こんにちは。
ミスターリネンと申します。
今回は腕時計の革ベルトについてのお話です。
結論を先に述べると「黒でも茶でもない、微妙な色がおすすめです。」という内容です。
靴と時計ベルトの色の関係
靴の色と時計の革ベルトの色は合わせるべきかについては、以下の記事で詳しく検証しましたが、結論だけ抜粋すると、
「革靴の色と時計の革ベルトの色はなるべく近い方が良い。時計の革ベルトの最も万能な色は、ダークブラウン。」です。
上記の結論は、時計の革ベルトを毎回付け替える面倒さを考えて、仮に1色だけ選ぶなら、ダークブラウンが最も万能と言う話です。
どんな靴、どんな服装にもダークブラウンの時計ベルトが最も合う、と言う話ではありません。
ダークブラウンの革靴にダークブラウンの時計ベルトは相性が良いのは当然ですが、ライトブラウンの革靴の時も、ダークブラウンの時計ベルトはバッチリです。
逆に、靴も時計ベルトもライトブラウンでぴったり同じ色だと、頑張って合わせた感が出て逆に変な気もします。ブラウンは、特に明るい色であるほど、色が多少ずれているくらいの方が自然で良いのかもしれません。
茶ではなく、黒い革靴の時は、ダークブラウンの時計ベルトでもそんなに変ではないけど、黒い時計ベルトを合わせたい、と私は思います。
特に、タキシードやスリーピースなど、ドレス度合いが高い場合は、なおさら靴に合わせて黒い時計ベルトをする方がベターです。



革の色の合わせは人によって考え方が分かれると思いますが、あくまで私は、黒靴の場合に限っては、時計のベルトも黒の方が格好良い、茶靴の場合は、時計ベルトは多少色がずれている茶色の方が自然で格好良い、というのがこの章のまとめです。
黒と茶以外の選択肢
では、黒と茶以外の時計ベルトはどうでしょうか。
靴と時計ベルトを同じような色にするから、微妙な色の違いが気になるのであって、最初から靴と全く違う色の時計ベルトを選べば、色合わせなんて気にしなくてよいかもしれません。
しかしそこで、時計ベルトの色を、赤、白、緑、など派手な色を選んでしまうと、ものとしては素敵でも、目立ちすぎるし、クラシックな服装にも合わせにくいです。

私がおすすめしたいのが、いわゆるニュアンスカラー、つまり何色にも分類しにくい、中途半端な色です。
最も理想的だと思うのが、ユナイテッドアローズの木原大輔さんが着用されている、こちらの色です。

黒とも茶とも言えない、グレーとブラウンの間のような絶妙な色です。
変わった色ではありますが、あくまでシックで、クラシックな服装にも合いそうです。
何より良いのが、黒靴でも茶靴でも合いそうなところです。
ダークブラウンの時計ベルトだと、上述したように、黒い靴を履いた時に、相性が100点ではありません。
ですがこのグレーとブラウンの中間の微妙な色の時計ベルトなら、グレーの要素が黒い靴とマッチしてくれて、100点に近い相性になると思います。

茶色い靴の場合でも、時計ベルトのブラウンの要素が靴のブラウン要素を拾ってくれるので、同じく好相性です。
靴の色との相性ばかりに注目してきましたが、時計の文字盤、ケースの色との相性も重要です。
この微妙な色は、木原さんの写真を見ても分かるように、白系、黒系両方の文字盤にも合うし、ゴールド系、シルバー系両方のケースの色にも合います。

最強と呼べる色だと思います。
私がオーダーしたもの
木原さんと同じお店に行って同じものをオーダーすればよかったのですが、距離的に行くのが面倒で、別の時計屋さんで木原さんと同じ色の革を探しました。
残念ながら、全く同じ色の革の取り扱いが無く、妥協して近い色にしました。

上の写真のマットブラック文字盤の時計に合わせてくてオーダーしたのですが、結果、想像とやや違う仕上がりになってしまいました。
と言うのも、グレーとブラウンの中間が良かったのに、ブラウン要素が無いグレーのみの色合い、かつほぼブラックに近い濃いグレーだったのです。

革見本は小さくてイメージが沸かないし、革見本自体が経年で色が変わっているかもしれないし、狙った通りのベルトが出来上がるのは難しいと感じました。
その失敗談は以下の記事にまとめています。
その後もう一本、このレベルソ用のベルトも同じ時計屋さんでオーダーしました。

グレーとブラウンの中間という色は無いとあきらめていたので、別の微妙カラーを選択してみました。
それが、この2匹のワニさんのうち、下の大きい方のワニさんの革です。

何色とも呼び難い、中途半端な微妙カラーではないでしょうか?
オリーブとベージュの中間くらいでしょうか。
この色だと、レベルソのイエローゴールドの色に好相性な気がしました。
やや明るめの色なので、シックというよりは、少し派手な印象もあります。

なのでクラシックな服装に合わせにくくなるのではないか、と言う心配はありましたが、茶色以外の色に挑戦してみたかったのでこの色にしました。
出来上がったのがこちら。


私の想像よりは茶系要素が弱く、グレー要素が強いと感じました。
またしても狙ったのとは若干違う出来でした。
しかし、今回は良い意味での誤算だったかもしれません。
というのも、オリーブとベージュの中間の色なので、黒靴は絶対に合わないだろう、と思っていましたが、グレー要素があるので、黒靴を合わせてもそこまで違和感を感じません。

逆に、ダークブラウンの靴との相性が、ダークブラウンの時計ベルトと比べてやや落ちそうです。が、相性は十分良いと感じます。

汎用性だけを見れば、ダークブラウンの時計ベルトには敵いませんが、ちょっと変わった感じが出せて、でも奇抜さ、派手さがない使いやすい時計ベルトが出来たと思います。
2本のオーダー経験を経て、どちらもそれなりに気に入ってはいますが、やはりユナイテッドアローズ木原さんのグレーとブラウンの中間の微妙カラーが最強であるという結論は変わりませんでした。


素材による違い
これまで登場してきた革は、全てワニの革です。
ワニの種類によって、クロコダイルとアリゲーターがあるようですが、どんなワニでもドレッシーな印象が強いです。
時計ベルトに使われる革には沢山の種類があるので、革の種類によって、同じ色でも印象は大きく異なります。
全ての革を細かく見ていくと、キリが無くなってしまうので今回は詳しくは見ませんが、
ワニ革のようなドレッシーな革ほど、変わった色を選ぶのは難易度が高いと思います。特にツヤ有りの場合はなおさらです。
ワニと言うだけである程度強い印象が出るので、そこに明るめの微妙カラー(中間色)が掛け合わされると、悪目立ちしかねません。

逆に、カーフ(牛)、スエード(裏革)などのカジュアル寄りの革であれば、微妙カラーでも、比較的大人しくなってくれる気がします。


ワニ革であれば暗めの微妙カラーに留めておくべき、カジュアルな革であれば、多少明るめの微妙カラーを使っても目立ちすぎない、と考えます。
まとめ
時計ベルトの汎用性最強カラーを挙げるなら、ユナイテッドアローズの木原大輔さんのグレーとブラウンの中間カラー。
しかしオーダー以外では購入が難しい。
既製品から選ぶなら、ダークブラウンが最も汎用性が高い。
汎用性は若干落ちるけど、複数色の中間である微妙カラーは、少し変わった感じが出せておすすめ。
ベルトオーダーは、革の個体差、経年変化、見本の大きさによって、イメージと違う仕上がりになるリスクもある。
イメージ違いを回避するには、なるべく実際のベルトサイズの革見本を用意しているお店で、時計に見本を載せてイメージをつかむのがベストだと思います。
以上が今回のまとめとなります。
ありがとうございました。
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