正しいシャツの袖丈
こんにちは。ミスターリネンと申します。
落合正勝氏:「日本人のシャツの着こなしは、袖丈が短すぎる」
クラシックがお好きな方であれば、落合氏の上記の言葉に共感される方が多いかもしれません。
クラシックなシャツの袖丈に比べ、実際に日本で市販されているシャツは10センチくらい短いことが多いです。
赤峰幸生さんも方々で語られていますが、長いシャツの袖をボタンやカフスで留めて、パフと呼ばれる、生地の余りを手首あたりに作るのが、正しいシャツの着方のようです。
これにはちゃんと理由があって、腕を曲げたり伸ばしたりしても、シャツの袖の先が引っ込んでジャケットの袖先より短くならないよう、余裕を持った長さが必要だからです。
長さの目安は、袖口のボタンを開けた状態で、指の第二関節あたりまでくる長さ。(落合正勝氏)
私は他の記事では、色んな人の意見や、偉人の着こなしを確認しながら研究していますが、シャツの袖丈に関しては、どなたも共通して、丈は長めでなければならない、と言われています。
シャツはどこで買えばよい?
伝統のあるヨーロッパのシャツブランドであれば、既製品でもかなり長めの袖丈のシャツが売られていますが、現代では多くはありません。多分。
日本のブランドとなると、袖口のボタンを留めない状態でも、手首にちょっとかかるか、腕の長い人であれば短すぎてつんつるてんになることがほとんどです。
では、ヨーロッパのブランドのシャツを買えばよいのでしょうか?
それはそうなのですが、とにかく高いですよね。安くて3万円、高いと5万円を超えるものも当たり前に存在します。
高級欧州ブランドよりは安く済むのが、日本のメーカーでオーダーシャツを作ることだと思います。
フルオーダーで、型紙をゼロから作るオーダーだと、さすがに高額になりますが、いわゆるパターンオーダー=既製品をベースに、袖丈やウエストなど、調整可能な部分の寸法を変えるオーダーであれば、まだ手が出せる価格です。
例えば、鎌倉シャツさんですと、安くて1万円代前半、2万円出せば上質な生地のシャツをオーダーできます。
オーダーシャツについて| メーカーズシャツ鎌倉 公式通販 | 日本製メンズシャツ 9800円+税~|メーカーズシャツ鎌倉 公式通販 (shirt.co.jp)
そういったところで、袖だけやたら長いシャツを作るもの手です。
それでも、消耗品であるシャツにそこまでかけられないという方も多いと思います。
私はそうです。ここぞというときのシャツはオーダーしますが、普段のシャツは既製品しか買えません。
既製品で安くて最良のブランド
日本のどのブランドの既製品が良いかと聞かれれば、私は断トツで鎌倉シャツを推します。
値段に対するクオリティーの高さが抜群だと思います。
それに、サイズ展開も豊富です。
私のヌード寸法は、首回りが39センチ、裄丈(首から手首まで)が85センチなのですが、39-87というサイズが鎌倉シャツにはあります。
39-95くらいの、袖が長いサイズがあれば良いのですが、仕方ありません。腕を伸ばした状態だと、ジャケットの袖からはシャツが見える長さなので、許容範囲内です。
なので普段着のシャツは基本鎌倉シャツの既製品を購入します。
鎌倉シャツのサイズ展開であれば、ほとんどすべての日本人に合うサイズがあると思います。
ご自身の首回りのサイズで、袖の長さがヌード寸法より長いサイズが2つ以上存在なら、長い方を選んだ方が良いと私は思います。
赤峰さんの言われるパフが生まれるし、袖口のボタンを留めれば、どんなに長くても手首より下にずり落ちることはないので。
ちなみに、袖口のボタンの位置は、いくらでも移動させることが可能です。
手首が細い方は、袖口のボタンを留めてもシャツの袖がずり落ちてくることもあるかと思いますが、その場合はボタンの位置をきつい方にずらしてしまえば良いです。
ご自身で作業しても良いですし、お直し屋さんに持っていけば、両袖で700-800円くらいでやってくれます。
鎌倉シャツのもう一つ良いところが、胸ポケットがついていないところです。
胸ポケットがついていても取れば良いのですが、最初からついていない方がもちろん楽で良いです。
「シャツの胸ポケットを取る時、これだけは気を付けてください」
日本でのシャツのイメージがおかしい?
最後に、日本で袖丈の短いシャツがなくならない理由を私なりに考えます。
その理由とは、日本人が腕が短いから、ではなく、クラシックな着こなしを知っている人が少ないから、だと思います。
偉そうにすみません。私も絶賛勉強中の身ではありますが、私レベルでさえ、一般的には詳しい方に分類されるほど、クラシックに興味関心がある人が少ないですよね。
シャツ1枚の姿になった時、手首あたりにパフ(生地の余り)が出来ていると、それをクラシックで格好良いと捉えるのではなく、おじさんくさいか、サイズが合っていないなのか、分かりませんが、むしろマイナスに捉えられる可能性の方が高いと思います。
また、日本ではシャツを腕まくりすることが多く、長いシャツは腕まくりした時にまくった部分が分厚くなりすぎて野暮ったく見える、というのもあるかもしれません。
日本に限らず、ヨーロッパでさえも、クラシックに興味のない人たちの間では似たようなイメージかもしれませんね。
私には何の影響力もありませんが、赤峰幸生さんをはじめ、クラシックを体現される人たちの正しい着こなしがもっと広がることを願います。
少なくとも私は、今後シャツをオーダーする際は、徹底してクラシックな袖丈を守ろうと思います。
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