こんにちは。
ミスターリネンと申します。
ようやくリネンが着られる季節になってきたので、リネンのテーマをお話したいと思います。
リネンスーツに最適な生地屋(生地ブランド?)と言えば、アイルランド製のアイリッシュリネンで有名な、SPENCE BRYSONスペンスブライソンと答える人が多いと思います。
スペンスブライソンのリネン生地の何が良いのか、何が悪いのか。
日本の気候には合っているのか。
スペンスブライソンの生地のスーツやジャケットを4着購入し、実際に日本で何年か着てみたので、私なりの感想をお伝えいたします。
スペンスブライソンの中には複数の生地の種類がある
スペンスブライソンと一口に言っても、生地の種類は様々です。柄は無地がほとんどですが、生地の重さ(厚さ)が軽いものと重いものとに大きく分かれます。
最も定番なのが、【TROPICAL】と呼ばれる生地で、重さは370g、スーツ生地としては比較的重め(厚め)です。

比較的最近登場した、【TYRONE】という生地は、重さは380gで、10gの差しかありませんが、糸の太さがより太く、荒っぽい表情をしています。

【GLIN】という、300gの比較的軽めの生地もありますが、こちらはスラックスには薄すぎるので、ジャケット単体用らしく、リネンスーツに使うなら、【TROPICAL】か【TYRONE】の二択になります。

参考までに、通年用の以下のスーツの生地は、250g。


真冬にピッタリのヘビーなフランネルのこちらのスーツは、400g後半です。

スペンスブライソンの300g後半は、通年生地よりはるかに重い(厚い)ので、生地の厚さだけで見れば、秋冬生地とも言えます。
しかし生地は厚いけれど、リネンなので生地に隙間があって風通しが良く、見た目にも清涼感があるので、一応春夏生地の扱いです。
悪い点
私が持っているスペンスブライソン生地のスーツやジャケットは、【TYRONE】のものが2着、【TROPICAL】のものが1着、どの種類か分からないものが1着です。




実際に数年間着てみて感じたことをご紹介します。
まずは、悪い点から先に紹介します。
暑い
残念ながら、リネンのくせに全く涼しくはありません。
いくら風通しが良い生地でも、単純に分厚いので暑いです。
テーラーの方によれば、リネンより、薄手のウール(フレスコなど)の方が、よっぽど涼しいらしいです。
日本の6-9月は、外で着るのはまず無理で、実際に着られるのは、長くて3-5月、10月の4か月間くらいです。
気温的には、東京くらいの緯度なら、11、12月でも寒く感じずに着られると思いますが、季節感的に寒々しい印象を周りに与えてしまう場合があるので、季節感無いなと思われたくないのであれば、着ない方がベターだと思います。
解決策
暑いですが、多少の対策はあります。
それが裏地です。
ジャケットの裏地は、裏地が覆う範囲によって、総裏地、背抜き、半裏などいくつか種類がありますが、裏地が無い方が当然涼しいです。
リネンの風通しの良さを生かすには、裏地が無い方が良いです。
私のジャケットの場合、背抜き仕様にしていますが、総裏地よりはマシでも、夏には全く涼しくはありません。


袖裏にも裏地は使われていますが、それすらも無くしてしまっても良いのではないかと思います。
(私は袖裏無しにしたことがありませんが、次にオーダーする際はやってみようと思っています。)
袖は胴よりもインナーに密着しやすいので、裏地の有無による体感温度の違いは大きいと思います。
袖に腕を通しにくい、表地に汗が直接付いて生地が傷む、といったデメリットはありますが、
袖に腕を通しにくいのは、袖の太さをやや太めにすれば少しは解決しますし、


表地に汗が付くことについては、リネンは水洗いしやすいので、汗が付いても洗えば良いと考えれば、デメリットもそこまで大きくはないです。
また、袖裏が無いことで、半袖のインナー(ポロシャツなど)を着ても、裏地が肌にひっつかず、快適というメリットもあります。
ただ、いくら裏地を無くしたところで、生地自体が厚いので、体感温度はほとんど変わらないと思います。
6-9月にリネンジャケットを着たいなら、300gの【GLIN】にするか、他ブランドの薄いリネン生地にする方が良いと思います。
良い点
暑いという大きなデメリットはありますが、それ以上に、スペンスブライソンのリネンには素晴らしい点があります。
シワが大振りになる
リネンにシワが出来やすいことは周知の事実ですが、リネンのシワは、生地が薄いと細かく、生地が厚いと大振りになります。
以下の写真で、薄い生地(リネンシャツ)に入った細かいシワと、スペンスブライソンの厚い生地(リネンスーツ)に入った大振りのシワを見比べてみてください。


スペンスブライソン(スーツ)のシワはエレガントに見えませんか?
少なくとも私の目には、エレガントに見えます。
「リネンはシワが目立つからビジネス使いしにくい」と言われますが、シワが入ったリネンスーツを着ていても、全くだらしなくは見えないと私は思うのですが、いかがでしょうか。
生地が硬い
スペンスブライソンの分厚いアイリッシュリネンの生地は、最初はとても硬いです。
何年も着こんでいくことで、柔らかくなり体に馴染んでいくらしいですが、私の手持ちのスーツに関しては、3年以上着てもまだ硬いです。(一度もクリーニング、洗濯は行っていません。)


ですが、硬いから何か困ることがあるかと言えば、個人的には一切ありません。硬くて動きにくいこともありません。
むしろ、硬いからこそスーツが立体的に、カッチリと見えるので、薄くて柔らかいリネン生地には出せない魅力があると思います。
表面が荒い
定番の【TROPICAL】の生地は、糸の太さが比較的均一で、上品なイメージですが、私が着ている【TYRONE】については、糸の太さがあえてバラバラで、良い意味で粗野なイメージです。

どちらもスーツとしても、単品ジャケットとしても使える生地ですが、【TYRONE】の方がカジュアルなので、デニムと合わせるなどのカジュアル使いに向いていると思います。
と言っておきながら、私は結婚式でも着用しました。上下セットで着れば、それなりにドレッシーに見えると思います。

ガシガシ着られる
分厚いスペンスブライソンのリネンは、とにかく丈夫です。
ひじを机にいくらこすりつけても穴が開くことはないし、ブラッシングを怠っても生地がダメになることもありません。
水洗いも不可能ではないので、飲食物を仮にこぼしてしまったとしても、洗えます。
シワはリネンなのでできやすいですが、ジャケットを着たまま椅子に座っても、手を組んでも、全体的にシワがあるで、一箇所のシワだけ目立つことがありません。
ウールだと、例えば車の運転時に着ていて、背中やシートベルトが当たる部分にシワが出来てしまうと目立ちますが、リネンなら、どんなシワでも、数あるシワの1つとして埋もれるので、比較的気にならないと思います。
私はスーツは好きですが、着ていると気を使うのと、着れば着るほど寿命が縮まっていく感覚が嫌なので、デニムのように着れば着るほど格好良くなるスペンスブライソンのリネンは、ガシガシ着られて扱いやすいと感じています。
まとめ
スペンスブライソンのリネンスーツの良い点悪い点をご紹介しました。
まとめとしては、
良い点:格好良い、丈夫
悪い点:暑い
となり、残念ながら、日本の高温多湿な気候には合っていないと思います。
万人に受ける生地ではなく、完全に趣味趣向の世界の生地だと思います。
それでもリネンスーツを着るという方、ぜひお友達になってください。
以上です。
ありがとうございました。
コメント
ブログ拝見して、リネンスーツ を作ってみようかなと思っております。
私も夏ではなく、秋、春メインを想定しているので、濃い目の色がいいかと思ってますが、
ご参考までに、ブラウンのシングルスーツはtyron のどのカラーになりますでしょうか?
BROWNでしょうか?
コメントありがとうございます。お返事遅れてしまってすみません!
ブラウンのTyronは、BROWNです。型番?で言うと、8111です。
濃いめのアイリッシュリネンは悪目立ちせず日本でも使いやすくて良いなと感じています。
ご参考になれば幸いです。
回答ありがとうございます。
先日、タイロンと迷いに迷ってトロピカルの生地でスーツ を作ってきました。
Mr.Linenさんのワントーン明るいGブラウン?にしました。非常に楽しみです。
今後も生地参考にさせて頂きます!
トロピカルの明るめのGブラウンにされたのですね!スーツで着るならトロピカルの方が良かったな、と私はたまに思うので、良い選択をされたと思います。
うらやましいです!
ぜひ一緒にリネンを楽しみましょう!