ズボンのウエスト出しに挑戦してみる

お直し

こんにちは。

ミスターリネンと申します。

テーラーで働くという目標のために、お直しだけでもできるようになりたいと思い、先日ミシンを購入しました。

今お手伝いしているテーラーの方から、ミシンを使う以前に、しつけ縫いという、布同士がずれないようにするための手縫いが出来るようになる必要があると聞いていました。

なので、練習用の布にしつけ縫いを何本も行いました。

そして、そのしつけ縫いの隣を、なるべくまっすぐミシンで縫うという練習もしました。

白い糸がしつけ縫い(手縫い)、その左に見える黄緑の糸がミシン

しつけ縫いは、等間隔に、まっすぐ縫える、というレベルにはまだまだ達していませんし、ミシンもまだまっすぐには縫えません。

この練習は基礎練習として、今後も続けていくつもりです。

基礎も出来ていない状態ですが、基礎練習だけでは飽きてしまうので、実践に入ることにしました。

自分の服であれば、ミスしても問題ないし、実践してみることで基礎練習の効果も上がるだろうと思いました。

取り組むのは、チノパンのウエスト出しです。

取り組むズボン

今回ウエスト出しを行うズボンはこちらです。

コットン素材のチノパンです。

コットン素材は、ウールと違って糸の跡が残りやすく、ウエストを詰める場合は、元の縫い目は内側に入り込んで見えなくなるので良いですが、出す場合は、元の縫い目が現れるので、良く見るとお直ししたことが分かってしまいます。

同じコットン素材のスラックス。元の縫い目の跡がはっきり見える。

ですが、細すぎてそんなに気に入ってもないズボンなので、実践練習用に使うことにしました。

現状では、ウエストのボタンがぎりぎり留まるくらいのきつさで、お尻周りもきついです。

なので、ウエストからお尻にかけて、出せるだけ出してみます。

最初に糸をほどくというミス

まずは仕様を確認します。

内側を見ると、このように余り代があるので、多少は出せそうです。

ふちにはパイピングが施されていますが、ふちの際の際まで出すと、座る時などテンションがかかった時に生地が破れそうなので、ある程度余裕を持たせて、片側約1センチ、両側で2センチほど出すことにします。

現在の縫い目は解くことになるからと、何も考えずに私は糸を解き始めました。

このように、お尻をぱっくりと割りました。

しかし、これが大きなミスだったのです。

念のためと、YouTubeでウエストお直しの動画を見てみると、元の縫い目はそのままの状態で、お直しする位置を新たに縫い、元の縫い目は最後に解く、ということが分かりました。

解くのはウエスト部分にあたる白っぽい布の部分だけが正解でした。

下写真で指で示している、約10センチほどの部分を解き、白い布部分を上方向にパカッと開いた状態にし、一番上からお尻の下の方まで縫っていき、最後にパカッと開いた白い部分を閉じる、というやり方が正解です。

しかし、お尻の割れ目部分を先に解いてしまったために、ミシンで縫う時に2枚の布がずれやすくなってしまいます。

しつけ縫い

そこで、練習したしつけ縫いを施し、2枚の布がずれないようにすることにしました。

まずは、縫う位置を決めて、チャコというチョークのようなもので線を引き、その真横を縫います。

チャコで線を引いた状態
線の真横をしつけ縫いした状態

ちなみに、腰の上部分からお尻の下の方まで、直線なのかと思ったら、曲線を描いています。

曲線の方が履き心地が良いのか、たまたまなのか、良く分かりませんが、同じく曲線で線を引きました。

2枚の布がある程度留まり、ずれないようになれば良いと思い、間隔広めにしつけ縫いをしました。(後で述べますが、これもミスでした。)

いざミシン

準備が整ったところで、いざミシンをかけます。

似たような色のミシン糸をチョイスし、ミシンにセットし、ゆっくりと縫い始めます。

スピードが速すぎて、糸が折れた経験があるので、分厚い箇所は特にゆっくり縫います。

ミシンの練習時、以下写真ように生地が突っ張って、変なギャザーが寄ってしまっていました。

原因は、糸調子(糸の引っ張る強さ)がおかしかったためでしたが、縦方向(ミシンが進んでいく方向)に布を引っ張りながらだと、ギャザーも寄りにくいという技も事前に聞いており、今回は縦に布を引っ張りながらやりました。

意外と簡単だな、と感じながら、縫い進めていきます。

ウエストの上の方は、自分で引いた線の上を縫っていき、お尻の下の方まで来たら、元の縫い目に合流し、そこからは元の縫い目と同じ位置を縫います。

上の方は線が2本あるが、下の方で合流している

そうすることで、ウエストだけちゃんと出て緩くなったのに、お尻周りは前のままできつい、といったことが起こらず、自然な感じで上から下までつながるからです。

動画では、お尻にはテンションがかかるので、2回縫った方が良いと言われていたので、全く同じ箇所を上から下まで2度縫いました。

布がずれていた、、、

縫い終わった後、糸を留めて、アイロンを掛けて余り代のところを開いて、ほぼ完成。あとはウエストの白い部分を折り返して縫うだけ。

左右で余り代の太さに若干差がありますが。

全部で2時間くらいは掛かりましたが、ド素人のわりに、うまくできてしまいました。

と思ったのもつかの間、良く見ると、布が縦方向にずれています。

右の布が、(縦)上の方向にずれている。

5ミリから1センチほど、右の布が上の位置にあります。

裏側はどうせ見えないので構いませんが、表から見ると、そのずれははっきりと分かります。

このミスの原因はただ一つ。

最初にお尻の割れ目の縫い目を解いてしまったことです。

解いていなければ、2枚の布がしっかり固定されたまま縫えたので、こうはならないはずです。

ただ、最初に縫い目を解いてしまったとしても、挽回は出来ました。

しつけ縫いの際に、2枚の布を、ずれないように気を付けながら、しつけ縫いの間隔をもっと狭くすることで、ミシンで縫ってもずれにくいように固定することは出来たはずです。

しつけ縫いの間隔が広すぎる

それを、とりあえず2枚の布が重なっていれば良い、くらいに甘く考えていたために起きたミスです。

もう一回やり直せば、綺麗になるかも知れないですが、この布はコットンです。

残念ながら、跡が残ります。

デビュー戦の苦い思い出ということで、そのままにすることにしました。

仕上げ

最後に、ウエスト部分の白い布を折り返し、補強する必要があります。

これは、ズボンの表側から縫うべき、と動画で習いました。

裏から縫うと、表の縫い目にピッタリ重ねることは至難の業です。

なので、表から、見えている縫い目に合わせて縫えば良いというわけです。

何枚も布が重なっている箇所なので、糸が折れないよう太いものに交換し、ペダルを踏んで自動で走らせるのではなく、手で回しながらゆっくりと縫っていきます。

ベルトループがある部分は、ミシンをそのまま上から走らせることは出来ないので、一旦切り、山(ベルトループ)を超えてからまた縫います。

表から見ると、元の縫い目の上を縫えているのでまあまあ綺麗に見えますが、裏から見るとガタガタです。難しいです。

最後に、真ん中の部分を手縫いで補強し、元の縫い糸を綺麗に取ります。

表に返し、縫い目の後は残りますが、スチームアイロンを当てて、出来るだけ目立たないようにします。

履いてみると、たったの2センチなので大きな変化は感じられませんが、多少の余裕が出来ました。

縫い目のズレを除けば、まあまあの出来になったと自分では思います。

最後に

いざお直しを実践してみて、ミスもあったおかげで、良い学びとなりました。

数千円かかっていたウエストのお直しが無料で出来るようになったので、なんだか得した気分です。

今後も、基礎連を続けつつ、自分の服のお直しに挑戦していこうと思います。

まだまだ修行の道は長そうです。

以上です。

ありがとうございました。

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