが、タックインしないのなら、裾に生地が溜まりすぎて、私の感覚ではバランスがイマイチです。
このモデルの身長は185㎝でLサイズ=着丈72㎝でこの感じです。
ヨーロッパ人は背が高いから着丈も長い方が良い、のかと思いきや、185㎝のモデルが着ても長すぎるので、最低190㎝はないとダメそうです。
私の持っているジョンスメドレーは、廃盤品ですが、着た感じは恐らくMODERN FITです。
Mサイズで着丈は65センチほどです。

MODERN FITの着丈はタックアウトしても裾が溜まり過ぎないちょうど良い着丈だと思います。
モデル写真を見ても、違和感がありません。(もうちょっとだけ短いと良いな、とは個人的には思いますが。)


このモデルは186㎝、先ほどのEASY FITのモデルと1センチしか背は変わりません。
なので、現行品を買うなら、EASY FITよりMODERN FITの方が良いと思います。
しかし、クラシックな大襟のモデルがMODERN FITにはありません。
つまり、ジョンスメドレーでは、
・ジョンスメドレーらしいクラシックな襟型を優先して着丈を犠牲にするか、
・着丈を優先して、クラシックな襟型を犠牲にするか。
という選択に迫られる、と言えます。
(全てあくまで現行品の話で、過去モデルはまたサイズ感が違うと思います。)
イオロ
イオロの着丈を見てみます。
イオロも、ニットポロはいくつか種類がありますが、どれもサイズ感はほとんど同じでしたので、例として現行でも売られているモデルClassic Polo Shirtを見てみます。
身幅と袖丈は、ジョンスメドレーとほぼ同じだったで省略し、着丈のみに注目します。
Mサイズ63.5㎝、Lサイズ65.5㎝、XLサイズ67㎝、XXLサイズ68.5㎝、でした。
ジョンスメドレーのMODERN FIT:Sで63㎝、Mで65㎝、Lで67㎝、XLで68㎝
イオロはアジア(韓国)ブランド、ジョンスメドレーは欧州ブランドなので、ワンサイズずれると考えると、どちらもほぼ同じ着丈ですね。
180㎝、70㎏の私の場合、イオロはLサイズ=着丈65.5㎝でちょうど良いと感じました。(裾のリブを腰より少し上に持ってきて、裾を溜まらせています。)

ちなみに、購入したトランクショーで、イオロの方にお勧めされたのはMサイズでした。
着丈はMサイズ=63.5㎝でも問題はなく、ひょろいので身幅も問題なかったのですが(むしろMのほうがベター)、袖丈がやや短く感じたのでLを選びました。
イオロの着丈は、190㎝以上くらいの超高身長の人には短すぎることもあると思いますが、普通の身長の方にとってはちょうど良い着丈だと思います。
長くなったのでここまでを簡単にまとめます。
・ジョンスメドレーは、クラシックな襟型のタイプだと、着丈が長すぎる。
・それよりやや小襟のモデルなら、着丈はちょうど良い。
・イオロは、襟型、着丈ともに全モデル共通で、ジョンスメドレーの小襟のタイプとほぼ同じサイジング、着丈。なので普通身長の人にはちょうど良い。
となります。
ネック周り
襟型、着丈以外の大きな違いとして、ネック周りに注目します。
テーラードジャケットに合うニットポロと言えば、ジョンスメドレー、と言われることも多いと思いますが、私の意見は違います。
・ジョンスメドレーは、ネックが緩く、テーラードジャケットに不向き。
・イオロは、ネックがタイト(きつくはない)で、テーラードジャケットに向いている。
「襟型」の章で述べたように、襟の開き角度が急すぎる、という理由もありますが、ジョンスメドレーはネック周りが緩いため、一番上のボタンの位置が、下に下がってしまう(喉仏から離れてしまう)のです。

またそれにより、一番上のボタンを留めても、ニットポロの内側が見えやすく、下着が覗いてしまったりします。


実際に、HPのモデル着用写真を見ても、インナーの白Tが覗いているし、何となく緩そうに見えます。


イオロのものは、ぴったりフィットしていて、安心感があり、インナーが見えることは絶対にない、という感じです。

ぴったりと言っても、きついわけではありません。
私はドレスシャツは普段ネック39㎝を着ますが、イオロのLサイズで、この写真くらいのフィット感です。
襟の作りについて、ジョンスメドレーは台襟が無く、イオロはあります。


第一ボタンの所を注目いただくと、イオロの方は、台襟に第一ボタンがあります。
イオロは、ネック周りが比較的狭いのに加え、台襟があるので、喉仏に近い位置まで、襟の位置が上に来てくれるので、インナーが見えにくくなってくれます。
襟の高さ
襟の高さについては、
ジョンスメドレーが約4.3㎝

イオロが約4.7㎝。

ジャケットの襟の高さは、3.5-4.0㎝くらいが一般的なので、ジョンスメドレー4.3㎝でも、ちゃんとジャケットの襟よりインナーの襟の方が高くはなってくれますが、やや心もとない感じはあります。
イオロは、ちゃんと襟が出てくれるので安心です。

価格
ジョンスメドレーは、長袖のニットポロは、定価約55000円。
イオロは、230米ドル。1ドル150円とするなら、34500円です。
しかしイオロは日本に直営店はなく、個人輸入しないといけないので、送料、関税等を考慮すると、もう少し上乗せされると思います。
DORSOで行われたトランクショーで、私は44000円で購入しました。
トランクショーなので、もちろん多少のコミッションが入った価格と思いますが、ジョンスメドレーよりは1万円ほど安いことになります。
その他の点
ボタンは、ジョンスメドレーはプラスチックボタンです。

これには正直驚きました。
私が持っている商品だけたまたま、なのかもしれませんが、プラスチックボタンを使う商品がジョンスメドレーに存在するとは思いませんでした。
まさか、全商品プラスチックボタンなのでしょうか。
イオロはしっかり貝ボタンです。

リブの締め付けについては、私が持っている2枚では、イオロの方が圧倒的に締め付けが強いです。
しかし、それはウールとコットンの違い、生地の厚さの違い、使用回数の違いもあるので、単純比較は出来ません。
ただ、ジョンスメドレーのHPでは着用写真を見ても、リブが緩そうに見えるので、恐らく最初からジョンスメドレーの方が緩いです。



ネックも緩い、リブも緩い、かつ着丈も長いので、恐らくジョンスメドレーの考え方として、ニットポロは緩く着るもの、ということなのかもしれません。
最後に
私の好みでは、イオロの圧勝でした。
ジョンスメドレーは、着丈が長い、襟の開き角度が狭い、ネックが緩い、プラスチックボタン、値段も高い、とイオロに勝てる点がありませんでした。
ジョンスメドレーのニットポロは、襟型がテーラードジャケットにピッタリ合うという最大のメリットがある、と思っていましたが、いざ合わせてみると、イマイチに感じたのが私にとっては発見でした。

ですが、ジョンスメドレーのニットポロは、カーディガンやカジュアルジャケットなどに合わせると、魅力を発揮するのかもしれません。
最近BEAMSの西口修平さんがジョンスメドレーのDORSETを着た写真をインスタグラムにUPされていましたが、ネックが緩いデメリットを、スカーフを巻くことでうまく生かしているのが参考になりました。


ですが、少なくとも私にはハードルが高く簡単にマネできません。
なので使いにくい、と言わざるを得ないと思います。
以上です。
ありがとうございました。








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