ゴージラインの高さと角度について考える

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こんにちは。

ミスターリネンと申します。

ジャケットの印象の、恐らく7割くらいを決める、ラペル。

ラペルの形について考える時、大きな要素となるのが、ラペルの太さです。

以下の記事では、理想的なラペルの太さについて考えました。

ラペルの太さと同じくらい大きな要素となるのが、ゴージラインです。

さらに具体的に言うと、ゴージラインの高さ角度です。

上の写真では、ゴージラインの高さは、右に行くにつれて下がっていきます。ゴージラインの角度は、右に行くにつれて急になってきます。

ラペルの太さが同じであっても、ゴージラインの高さと角度によって、印象は大きく変わります。

ゴージラインの高さと角度によって、印象はどう変わるのか、どんなゴージラインがクラシックと呼べるのか、シャツとの相性はどうか、等について、私なりに考えてみます。

また今回はシングルブレストのみについて考えます。

6パターンの印象の違い

ゴージラインの高さが、高い、普通、低い。

ゴージラインの角度が、急、普通、緩やか。

普通に考えれば、3×3で合計9パターンあります。

しかし、実際は6パターンだと私は考えます。

ゴージラインの角度について、シングルブレストのジャケットの場合、ジャケットの肩線と平行までが限度で、それより角度が緩やか、と言うのは見たことがありません。

ゴージラインは肩線とほぼ平行、かわずかに下に傾いている(=わずかに急)

なので、ゴージラインの角度は、急か普通(=肩線と平行)かの2パターンしかないので、3×2で6パターンです。

以下それぞれ写真で例を出します。

・ゴージラインの高さ:高×角度:急

thsnycさんインスタより拝借

・ゴージラインの高さ:高×角度:普通

thsnycさんインスタより拝借

・ゴージラインの高さ:普通×角度:急

・ゴージラインの高さ:普通×角度:普通

herse_1868さんインスタより拝借

・ゴージラインの高さ:低×角度:急

myarmaniarchiveさんインスタより拝借

ゴージラインの高さ:低×角度:普通

preppyspanielさんインスタより拝借

正解は無い

時代に左右されず、誰が見ても違和感を覚えないゴージラインにしたければ、

ゴージラインの高さ:普通×角度:普通

にするのが無難かもしれませんが、必ずしもそれが最もクラシックとは言い切れません。

クラシックのルール的に、何が正解か不正解か、といったのは、私の調べる限りありません。

もちろん、「ゴージラインの高さが異常に高い、低い」、「ゴージラインの角度が異常に急」であれば、それは不正解と呼べますが、適正範囲内での高い低い、角度が急か普通かと言うのは、あくまで好みの問題だと考えます。

見た目の印象で言えば、ゴージラインが高ければ高いほど、かつ角度が普通(肩線と平行)であればあるほど、モダンな印象で、

eyesfromastraightguyさんインスタより拝借。モダンな印象のゴージライン。

ゴージラインが低ければ低いほど、かつ角度が急であればあるほど、昔っぽい印象(それが悪いという意味ではない)になると思います。

thegentlemanspiritさんインスタより拝借。現代ではなかなか見ないゴージライン。

その2つを両極端として、間に残りの4パターンが位置することになります。

私の好みを勝手ながら述べさせていただくと、なるべく癖の少ないデザインが好みなので、ゴージライン普通×角度普通か、ゴージライン普通×角度急のどちらかが好きです。

癖無しが良いと言っておきながら角度が急が好きなのは、DORSOさんのジャケットのゴージラインの角度が急気味で、そのバランスが好きだからです。

DORSOスーツ

とはいえ、全6パターンのジャケットを実際に着て、最終的にその好みに落ち着いた、というわけではなく、まだ着たことがないパターンもあるので、全部試すまでははっきりしたことは言えません。

とにかく、どのゴージラインも良く、好みの問題だということを改めてお伝えします。

シャツとの相性

これまではジャケット単体での話でしたが、実際に着る時は、シャツの襟との相性も考える必要があります。

ゴージラインの角度とシャツの襟の角度は、揃えなければならないというルールはきっとないですが、揃っている方が美しいと私は考えます。

ゴージラインの角度が急であれば、シャツはレギュラーカラーが合い、ゴージラインの角度が普通であれば、シャツはワイドカラーが合います。

ジャケットもシャツも、色んな種類のものを買い集めてしまうと、角度を気にする以上、これにはこれしか合わない、という問題が出てくるので、なるべく好みは早いうちに固定してしまった方が楽で経済的です。

私の場合、これまでシャツはワイドカラーばかりで、DORSOジャケットに合う、襟がレギュラー寄りのシャツを一切持っていないので、これから買い集めていかなければなりません。

曲線のゴージライン

話がややこしくなりますが、ゴージラインが曲線である場合があります。

DORSOさんHPブログより拝借。

手作業でないと曲線にはカット出来ないらしいので、ハンドメイド感が強調されるディティールのようです。

ゴージラインが曲線になると、角度がぼやけます。直線でない以上、角度を計測しようにもできません。

曲線でも、角度が急寄り、普通寄りとありますが、角度が分かりにくいので、シャツ襟の角度との相性も、直線の時ほどは気にしなくて良くなるというメリットはあるかもしれません。

途中で曲がるゴージライン

ゴージラインは、曲線で多少曲がることはあっても、基本的にはまっすぐです。

それに対し、ピークドラペルになると、途中で上方向にぐっと曲がります。

BEAMSさんブログより拝借。https://www.beams.co.jp/blog/lfy/14964/

ピークドまではいかなくても、途中からやや上に曲がるラペルがあります。

エフワンさんブログより拝借。https://east.f-one.co.jp/?p=14378

私のDORSOジャケットは、ほんのわずかに上に曲がっています。

曲がるこのディティールは、何か意味があるのか分かりません。今度DORSOに行った時聞いてみようと思います。

曲がっていると、ゴージライン自体は直線でも、目の錯覚でやや曲線に見えるという効果はありますが、曲線に見せたいなら曲線にすれば良いわけで、きっと目の錯覚を狙ってやっているのではないはずです。

ゴージラインが途中で曲がっていると困るのが、ゴージラインの角度か、くいっと上に上がった部分の角度か、どちらの角度を基準にシャツの襟の角度を合わせるべきか分からないことです。

両者の角度の違いは、ほとんど誤差にすぎないごくわずかな差ですが、私にはやや気になります。

きっと、直線距離の長い方、つまりメインのゴージラインの角度に合わせた方がベターです。

このシャツの襟は、ゴージラインのくいっと上がっている部分とは角度が近いが、ゴージライン本体とは角度が合っていない。

最後に

ゴージラインについて色々と考えてきました。

少し前までは、ゴージラインの高さは高く、角度も肩線と平行くらいの緩やか目が主流だったと思いますが、最近はその反対の流れが出て来ているように思います。

最近驚いたのが、ユニバーサルランゲージメジャーズさんで新登場した、フィレンツェモデルです。

同社HPより拝借。https://www.uktsc.com/cont/custom-order/special/firenze/

シングルの方について言えば、ゴージラインの高さは普通かやや低め、角度はかなり急、人によっては昔っぽい印象を感じるかもしれませんが、渋くて格好良いと思います。

ただ着こなすのは難しそうです。シャツもワイドカラーのものだと全然合わなそうです。

理想は、時代の流れがどうなろうと、同じ形のジャケットやシャツを貫き通すことだと思います。

その方がお金は掛からないし、一貫したスタイルがある人の方が格好良いと思うからです。

私にはまだまだたどり着けない境地ですが、少しずつブレを減らして自分のスタイルを見つけていきたいと思います。

以上です。

ありがとうございました。

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